立場(たちば)がなくなれば座るしかない。^^ 出る杭(くい)を打とう…と目論(もくろ)むのが世間であり、立場を良くしよう! とすればするほど、立場が悪くなる。その結果、杭を打たれて座る・・と、話はまあ、こうなる。^^ 立場を得るには、それだけの力が必要で、なければ、ジィ~~っと我慢して座っている他はない。辛(つら)いし、腹立たしいが、まあこれも、本人に力がないのだから致し方ない。私なんか、その典型的な一人である。お笑い下さい。^^ 今日の十三話は、そんな立場を描いた四方山話(よもやまばなし)です。^^
とある町役場のとある課である。^^ 朝から二人の職員が、あ~でもないっ! こぉ~でもないっ! と話し合っている。
「それじゃ、立案した僕の立場がないじゃないかっ!」
「じゃ~そのまま座ってろよっ!」
「そういう言い方は、ないんじゃないのっ!」
「じゃ~ぁ、どう言えばいいんだっ! 横になってソファーで寝てろっ! とでもっ!?」
「ははは…冗談は、さて置いて、僕の案は蹴られたのっ!?」
「蹴られちゃいないが、一蹴(いっしゅう)されたのは確かだっ!」
「同じじゃないかっ!」
「僕に愚痴られてもなぁ~」
「まあ、それはそうだが…」
「だろっ!?」
「ああ…」
妙なところで納得した職員は、座ったまま腕組みをした。
「ははは…確かに僕は座ってるなぁ~」
自案を一蹴された職員は静かに頷(うなず)くと、項垂(うなだ)れた。
「だろっ!? 立場がないってのは、そういうことだっ!」
今日の十三話は、馬鹿げた立場という四方山話(よもやまばなし)でした。^^
完
私達の三次元世界では、行きつく果て・・というのがある。無限に・・という概念は説明されても、無限は行きつく果て、というのがないから確認しようがない訳だ。^^ 今日の十二話は、この行きつく果て・・を描いた四方山話(よもやまばなし)である。まあ、どぅ~~でもいいと言っちゃ、どうでもいい話なのだが…。^^
とある町の集会場である。二人の中年男が話をしている。
「どうなんだ?」
「なにがっ!?」
「だからさぁ~、これからどぉ~なるかって話よっ! 行きつく果てっ!」
「…なんのっ!?」
「コロナとかオリンピックとか、いろいろあるだろがっ!」
「ああ、そりゃまあ、あるわなっ! それがっ!?」
「だから、その行きつく果てよっ!」
「そんなこと、おいらに訊(き)かれてもなぁ~」
「予想! 飽(あ)くまでも予想よっ!」
「まあなぁ~。そう言われてもなぁ~。コロナはコロナだけのもんだし、オリンピックはオリンピックだけのもんだし…」
「そりゃ、そうだが…。だからっ! その行きつく果てよっ!」
「コロナの行きつく果ては、終息だろうよっ! そうならなきゃ具合が悪いぜっ!」
「ああ、まあそうだわな…。オリンピックはっ!?」
「オリンピックも開催に漕(こ)ぎつけられるか、中止かのどちらかだっ! オリンピックはコロナと関係するんだろうが…」
「なるほど…。要するに行きつく果てへ行きつく訳だっ!」
「そうそう! 気にしたって、しょ~がないってことだっ! 物事は、どう足掻(あが)いたって、行き着く果てへ行き着く、としたものだっ!」
「なるほど…」
二人の話の結論は出た。
物事は良くも悪くも、行き着く果てへ行きつくのである。^^
今日の十二話は、こんな四方山話でした。^^
完
ゆとりの時間がないと、必然的に慌(あわ)ただしくなる。ゆとりの時間は考えておいたのだが、俄(にわ)かな用事やハプニングでゆとりがなくなり、慌ただしい事態となった・・などという話も聞く。孰(いず)れにしろ、ゆとりがなくなれば、バタバタと慌ただしい動きになることに変わりはない。今日の十一話は、そんな慌ただしいお話だ。^^
