狐の日記帳

倉敷美観地区内の陶芸店の店員が店内の生け花の写真をUpしたりしなかったりするブログ

眠りよ。御身此の世の安らぎよ。おぉ眠りよ。御身この上なく優しき神よ。魄の平和よ。不安を払い除ける者よ。

2020年04月15日 23時53分09秒 | VSの日記
 本日4月15日は、藤原道長の長男・頼通が摂政に就任した日で、東ローマ帝国の南イタリア最後の領地であるバーリがノルマン人傭兵ロベルト・イル・グイスカルドにより占領された日で、モンゴル帝国に対するローマ教皇の使者として修道士プラノ・カルピニがモンゴルへ出発した日で、フォルミニーの戦いでフランスが勝利してイングランドがノルマンディーから撤退した日で、明治政府が円貨の制度を定めた日で、西村勝三が築地に日本初の西洋靴工場を設立した日で、イギリス海軍が朝鮮の巨文島を占領した日で、パリ万国博覧会が開幕した日で、タイタニック号が沈没した日で、ジャッキー・ロビンソンが黒人初のメジャーリーガーとしてデビューした日で、アメリカ海軍EC-121機撃墜事件が起こった日で、アメリカ軍がムアンマル・アル=カッザーフィー暗殺のためリビアを爆撃した日で、オウム真理教によって新宿に異変が起こると予言されていた日だったので新宿全域で厳戒態勢が敷かれた日で、北京発釜山行きの中国国際航空129便ボーイング767型機が金海国際空港への着陸進入中に墜落して乗員乗客128名が死亡した日で、イラク日本人人質事件で拘束されていた3人が8日ぶりに解放されて全員の無事が確認された日で、ボストンマラソン爆弾テロ事件が起こった日です。

 本日の倉敷は晴れていましたよ。
 最高気温は二十度。最低気温は六度でありました。
 明日も予報では倉敷は晴れとなっております。



 本日は私はお仕事がお休みの日でありました。
 今日は久々にお部屋の中に籠ってうつらうつらとしていました。
 エネルギー充填87%であります。
 まだ少し眠い……。

 明日からまたお仕事です。
 お仕事頑張ります。


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『蒲生邸事件』/宮部みゆき

2020年04月15日 21時02分28秒 | 小説・本に関する日記

 昨日の夜は、宮部みゆきの小説『蒲生邸事件』を読み返していました。

 主人公の尾崎孝史は予備校の受験のため滞在していたホテルで火災に巻き込まれる。
 逃げ道を失った孝史はある男に助けられるのだが……。
 孝史が緊急避難的に連れてこられたのは戦前の日本。二・二六事件真っ只中の東京。
 蒲生憲之元陸軍大将の館に身を寄せた主人公達は、館の主の蒲生憲之の自決に遭遇する。
 しかし自決した館の主の手元には何故か拳銃が無かった……。

 第18回日本SF大賞受賞作です。



 序盤の主人公の傍若無人ぶりには頭を抱えながら読みましたよ。
 しかし後半を考えると序盤に主人公が傍若無人なのは物語として正解なのですね。

 二・二六事件最中の戒厳令下にある帝都東京の雰囲気を見事に描いています。
 私は情報としては知っているけどどんな雰囲気だったのかはよく分からない。この物語の雰囲気が正解かどうかは分からないけど成程こうであったかもしんないと思わせるような描写です。

 伏線も見事に回収していて、ラストシーンも秀逸。
 SF色はそれほど強くないのでSFが苦手な人でも大丈夫だと思います。

 面白いですよ。
 お勧めです。


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いつもクヨクヨ悩んでいる人は、悩みの種が尽きないから悩んでいるのではありません。心が不安定だから、どんな問題でも否定的で不安な状態に見えてしまうのです。

2020年04月15日 17時51分06秒 | その他の日記
 以下の文は、アゴラ言論プラットフォームの永江 一石氏の『ドイツのコロナ対策すげーっていうのを一蹴するのと、ドイツの話題はこれが一番というおはなし』と題した記事の転載であります。



      『ドイツのコロナ対策すげーっていうのを一蹴するのと、ドイツの話題はこれが一番というおはなし』
                        2020年04月13日 06:00
                              永江 一石


    Nスタ、感染者10万人でも医療崩壊しないドイツ。
    東京の今日の感染者は144人、合計1,339人。これで最早医療崩壊の危機だそうだ。
    ドイツの背景には、医療現場と政府の用意周到な対策があった。アベ政権とはあまりにも大きな違い。今からでも遅くない、しっかりドイツに学ぶんだな。 
    pic.twitter.com/1X8TY4H5co
    — ryota (@ggzhmru2) April 8, 2020


