イラン 新型ウイルスによる死者15人に 集団礼拝禁止も
<time datetime="2020-02-25T20:08">2020年2月25日 20時08分</time>新型コロナウイルス
イラン保健省は25日、これまでに新型コロナウイルスへの感染が確認されたのは前日より34人増えて95人、このうち死亡した人は3人増え15人となったと明らかにしました。
死者の数は、中国を除くと最も多くなっています。
死亡した人の中には、ビジネスで中国への渡航歴があるイラン人が含まれているということです。
また、感染の疑いがある人は、イラン全体でおよそ900人に上るとしています。
とりわけ、ウイルスへの感染が多く報告されている中部のコム州は、イスラム教シーア派の聖地として知られていますが、国営通信によりますと、感染拡大を防ぐため、集団礼拝を禁止する措置がとられたということです。
ただ、感染者数や死者数をめぐっては情報が錯そうしています。
24日、コム州選出の議員が「コムでは感染して死亡した人が50人はいる」と発言し、イラン保健省が直後に否定しました。
ところが25日になって、イランの重要政策を決める最高安全保障委員会のシャムハニ事務局長が「議員の発言が真実かどうかを確認し、結果を国民に公表するよう検察当局に求めた」とツイッターに投稿するなど、当局の対応にも混乱がうかがえます。
イランでは多くのスポーツイベントが中止されたほか、サッカーのプロリーグの試合も当面、観客なしで実施されることになっています。
また、首都テヘランをはじめ、感染者が出ている地域では、学校が休校になっているほか、イラン人にとって重要な娯楽施設である映画館が全土で閉鎖されました。
イランと隣接する国々も警戒を強めていて、トルコ、イラク、パキスタンなどがイランとの国境で、人の出入りを制限したほか、周辺国のオマーンやタジキスタンなどもイランとを結ぶ航空便の運航を停止し、感染の広がりを食い止めようとする動きが広がっています。