とある繁華街の交差点である。禿岡(はげおか)は、この日も出勤のため、車で会社へ向かっていた。
『んっ!? 今日はどうしたんだっ! 偉(えら)く混んでるじゃないかっ!』
いつも、ゆとりの時間に考え、早めに家を出る禿岡だったから、そんなに心を乱してはいなかったが、それでも少し不安げに呟(つぶや)いた。その後、十分、十五分と時は過ぎていったが、少しも渋滞は解消しそうになく、前方の車列は動きを見せない。禿岡が腕を見ると、いつの間にか、ゆとりの時間は疾(と)うに消えていた。禿岡は少しイラつき始めた。
『チェッ! どうしてくれるんだっ!!』
これでは、朝のプレゼン[説明会]には間に合わない。だが、怒ったところで、どうなるものでもない。ジィ~~っと運転席で固まっていても、怒りは益々、大きくなるばかりだ。禿岡は少しバタつこう! と、シートベルトを外(はず)し、用もないのに助手席に置いた鞄(かばん)の中を弄(いじく)り始めた。とはいえ、それも長くは続けられるものではない。禿岡は鞄のチャックを締めると、しばらくジィ~~っと目を閉ざしていたが、それもそう長くは続けられず、次に頭を左右に振り、肩を上げ下げし始めた。それとて、長く続けられるものではない。加えて、車列は動かず、少しも変化見せなかった。禿岡は、よしっ! 慌ただしくしないでおこう! と決意し、腕組みした。その時、急に前の車列が動き始めたのである。禿岡は、慌ただしいなっ! …と思いながらシートベルトを締め、車を慌ただしく発進させた。
このように、慌ただしく思わなければ、慌ただしいことも慌ただしくなくなる・・という、馬鹿げた四方山話(よもやまばなし)でした。^^
完
とあるフツゥ~家庭、白浪(しらなみ)家である。この家庭では、家庭捜査研究所、略して家捜研(かそうけん)と呼ばれる組織が存在している。
夏休みが残り少なくなったこの日も、朝から白浪家では兄弟三人による家捜研の捜査が執(と)り行われようとしていた。
「兄ちゃん、細かな破片が落ちているよっ!」
「ど~れっ! これは茹(ゆ)で卵の破片だな…」
兄は卵の殻(から)の破片に虫メガネを近づけて観察したあと、手に取って呟(つぶや)いた。
「兄ちゃん、よく分かるねっ!」
「そりゃ分かるさっ! 破片がベトベトしてないっ!」
「なるほどっ!」
弟は、いとも簡単に納得した。
「誰かしらっ!?」
そこへ、真ん中の妹が現れ、捜査に参加した。
「… ここにいる三人以外の誰か、ということだけは確かだっ!」
「そうねっ! 犯人を突き止めないと、この先も食べられる危険性があるわっ!」
「そうだな…。再犯の危険性は否定できんっ!」
兄は昨夜観た、とある推理ドラマの台詞(セリフ)をそのまま引用し、所長顔で断言した。
「でもさっ!」
「なんだっ!」
「こんなに落ちてるとこを見ると、こっそり食べたとも思えないよっ!」
「おおっ! いいとこに目をつけたなっ、班長! これは我々、家捜研に対する挑戦かも知れんぞっ!」
「そんなこと、ないわよっ!」
すぐに妹が全否定した。
「係長っ! その理由はっ!?」
「だってさ! この食べ方はじいちゃんに決まってるからっ!」
「それも言える…。父さんや母さんが、こんな痕跡は残さんからなっ! それじゃ、すぐ通報してくれっ!」
「誰にっ!?」
「決まってるじゃないかっ! 僕にだよっ!」
「だって、兄ちゃんは今、所長でここにいるから知ってるじゃないかっ!」
「知ってるさっ!所長の僕は知ってるが、刑事の僕は知らないだろっ!」
「…分かりましたっ! …もしもしっ!」
「はいっ、なにかっ!?」
「犯人が分かりましたっ!」
「そうですか…。すぐ、そちらへ向かいますっ! …でっ! 犯人はっ!?」
「離れに潜(ひそ)んでるじいちゃんですっ!」