 こういうのを垂れ流すマスコミもマスコミですが、鵜呑みにする方もするほうなのでデータで見てみましょう。
 4/12現在、ドイツは発見された感染者数125,452人で死者数2,871人です。
 これで計算しますと致死率は2.2%。
 日本はと言いますとドイツより2ヶ月前に始まりまして発覚している患者数は6748人。
 もちろん検査数は少ないですよ。
 だから実際の患者数は桁違いに多いはず。
 死者数117人。
 これで計算すると致死率は1.7%!!
 ドイツの2.2%より致死率がかなり低い。
 検査数多くすると日本の感染者数も多くなるから致死率はどんどん下がります。
 ドイツとの差はどんどん開きます。
 日本はかなり優勢です。

 で、重症者と死者の比率ですが、ドイツの重症者は現在4895人。
 日本はたったの117人。
 番組ではドイツは検査しまくって治療が早いので重症者が少ないみたいな話だったということですが……。
 感染者あたりの重症者数 ドイツ3.9% 日本1.7%でドイツの半分以下しか重症になってません。
 繰り返しますが日本は検査数が少ないので実際はもっと重症化率は小さくてドイツの1/10とかそんなもんでしょう。
 ドイツのどこが日本より凄いんだ??
 もちろんドイツはEUの優等生でお金もあります。
 EUの中ではもっとも成果を出していますがコレを見て「日本ダメだ」とか言ってるのは正真正銘のお馬鹿です。
 検査数の比較はドイツ 1,317,887件
 人口100万人あたり15,730人で60人に1人が検査を受けました。
 日本 68,771件
 人口100万人あたり544人でドイツの29分の1(人口補正済み)しか検査してません。
 日本は初期に新型コロナを特定感染症に指定してしまったため、検査をして陽性だと無症状でも軽症でも入院させないといけなかった。
 この指定を外したいがそうするとコロナ脳の気が狂うため、ホテルや選手村に移送が始まりました。
 重症者のベッドの確保ができれば検査数を増やせますから、どんどん軽症や無症状の感染者が見つかり、反比例して致死率や重症化率が下がります。
 理解できないかたは小学校5年に戻って算数の授業受けて下さい。
 または自宅で暇な方はいまからこれやってください。



    ドイツ発!!コロナの全員検査ですでに感染済みが15%!!!やった!!!

 わたしのブログの医療関係をチェックして貰ってる医療統計の専門家、五十嵐東大准教授のレポート (4/11) ドイツHeinsberg郡-集団感染発生地での感染率は15%, 致命率は0.37% (疫学調査)

   ドイツ、2月のカーニバルで集団感染が起きた町 (Heinsberg郡)で、1,000人の住民を対象に抗体検査を実施した疫学調査の中間報告が出ました。
   潜在的発症者をある程度捕捉できる興味深い研究。
   14%がIgG (感染後1週間程度でできる抗体)を持っていて、PCRで確認ずみの患者 (2%)とあわせると、全体の感染率は15%。
   ここから計算すると致命率は0.37%で、公表データの2.0%の5分の1程度。
   住民全体に対する死亡率は0.06% (1700人に1人)。
   この研究から、社会的隔離を設定し、順次ゆるやかにしていく施策は有用と結論しています。

 住民1000人を検査したところ、すでに感染している人は15%もいた。
 つまりほとんどが無症状だったということ。
 で、ここから算出された致命率は0.37%。
 つまり感染した人の270人に1人が亡くなる(主に高齢の持病持ちでしかも男性が非常に多い)
 もちろんこれは1000人のデータなので全てにあてはまるかどうか分からない。
 しかし全量検査はいままでクルーズ船でしかなかったので意味が大きい。
 RKI (ロベルト・コッホ研究所)が同じような研究を大規模で実施するとリリースが出たそうです。

 さて。
 このドイツの致命率0.37%がどのような意味を持つのか。
 インフルエンザと比較する。
 インフルエンザの致死率は0.1%と言われてます。
 日本でも年間に1000万人が感染して10000人がインフルエンザ由来で死んでいます(厚生労働省より)。
 インフルエンザはコロナのように単体では肺炎になりませんが、肺炎球菌が肺炎を起こしてたくさん死んでいます。
 この場合はインフルエンザが死因にならないのですが、経由しての死者はめちゃくちゃ多いのです。
 コロナと違って子供も容赦しません。
 ドイツの大規模検査で新型コロナの致命率は0.37%と出たわけですが、上記のようにドイツの致死率は検査を少ししかしていない日本より相当に高い。
 日本だと致死率はおそらく0.1%以下になり、ワクチンや治療薬のあるインフルエンザよりずっと低いことになる。
 確かに大流行して世界中が慌てふためいたが、日本では少なくともインフルエンザと同等か以下の脅威でしかない。
 このデータが正しいことが証明されれば、人の動きを8割制限するなんてことは不要になる。
 無症状も軽症も隔離どころか普通の風邪として生活して貰えばよい。
 しかし重症者のために病院のベッドと設備は常に余裕を持って開けておく。
 実はこれがいまの中国なのだが、ヒステリー起こしてるコロナ脳には理解できないんだろうなあと思って本日の講義を終わります。


