井上ひさしさんの戯曲を栗山民也さんが演出する。
これはある意味、王道なんだと思うのですが、主演が野村萬斎さんとなると違ってくる。
しかも演じるのが悪行を重ねてのし上がる男・藪原検校。おまけに音楽劇というのはちょっとした事件。
そんな期待感溢れる「藪原検校」を世田谷パブリックシアターで観劇。
ただ、演劇的には事件でも、個人的にはあまり得意でない作品だという事はあらすじを見ただけでも感じていたので、気持ち的には少し引き気味だった部分もあるのですが、観劇後の感想としては、自分が想像してた程には気持ちに暗さが残らなかったのでした。
それは作品が音楽に乗せてテンポ良く進行し、時には笑いの要素も組み入れてあったからなのか、役者さんの力量なのか・・・。
物語は盲人の杉の市が主殺し、親殺しなどを重ねて盲人の最高位である検校に上りつめるが、殺人を目撃されて処刑されるという内容で、心の闇や人間の業が描きだされています。
この悪の主人公・二代目藪原検校を演じるのが野村萬斎さん。
萬斎さんの本業の狂言にも盲人が登場する曲が何曲かありますが、狂言はどちらかというと人間賛歌という面が強いと思うのですが、今回の杉の市は極悪人で、本業の狂言では演じる事のない人物像。
でも、きっとそれが役者としては楽しいのかもしれないなと思えるほどに、舞台を縦横無尽に動く萬斎さん。
そして、この役には早物語といって、ひとり語りの場面がありますが、当然と言えるかもしれないですが、萬斎さんの語りはさすがの上手さでした。
共演の浅野和之さん、秋山奈津子さんなど、皆さん、それぞれにぴったりな役作りで魅せて纏まりのある作品に仕上がっていました。
そんな中、一番印象的だったのが、杉の市と対比的に描かれている塙保己市役の小日向さん。
静かで冷静な語り口が説得力があって、とても良かったです。
もしかしたら、一番したたかなのは保己市なのかもしれないと。そんな思いも浮かびました。
そんな保己市のセリフの中で「人は自分より下の人間がいる方が安心できる」というような意味の言葉がありましたが、人間社会の一面を言いえていてちょっとゾっとしました。
これはある意味、王道なんだと思うのですが、主演が野村萬斎さんとなると違ってくる。
しかも演じるのが悪行を重ねてのし上がる男・藪原検校。おまけに音楽劇というのはちょっとした事件。

そんな期待感溢れる「藪原検校」を世田谷パブリックシアターで観劇。

ただ、演劇的には事件でも、個人的にはあまり得意でない作品だという事はあらすじを見ただけでも感じていたので、気持ち的には少し引き気味だった部分もあるのですが、観劇後の感想としては、自分が想像してた程には気持ちに暗さが残らなかったのでした。
それは作品が音楽に乗せてテンポ良く進行し、時には笑いの要素も組み入れてあったからなのか、役者さんの力量なのか・・・。

物語は盲人の杉の市が主殺し、親殺しなどを重ねて盲人の最高位である検校に上りつめるが、殺人を目撃されて処刑されるという内容で、心の闇や人間の業が描きだされています。
この悪の主人公・二代目藪原検校を演じるのが野村萬斎さん。

萬斎さんの本業の狂言にも盲人が登場する曲が何曲かありますが、狂言はどちらかというと人間賛歌という面が強いと思うのですが、今回の杉の市は極悪人で、本業の狂言では演じる事のない人物像。
でも、きっとそれが役者としては楽しいのかもしれないなと思えるほどに、舞台を縦横無尽に動く萬斎さん。
そして、この役には早物語といって、ひとり語りの場面がありますが、当然と言えるかもしれないですが、萬斎さんの語りはさすがの上手さでした。

共演の浅野和之さん、秋山奈津子さんなど、皆さん、それぞれにぴったりな役作りで魅せて纏まりのある作品に仕上がっていました。

そんな中、一番印象的だったのが、杉の市と対比的に描かれている塙保己市役の小日向さん。
静かで冷静な語り口が説得力があって、とても良かったです。

もしかしたら、一番したたかなのは保己市なのかもしれないと。そんな思いも浮かびました。
そんな保己市のセリフの中で「人は自分より下の人間がいる方が安心できる」というような意味の言葉がありましたが、人間社会の一面を言いえていてちょっとゾっとしました。