「ははは…じいちゃんは潜んでないだろっ!」
家捜研の捜査は、あっけなく終結した。
今日の十話は、こんな感じの四方山話(よもやまばなし)でした。^^
完
嘆(なげ)く状況とは、物事を悲観的に捉(とら)え、アレコレ有ること無いことを想像する場合に起こる心の叫びである。いいように解釈したり楽観する性格の方には嘆きの方から遠ざかるだろう。^^
九話はそんな心が嘆く状況を描いた四方山話(よもやまばなし)である。^^
とある有名作家の自宅である。朝から雑誌社の番記者が訪れ、応接室で作家の原稿の仕上がりを待っている。
「すいませんねぇ~いつもいつも…。うちの人、どうも筆(ふで)が重いものですから…」
作家が庭の松の剪定中などとはとても言えないから、妻は適当に暈(ぼか)した。
「ははは…気にしないで下さい。ちゃ~~んと、その辺(あた)りは心得ておりますからっ! 先生、庭ですねっ!?」
的(まと)を見事に射(い)られ、暈した妻は一瞬、ギクッ! とした。
「よ、よく分かりますわねぇ~」
「ははは…奥さん、私、何年、ここへ通ってると思ってるんですっ!? もう、20年ですよっ!」
「そんなになりますっ!?」
「なります、なります。大なりですよっ!」
そう番記者が言ったとき、作家が呼ぶハンドベルの音がした。
「怪(おか)しいわねっ! 庭にいたはずなのに…」
妻が訝(いぶか)しく思ったのには訳があった。作家がハンドベルを鳴らすときは、原稿が仕上がったときだったからである。妻が急いで書斎へ向かおうとしたとき、応接室へ作家が入ってきた。
「あ、あなた…」
「待たせたねっ! これ、今日のぶん…」
作家はブ厚い原稿の束(たば)を番記者へ手渡した。
「ああ、そうだ。明日(あす)と明後日(あさって)のぶん書いてあるから、君もゆっくり骨休みしなさいっ!」
「あ、有難うございますっ!」
御(おん)の字の番記者は、作家に深く一礼すると原稿の束を鞄に入れ、イソイソと応接室を後(あと)にした。いつも嘆くのは妻だけで、作家と番記者は嘆いていなかったのである。
嘆く内容というのは、思っているほど嘆く必要がないという、ただそれだけの四方山話でした。^^
完
流動的は、よく使われる言葉だ。この文を書いている今[2020.08.29]がそうで、『現在の政局は流動的です』などとアナウンサーや報道記者が解説するテレビ画面がそうだ。誰だって安定感がない流動的な事態よりは固定的な事態の方がいいに決まっている。水よりは氷が…みたいな話だ。今日の八話は、そんな四方山話(よもやまばなし)である。^^
とあるテレビ局のスタジオである。司会者と二人の論客が語り合っている。
「ということは、まだどうなるのかは流動的だということでしょうか?」
「はあ、まあそうでしょうねぇ~。どの陣営も勇み足は避(さ)け、駆け引きの真っ最中ですからっ!」
「議員さんで、ですかっ!?」
「ははは…私に訊(き)かれてもっ! まっ! 流動的なことは確かです」
「では、蛸崎(たこざき)さんはっ?」
「ははは…同じですよっ! 私に訊かれても…。ただ、今回は国の命運をかけた事態も含んでますんでねっ!」
「コロナに世界経済、来年のオリンピックですかっ!?」
「ええ、まあ…。地方というか国民の声も参考になさった方がいいんじゃないかと…。政治は一政党のためにあるんじゃありません。国民のためにあるんですからっ!」
「なるほどっ! 烏賊尾(いかお)さんはっ!?」
「私もそう思えますね。思うんじゃなく思えるんですよっ!」
「思えるんですかっ! そりゃ、思えるんでしたらどうしようもないっ! …ここで一端、CMが入るようですっ!」
スタジオ画面が中断し、CM画面が流れ出した。流動的は、こんな感じで、深刻でない方がいいようだ。^^