 家でヒマして死にそうな人のために、わたしのパーソナルトレーナーの高橋君とZOOMを使ったマンツーマントレーニング初めてみます。
 やってみてよかったらブログで紹介しますのでまずはヨガマット買っといて。

                              転載終わり。


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FNN 『韓国式大量検査は徴兵制の賜物…新型コロナが揺さぶる「自由」の価値』と題した記事。

2020年04月15日 17時23分54秒 | その他の日記
 以下の文は、FNNの『韓国式大量検査は徴兵制の賜物…新型コロナが揺さぶる「自由」の価値』と題した記事の転載であります。




       韓国式大量検査は徴兵制の賜物…新型コロナが揺さぶる「自由」の価値


・韓国の大量PCR検査を支えたのは徴兵代わりの「公衆保険医」
・住民登録番号で可能となった濃厚接触者の割り出しとマスク配布
・新型コロナが「自由」「人権」の価値を変えるのか

 日本で新型コロナウイルスの感染者が増加する中で、ずっと議論されているのがPCR検査の是非についてだ。
 世界と比較して検査件数が少ない日本の現状に疑問を呈する論調が多くなっている。
 中でも、お隣韓国が検査大国としてメディアで大々的に報じられているため「韓国のように大量の検査をするべき」との話も多い。
 実際に韓国のPCR検査件数は50万件を超えていて(4月13日現在51万8743件)、人口比で言えば世界最多だ。

 しかし「韓国式を取り入れるべき」と言うのは簡単だが、本当に日本が「韓国式」を導入できるのだろうか?
 結論としては、国の在り方が違いすぎるので、参考には出来るがそのまま導入できる点はそう多くないと言える。 

   大量検査を支えたのは「公衆保険医」による移動検診だった
 
 日本において韓国の検査と言えば、真っ先に思い浮かべるのは「ドライブスルー検査」だろう。
 保健所などの駐車場にテントを設営し、検査対象者は車に乗ったまま鼻の中から粘膜などを採取され、それがPCR検査に回される。
 対象者が変わるごとに大規模な消毒をする必要が無く、待合室で感染が広がるリスクも無いため、効率的かつ安全な検査方法に見える。
 あたかも韓国発祥のように受け止められがちだが、実はアメリカのスタンフォード大学が2009年の新型インフルエンザ流行時に開発した手法だ。

 しかし、このドライブスルー検査は大量のPCR検査の主たる理由ではない。
 韓国で最も多用された検査手法は「移動検診」なのだ。
 「移動検診」とは、症状が出た人の自宅や、診察先の病院に保健所職員らが訪問し、その場で検体を採取してPCR検査に回す手法だ。
 7000人近くの感染者を出した韓国南部の大邱市の場合、感染のピークを越えた3月23日時点で6万8000件余りのPCR検査行われたが、54%に当たる3万7000件余りが移動検診によって検体が採取されていた。
 これは保健所で採取された1万9000件、ドライブスルー検査による1万1000件をはるかに上回る数字だ。
 保健所が戸別訪問して検体を採取するというのは、感染疑い者が移動するリスクを避けられるという大きなメリットがある。
 しかし、膨大なマンパワーが必要だ。
 その担い手となったが、日本ではほとんど耳にすることが無い「公衆保険医」達だった。

  公衆保険医は兵役の代わり
 
 公衆保険医は、徴兵制に基づいて生まれた存在だ。
 韓国では男性に対して徴兵が義務付けられているが、医学部を卒業して医師国家試験に合格した男性の場合、医療が整っていない地方などで医師として3年間診療すれば、兵役を務めたと見なされるのだ。
 新型コロナウイルスの蔓延を受けて、韓国政府はこの公衆保険医をコロナ対策の最前線で働くよう命じた。
 しかも今年公衆保険医になる予定だった人も、講習をすっ飛ばして現場に派遣したのだ。
 最前線に投入された人数は、何と合計2700人以上である。
 日本全国の保健所に常勤する医師が728人(平成30年厚生労働白書より)である事を見れば、その数がいかに膨大か分かる。
 公衆保険医は主に保健所や、軽症者を収容する「生活治療センター」に派遣され、大量の検査や軽症者の管理に従事した。
 保健所に派遣された公衆保険医は、保健所職員2人と合わせた3人チームで戸別訪問に回り、韓国メディアによると10チームが1日に280人の検体を採取したという。
 徴兵制のある韓国では、政府の命令一つで派遣できる若い医師が3000人近くいる。
 日本では不可能だ。
 この点を無視して「日本も韓国と同じような検査体制を作るべき」とは言えないだろう。
 
   日本とは異なるプライバシー観…感染者の追跡やマスク管理が容易に
 
 韓国に徴兵制があるのは北朝鮮との戦争があくまで休戦状態であって、現在も戦争が続いているからだ。
 この準戦時状態が続いている副産物として公衆保険医がコロナ対策で大活躍したわけだが、他にもコロナ対策で役立った事があった。
 それは「住民登録番号制度」だ。
 この制度は元々、北朝鮮によるスパイの浸透を防止するため全ての韓国人に固有の番号を割り振ったところから始まった。
 今では税務申告・クレジットカードや携帯電話の契約・健康保険加入・学校の入学や企業への入社など、あらゆる事柄と番号が紐づけられている。
 利用者が少ない日本の「マイナンバー」と違い、自分の住民登録番号を記憶していない韓国人など1人もいない程だ。
 そして、韓国当局が調べようと思えば、個人がどこで教育を受けどこで勤務し、どこで買い物をして、税金をいくら納めているのかなどを、住民登録番号さえわかれば全て調べる事が出来る。
 今回のコロナ対策では、感染が確定した人の濃厚接触者を調べる際に、この住民登録番号を活用する事で感染者の動線を保健当局が容易に把握出来たのだ。
 なお感染者の動線は訪問した店舗名含めて全て詳細に公表されている。
 プライバシー侵害との指摘も一部あったが、大きな問題にはならなかった。
 準戦時体制の韓国では、国家的な危機の際には多少のプライバシーや私権の制限はやむを得ないとの意識が日本よりも強いように感じる。

 さらに韓国政府はマスク販売を1人当たり1週間で2枚に統制したのだが、住民登録番号やそれに紐づいた健康保険番号を活用する事で、1人が2枚以上のマスクを買えないように管理した。
 もし日本で同様のマスク販売統制を行うならば、不正防止のために多大な行政コストが必要になるだろう。

   新型コロナウイルスが問う「国の在り方」
 
 新型コロナウイルス対策を日韓で比較する事で、図らずも国の在り方の大きな違いが浮き彫りになった。
 同じ自由民主主義国家を標榜しているものの、準戦時体制であり徴兵制や住民登録番号制度を持つ韓国と、戦後多くの国民が国家権力強化への強いアレルギー反応を示してきた日本とでは、新型コロナという国家的危機へのアプローチの仕方がまるで違うのだ。

 人間の自由や平等を高らかに謳った人権宣言が産まれた国、フランスの新聞「フィガロ」は、韓国の感染者動線公開について「プライバシー侵害であり欧州では導入できない」とフランス政府の科学諮問委員を務める感染学者が批判した事を伝えた。
 その上で、フランス政府が移動の自由を制限して都市を封鎖した事を引き合いに出し「フランスの意思決定者による、韓国への傲慢な態度は我慢できない」と書いた。
 上から目線で韓国をプライバシー侵害と批判し、そのくせプライバシーと同等かそれ以上とも言える移動の自由を制限した事を痛烈に批判したのだ。

 現在世界各国はコロナとの戦いに集中しているが、今のところ共産党が支配する中国や、徴兵制があり、政府の権限が強い韓国で封じ込めが上手くいっているように見える。
 今は目の前の危機に対処するので精一杯だが、新型コロナとの戦いが収束した時、私たちは「自由」「人権」「プライバシー」などの普遍的とされる(された?)価値と、どう向き合うのだろうか。
 コロナウイルスがもたらした危機は、国の在り方すら根本的に変えてしまうかもしれない。

                                 【執筆:FNNソウル支局長 渡邊康弘】

                                転載終わり。


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今日誰かが木陰で休むことができるのは、遠い昔、誰かが木を植えてくれたからなのです。

2020年04月15日 10時46分30秒 | 休日の日記
 本日は私はお仕事がお休みの日であります。
 今日ははお部屋に籠って一日中ゲームを満喫することにしやう。と思っているところなのでございます。

 讃岐の国では、ネット・ゲーム依存症対策条例案が可決したとか?
 オンラインでの学習も駄目なんすかね? 
 学生が勉強できなくなるじゃん。
 「引き籠れ。でもオンラインの学習は駄目」となると先生がオンラインで生徒達と対話することもできなくなる……。
 学生は独りで勉強しろ、ってことなのかしらん? 
 効率悪すぎ。

 ま、私はもう学生ではない。
 今日はお部屋の中に籠って一日中ゲームを満喫することにしやう。と思っているところなのでございます。

 では皆様。
 素敵な水曜日をお過ごしくださいませ。



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呑む時は口実が必要よ。そう思わない? さもないと人は単なる呑んだくれにすぎないもの。