今日の八話は、ノンフィクションの四方山話でした。^^
完
こうも世の中が複雑になると、一つの作業もその日のうちに終えることが出来なくなる。そうなれば、その日、また次の日と区切りをつける必要に迫られる。別に区切らなくたっていいだろっ! と言われる方もおられようが、それが許されない今の世の中だから辛(つら)い。下手(へた)に働いてもらえば、法律に触れたり、人間関係がややこしくなる昨今(さっこん)だから困りものだ。まあ、私が困ることもないのだが…。^^ ということで、今日の七話は、そんな四方山話(よもやまばなし)である。^^
いつやらの短編集にも登場していただいた、とある夫婦の今朝の一コマである。日曜ということもあり、夫は昨日(きのう)やり始めたDIY(日曜大工[正確には土曜大工])の続きをやり始めた。夕方までに完成しよう! と意気込んだものの、不手際(ふてぎわ)もあり完成せず、区切りをつけて今朝に回したのだった。
妻が起き出す七時頃の二時間ばかり前の暗いうちから意気込まなくてもいいのに意気込んで飛び起きたのだった。
「…それにしても怪(おか)しいっ! どうしても寸法が2cm足らんっ! もう鋸(ノコギリ)で切ってしまったからな…。買いに出るというのも、なんだし…」
ブツブツと状況を愚痴りながら、夫は腕を組んで思案に暮れた。時はすでに七時になろうとしていた。鳩時計の七時の時報が鳴ると、そこへ現れなくてもいいのに30Kgオーバーの妻が現れた。
「しようがないわねっ! こんなに散らかして…。お食事までには片づけてねっ!」
「ああっ!」
仕方なく嫌々(いやいや)返した夫だったが、とても片付きそうにもない…と内心では思っていた。
『今日も、これで区切りとするか…』
30分後である。板の20cm足らずの解決法が見つからず、訳の分からない理由づけをした夫は、この日の区切りをつけることにした。妻の小言(こごと)を避(さ)けたかった・・ということもある。
それからひと月が経ったが、未(いま)だに、この夫の日曜大工[DIY]は完成を見ていない。
区切りをつけるのはいいが、先々の目途(めど)を立てていないと、なんの意味もなくなる・・という訳である。
今日は、こんな四方山(よもやま)なお話でした。^^
完
勝つ・・というのも、どこか虚(むな)しさが残るものだ。と、いうことで、勝つ相手は自分だけにしよう! という結論が導ける。^^ 導く必要はないんじゃないのっ? と、お思いの方もおられようが、そこはそれ、導いていただければ虚しさどころか、気分が晴れ晴れとして、潤(うるお)いの花のような雨も降ろうというものだ。そういや、梅雨が明けてからというもの、少しも雨が降らなかったように思う。まっ! そんなことは、どぉ~~でもいい訳だが…。^^
とある家の庭先である。二人のご隠居が縁台将棋を指している。
「いやぁ~、久しぶりに降りましたなっ!」
「そうですっ! 随分、降っとりませんからなっ!」
「いつ頃からです?」
「そう…梅雨明け頃かと。夕立ちも降りませんっ!」
「そんなになりますか?」
「ホッホッホッ…すっかり地面の土が固くなりましたっ!」
「その分、草が生えなかったですがなっ!」
「はいっ! 炎天下は救急でピ~ポ~ピ~ポ~ですからっ!」
そう言いながら、一人のご隠居は静かに[大手]前の[詰めろっ!]の一手を指した。
「うっ! …[詰めろっ!]ですかっ? どうも、今日の夕立ち含(ぶく)みですなっ!」
「ほっほっほっ…いつも負けてますから、時には勝ちたいですからなっ!」
「ホッホッホッ…勝ちたい勝ちたいは負けの元(もと)っ! 大手っ!」
そう言いながら、もう一人のご隠居が指した手は、相手玉が[即詰(そくづ)み]する一手だった。