2020年04月14日 23時36分14秒 | 知人、友人に関する日記
 本日4月14日は、源満仲の密告により源高明が皇太子・守平親王廃立陰謀の容疑で大宰権帥に左遷された日で、ハドリアノポリスの戦いでラテン帝国軍がブルガリア帝国軍に大敗して皇帝ボードゥアン1世が捕虜となった日で、鎌倉幕府が蒙古再来に備えて九州の裁判と軍事指揮を行う鎮西探題を博多に設置した日で、箱根用水の全長1200メートルの隧道が貫通した日で、アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーンがワシントンのフォード劇場で狙撃された(翌日死亡)日で、豪華客船タイタニック号がニューファントランド島沖で氷山に衝突した日で、第1回モナコグランプリ開催された日で、スペイン国王アルフォンソ13世が退位して王政が廃止されてスペイン第二共和政が成立した日で、日本で濱口雄幸首相が前年11月に狙撃されたことが元で病状が悪化して濱口内閣が総辞職した日で、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)が公布された日で、バングラデシュ・ゴパルゴンジで史上最大の1キログラムの雹が落下して92人が死亡した日で、ナポリの米軍クラブで車爆弾が爆発して22人が死亡した日で、光市母子殺害事件が起こった日で、国際ヒトゲノム計画によってヒトゲノム解読の全作業を完了した日で、中国のチベット州自治区でMw6.9の青海地震が発生して少なくとも2698名が死亡して10万名以上が家屋を失った日で、熊本地震があった日です。

 本日の倉敷は晴れでありましたよ。
 最高気温は十六度。最低気温は六度でありました。
 明日も予報では晴れとなっております。





 或る肌寒い春の夜のこと。

 狐は或るパブリック・ハウスの卓子席に腰をかけて、絶えずミルクを舐めてゐた。
 その頃狐はお仕事が終わると暇を持て余し自室でごろごろして本でも読んでいるかそれに飽きると当てどもなく散歩に出てあまり費用のかからぬ酒精を出すお店でミルクを舐めるが毎日の日課だつた。
 其のパブリック・ハウスは狐の部屋から近くもあり何処へ散歩するにも必ず其の前を通る様な位置にあつたので随って一番よく出入りした訳であつたが狐の悪い癖でバーに入るとどうも長くなつてしまう。
 其れも元来御酒に強い方なのだが嚢中の乏しい所為もあつて高いお酒を注文すること無く温めたミルクを何杯もお代わりして一時間も二時間もぢつとしているのだ。質の悪いお客である。
 そうかといつて別段店員さんに思召しがあつたりする訳ではない。
 まあ自室より何となく居心地がよいのだろう。
 狐はその晩も例によつて一杯のミルクを十分もかかつて舐めながらいつもの往来に面した卓子に陣取つてぼんやり窓の外を眺めていた。

 さて其のパブリック・ハウスの丁度真向こうに一本の桜の樹が或る。
 実は狐は其の桜の樹を眺めていたのだ。
 立派で大きな桜の樹なのだがもはや御花を散らしかけていて別段眺める程の景色でもない。しかし狐には一寸興味があつた。
 狐は三十分程も同じ所を見詰めていた。
 其時、狐の友人が窓の外を通りかかつた。
 狐の友人は狐に気が付くと会釈して中に入って来た。
 そして葡萄酒を命じて置いて狐と同じ様に窓の方を向いて狐の隣に腰をかけた。
 そして狐が一つの所を見詰めているのに気付くと狐の友人は狐の視線を辿つて同じく向こうの桜の樹を眺めた。
 しかも不思議な事には狐の友人も亦如何にも興味ありげに少しも目を逸らさないで其の方を凝視し出したのである。
 狐達はさうして申しあわせた様に同じ場所を眺めながら色々な無駄話を取交した。

 だが或る瞬間、二人は云い合せた様に黙り込んで了つた。
 「君も気づいている様ですね」と狐が囁くと友人は即座に答えた。「桜のお花が散りかけています。私達はお花見をしていなかつたのに」
 「お花見をする機会を逸してしまいましたね」
 「お花見をする機会を逸してしまいました」
 「でも呑む名目は幾らでも作れますよ」
 「呑みたいのではありません。風雅の問題です。桜のお花は散りかけています。嗚呼。君は風流というものを解さない人でしたね」
 「如何にも。私は風流というものを解さない僕人参ですもとい朴念仁です」
 「しかし、呑む機会は逃さない、其れが我等の鉄の掟です。機会を逃したのも残念です」
 「残念です。しかし過ぎたことは是非も無しと申します」
 「ふむん。如何にもその通りです」
 「機会は作ればよいのです」
 「ふむん。如何にもその通りです。呑む機会は私が作ると致しませう。スケジュール合わせはお願いします。けれども、当分は無理そうです。そこは了承してください」
 「了解しました」
 「処で君は何故バーの卓子に座っているのに御酒を呑まずにミルクを舐めているのですか?」
 「それは美味しいからです」
 「ミルクが?」
 「ミルクがです」
 「ふむん?」

 さうして呑み会の約束をした後、狐と狐の友人はパブリック・ハウスを出て或る横町で別れを告げた。
 其の時、狐は横町を曲がつてモデルのような歩き方でカツカツと足音を鳴らしながらさつさと帰っていく友人の後姿が暗闇の中にくつきりと浮き出して見えたのを覚えている。


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『海獣の子供』第1巻/五十嵐大介

2020年04月14日 21時32分02秒 | 漫画・ゲームに関する日記
 昨日の夜は、五十嵐大介の漫画『海獣の子供』の第1巻を読んでいました。

 自分の気持ちを言葉にするのが苦手な中学生の琉花は、長い夏休みの間、家にも学校にも居場所がなく、幼少期に大好きだった水族館へ行き不思議な少年・海と出会う。
 翌日、父親の働いている水族館へと足を運ぶと彼女は、海と再び会い、父親に海の面倒を見ることを命じられた……。
 同じ頃、海に隕石が落ち、海で異変が起きていた……。

 この作品は、第38回日本漫画家協会賞優秀賞と第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞しております。

 五十嵐大介という漫画家は、幻想的なイメージを写実的に描く圧倒的な画力を持っています。
 この漫画の第1巻を読んで感じたのは、重心や重力を表現するのがとても上手い作家さんだなあ、ということ。
 一枚の絵で動きを表してしまう。上手いです。
 そして言葉では伝えることが出来ないことを漫画で表現しようとしていること。非常に野心的です。

 面白かったですよ。
 続きを読んでいこうと思っているところなのでございます。




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百夜の悲しき常闇に卵の来生を統神に祈む

2020年04月14日 19時08分28秒 | VSの日記
 昔、蔵屋敷が立ち並ぶ通りに源助という金持ちの商人が住んでいた。
 此の人にお園という一人の娘があつた。
 お園は非常に怜悧で、また美人であつたので、源助は田舎の老師の教育だけで育てる事を遺憾に思い、信用のある従者をつけて娘を京にやり、都の婦人達の受ける上品な芸事を修業させるようにした。
 斯うして教育を受けて後、お園は父の一族の知人の商人に嫁けられ、ほとんど四年の間其の男と楽しく暮した。

 然るにお園は結婚後四年目に病気になり死んでしまつた。
 其の葬式のあつた晩にお園の遠縁の子である狐という変わつた名前の子供が、『お園さんが二階の部屋に居たよ』と云つた。
 お園は狐を見て微笑んだが、口を利きはしなかつた。
 それで狐は不思議に思って二階から降りてきて大人に話したのであつた。

 そこで、一家の内の誰れ彼れが、お園のであつた二階の部屋に行つてみると、驚いたことには、其の部屋にある位牌の前に点された小さい灯明の光りで、死んだ女の人の姿が見えたのである。
 お園は箪笥即ち抽斗になつている箱の前に立つているらしく、其の箪笥にはまだお園の飾り道具や衣類が入つていたのである。
 お園の頭と肩とはごく瞭然はつきり見えたが、腰から下は姿がだんだん薄くなって見えなくなつている――恰も其れが本人の、はつきりしない反影のように、又、水面における影の如く透き通つていた。

 其れで人々は、恐れを抱き部屋を出てしまい、下で一同集つて相談をした。
 お園の夫の母の云うには『女というものは、自分の小間物が好きなものだが、お園も自分のものに執著していた。たぶん、其れを見に戻つたのであろう。死人でそんな事をするものも随分あります――其の品物が檀寺にやられずにいると。お園の著物や帯もお寺へ納めれば、たぶん魂も安心するであろう』
 其れで、出来る限り早く、此の事を果すという事に極められ、翌朝、抽斗を空にし、お園の飾り道具や衣裳はみな寺に運ばれた。
 然しお園は次の夜も帰って来て、前の通り箪笥を見ていた。
 其れからその次の晩も、次の次の晩も、毎晩帰つて来た。
 なので、此の家は恐怖の家となつた。

 狐は、お園姐さんが自分を祟つたりはすまいと考え、お園姐さんが箪笥の中に何か隠しものをしていたのならばまだそれは箪笥の中にあるに違いないと考えて幽霊の出る部屋に入つた。
 すると、お園の姿が不意に箪笥の前に、いつとなく輪廓を顕して現れた。
 其の顔は何か気になると云つた様子で、両眼をぢつと箪笥に据えていた。
 狐はお園に話しかけた。
 『私は御姐さんのお助けをする為に、此処に来ました。定めし其の箪笥の中には、御姐さんの心配になるのも無理のない何かがあるのでしやう? 御姐さんの為に私が其れを探し出して差し上げましやうか?』
 影は少し頭を動かして、承諾したらしい様子をした。
 そこで狐は一番上の抽斗を開けてみた。
 然し、それは空であつた。
 続いて狐は、第二、第三、第四の抽斗を開け、抽斗の背後や下を気をつけて探した。
 然し何もない……。
 お園の姿は前と同じように、気にかかると云ったようにぢつと見詰めていた。
 『どうしてもらいたいと云うのかしら?』と狐は考えた。
 が、突然こういう事に気がついた。
 抽斗の中を張ってある紙の下に何か隠してあるのかもしれない。
 と、そこで一番目の抽斗の貼り紙を剥がしたが――何もない。 
 第二、第三の抽斗の貼り紙をはがしたが――それでもまだ何もない。
 然るに一番下の抽斗の貼り紙の下に何か見つかつた。一冊の薄い草紙である。
 『御姐さんの心を悩ましていたものはこれ?』と狐は訊ねた。
 女の影は狐の方に向つた。
 その力のない凝視は草紙の上に据えられていた。
 『私がこれを焼き棄てましょうか?』と狐は訊ねた。
 お園の姿は狐の前に頭を下げた。
 『すぐに焼き棄て、私の外、誰れにもそれを読ませません』と狐は約束した。
 姿は微笑して消えてしまった。