「うっ!」
詰めろっ! を指したご隠居は逆に唸(うな)った。
!勝ぁ~つぅとぉ思うぅなぁ~ 思えばぁ~♪ という歌詞があるが、その通りの結果となった一局である。
勝つ・・というのは、相手に勝つということではないようです。
今日の六話は、そんな四方山(よもやま)なお話でした。^^
完
今日の五話は見えないモノという話である。最近の巷(ちまた)では頻繁(ひんぱん)に事件が発生し、『○○容疑者は▽△で…』などとテレビで報じられる時代となっている。だが果たして、捕らえられたのは犯人か? と私はテレビ画面を見ながらブツクサと苦情を言う訳だ。^^
とある老人ホームの休憩室前である。朝食後、この休憩所へ集まるのが老人達の日課となっている。今朝も数人の老人、老女がゾロゾロと集まり、「ヨッコラショ!」とひと声、発すると、テレビ前に数列並んだ長椅子へと腰を下ろした。テレビ画面は朝のニュースを報じていた。
「ほう! 捕まりましたかっ!?」
「さようですな…。ただ、見えないモノが捕まっとりませんっ!」
「はあ?」
「いや、だから、犯人は捕まりました。はいっ! 確かに捕まりましたっ! しかしですなっ! 肝心の見えないモノが捕まっとりませんっ!」
「…言っておられる意味が、よく分からんのですが…」
「ははは…老人の戯言(ざれごと)と聞き流していただいて結構です」
「いやいや、聞いた以上は気になります。是非、その辺(あた)りのご説明をっ!」
「ははは…なにも小難(こむずか)しい話ではないんです」
「と、言われますとっ!」
「目に見えないモノ・・要するに、私らの眼(まなこ)に見えないモノまでは捕らえられんという話ですわっ! オッホッホッホッ…」
「なるほど…」
訊(たず)ねた老人は、いとも簡単に納得して矛(ほこ)を収(おさ)めた。
「早い話、現実の私らの世界、テレビドラマの世界もですが、捕まってるのは代理ということになりますかな、ははは…」
「代理!?」
「はい、代理です。見えないモノの代理です」
「少し分かってきました。と、いうことはですな。通り魔殺傷事件の犯人が犯行後に自殺したというのも頷(うなず)けますっ!」
「でしょ!? 見えないモノが危険を感じて証拠隠滅を謀(はか)ったんですなっ!」
「なるほど…」
訊ねた老人は、ふたたび頷いて矛を収めた。
今日の五話は、こんな四方山話(よもやまばなし)でした。^^
完
噂(うわさ)には、有り無しの四方山(よもやま)な話が飛び交(か)う。今日の四話は、そんなお話だ。^^
他の短編集にも登場した、とある二人の会話である。いつ登場したか? までは、作品数が多過ぎて分からない。^^
「アンタのお隣(となり)に住んでる居並(いなみ)さんの兄弟のさっ!」
「ああ、居並さんね…。居並さんの兄弟? そんなのいたかなぁ~。あっ! いたいたっ! それがっ!」
「その居並さんの兄弟の従兄弟(いとこ)のさっ!」
「…? 知らないけど、従兄弟がいたんだっ!」
「いるよっ! 知らないっ!?」
「ああ、知らないっ!」
「その従兄弟の知り合いがさっ! 近々(ちかぢか)、アンタの斜め後ろに引っ越してくるって噂だよっ!」
「早い話、居並さんとは他人だろっ?」
「ああ…まあ、そうなるかっ!」
「そら、そうなるよっ! それが、どうかしたのっ!?」
「いや、どうもしないけどさっ! 引っ越してくるって噂だっ!」
「…うちの斜め後ろといやぁ~、幽霊が出るっていうんで、誰も入らないっ?」
「そう! あのマンションのっ!」
「物好きな方もおられたもんだっ!」
「ははは…知らなきゃ、そんなもんだよっ!」
「ははは…確かにっ!」
今日は、こんな感じの四方山話でした。四方山は、思ってもいない予想外の話が展開するものです。^^
完