 草紙は焼き棄てられた。
 それは顎が尖った若い男二人が睦み合う表紙の草紙であつた。
 草紙が焼き捨てられた後、果してお園の影は遂に顕れなかつた。


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木苺(キイチゴ)のお花、その6。

2020年04月13日 23時46分22秒 | お花に関する日記
 本日4月13日は、元明天皇が藤原京から平城京に遷都した日で、聖武天皇が恭仁京から難波京に遷都した日で、ハインリヒ5世が神聖ローマ皇帝に即位した日で、平安京内で治承の大火が起こった日で、九州に落ち延びていた足利尊氏が再び挙兵して多々良浜の戦いで南朝方の菊池武敏を破った日で、フランス国王アンリ4世がナントの勅令を発布してプロテスタントにカトリックと同等の信教の自由を認めた日で、宇都宮興禅寺刃傷事件が起こった日で、イギリスでカトリック解放令が制定されてカトリック教徒の信教の自由が公的に保障された日で、長崎・下田などの開港地での踏み絵を廃止した日で、東京・下谷黒門町に日本初のコーヒー専門店「可否茶館」が開店した日で、インドでイギリス軍が発砲しインド民衆に数百人の死傷者が出た日で、モスクワで日ソ中立条約が締結された日で、ドイツのラジオ放送がソ連領内カティンの森でポーランド将校4000人の遺体を発見と報じた日で、ソビエト軍がウィーンを占領した日で、アミーン・フサイニー指揮下のアラブ人ゲリラがヘブライ大学の医療スタッフを虐殺した日で、アメリカで世界初の衛星測位システム「トランシット1B」を打ち上げた日で、発射されてから2日後のアポロ13号で機械船の酸素タンクが爆発して月面着陸を断念し帰還の途についた日で、毎年8月15日を「戦歿者を追悼し平和を祈念する日」とすることが日本の閣議で決定された日で、長江裕明一家3人がヨットでの4年9か月の世界一周を経て蒲郡港に帰港した日で、ミハイル・ゴルバチョフソ連大統領がカティンの森事件がソ連秘密警察の犯行であったことを認め陳謝した日で、東海大学安楽死事件がおこった日で、ポルトガルと中華人民共和国が1999年にマカオを返還する旨の共同声明に調印した日で、日本でDV防止法が公布された日で、北朝鮮が人工衛星と称した弾道ミサイルを打ち上げて失敗に終わった日で、ひこにゃんのお誕生日です。

 本日の倉敷は曇り時々雨でありましたよ。
 最高気温は十一度。最低気温は六度でありました。
 明日は予報では倉敷は午後から晴れとなっております。





 上の写真に写っているお花は「木苺(キイチゴ)」です。
 木苺のお花に関しては、2019年4月13日の記事2018年4月13日の記事2017年5月4日の記事2013年5月2日の記事2011年4月22日の記事もよろしかったらご覧くださいませ。
 2019年と2018年と2017年と2013年と2011年の木苺のお花の記事です。



 木苺のお花の花言葉は、「謙遜」或いは「尊重される」です。


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全てが重なる最後の一時。間もなく訪れる真実の夜明け。

2020年04月13日 20時45分36秒 | 漫画・ゲームに関する日記
 昨日の夜は、同人サークル『あんかけスパ』のアクションRPG「東方紅輝心」で遊んでいました。
 東方Projectのファンゲームで、吸血鬼『レミリア・スカーレット』と従者『十六夜咲夜』を主人公としたアクション・ロールプレイング・ゲームであります。


 カリスマ溢れるレミリア・スカーレットお嬢様でプレイ。
 昨日は、『第10章:いざ決戦の地へ』まで終了。
 前章の地霊殿での古明地さとり嬢とのお姉ちゃん対決で辛勝だったので、ここでこの章を繰り返してレベル上げをしました。
 サクサク進んでいないので、レミリアお嬢様はお怒りモードであります。
 すまぬ。お嬢。

 最終盤に入っていて次がおそらくラスBOSS。
 でも、レベルをある程度上げたので大丈夫かな? 


 暫らくはこのゲームで遊んでいきたい。と思っているところなのでございます。


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もうひとりのあなたがあなたを見ているのよ。見放されないようにね。嫌われないようにね。

2020年04月13日 18時37分47秒 | VSの日記
 或る日の事。
 倉敷美観地区の大原美術館の門の下にぼんやり空を仰いでいる一人の愚か者がありました。
 愚か者の名は狐といつて元は蝶よ花よと言はれて育つたにもかかわらずぽんこつでぼんくらで怠惰な性のままぼんやりと生きてゐるのです。
 哀れなる哉。愚かなる者。
 狐は呆けた顔でぼんやりと空を仰いでゐたのでございます。

 何しろ倉敷美観地区といへば名だたる観光地ですから往來にはまだしつきりなく人や俥が通つてゐました。
 門一ぱいに当たってゐる油のやうな夕日の光の中に老人のかぶつた帽子や女の金の耳環や男の持つ寫眞機が絶えず流れていく容子はまるで画のやうな美しさです。
 しかし狐は相変わらず門の壁に身を凭せてぼんやり空ばかり眺めてゐました。
 空にはもう細い月がうらうらと靡いた霞の中にまるで爪の痕かと思ふ程、幽かに白く浮かんでゐるのです。

 「日は暮れるしお腹は空くし、ぼんやりと生きてきて此の儘で佳いのかしらん? というぼんやりとした不安に襲われるし、こんな思ひをして生きてゐる位ならいつそ倉敷川へでも身を投げて死んでしまつて鯉の餌になつた方がましかもしんない」
 狐は獨りさつきからそんな阿呆な取りとめもない本気でない愚かなことを思ひめぐらしてゐたのです。

 すると何処からやつて来たか、突然狐の前へ足を止めた老人があります。
 それが夕日の光を浴びて大きな影を門に落とすとぢつと狐の顔を見ながら、「うぬは何を考へてゐるのだ」と突然に横柄に狐に言葉をかけました。
 「私ですか? 私は理由もなく不安な気分が治まらずほとほと困り果ててどうしたものかと考へてゐるのです」
 老人の尋ね方が急でしたから狐はさすがに眼を伏せて思はず正直な答えをしました。
 「さうか。それは可哀さうだな」
 老人は暫く何事か考へてゐるやうでしたが、やがて往來にさしてゐる夕日の光を指さしながら、「では我がうぬに好い事を一つ教へてやらう。今この夕日の中に立つてうぬの影が地に映つたらその頭に当る所を夜中に掘つて見るが好い。きつとうぬの不安が治まるものが埋まつてゐる筈だから」
 「ほんたうですか」狐は驚いて伏せていた眼を挙げました。
 「嘘ぢや。その道は混凝土ぢや。掘れぬわ。ふおふおふおふお。早く家に帰つて飯をたらふく喰いぐつすりすやすや寝るがよい。ふおふおふお」
 不思議な事に老人の声はするものの老人は何処に行つたのか周囲にはそれらしい影は見当たりません。
 その代わり空の月の色は前よりもなお白くなつて休みない往來の人通りの上にはもう気の早い白鷺が寝床を捜してひらひら舞つてゐました。

 「揶揄われた。orz。見知らぬお爺さんに揶揄われてしまつた。orz。やれやれ」
 狐はやはり夕日を浴びて大原美術館の門の下にぼんやりと佇んで空ばかり眺めていたのでありました。
 「今日はたらふく食べて早くぐつすりすやすや寝やう」
 狐はそう呟いてやがて帰路についたのでございます。



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神奈川県医師会のHP 『本当のことを知ってください! ~新型コロナウイルス感染症について~』と題したメッセージの全文

2020年04月13日 18時33分44秒 | その他の日記
 以下の文は、神奈川県医師会のHPの『本当のことを知ってください! ~新型コロナウイルス感染症について~』と題したメッセージの転載です。
 

        ~ 神奈川県民の皆様へ~
        (神奈川県医師会からのお願い)
                         神奈川県医師会長 菊岡正和



 ◆侮らないで◆
 連日の報道で、親も子供もストレスで大変ですとマスコミが取り上げています。
 だから、ストレス発散のために、外出したいという気持ちもわかります。
 爆発的な感染拡大に若い人たちに危機感はないのは当然かもしれません。
 若い人は感染しても比較的軽症ですむとの報道があるからです。
 しかし現実は違います。
 若い人でも、重症化して一定数以上は死亡するのです。
 現実を見つめてください。
 もし、自分の知り合いの人がコロナ感染症で亡くなられたらきっと哀しいはずです。
 そして、亡くなった人にうつしたあなたが、入院せずに軽度ですんでも本当に喜べるでしょうか。
 不用意に動き回るということは、その可能性を増やしてしまうことなのです。
 今は我慢する時なのだということを、ぜひ理解してください。
 出来るだけ冷静に、そして自分を大切に、そして周囲の人を大切に考えてください。

 ◆ごまかされないで◆
 この新しい未知のウイルスに、本当の専門家がいません。
 本当は誰もわからないのです。
 過去の類似のウイルスの経験のみですべてを語ろうとする危うさがあります。
 そして専門家でもないコメンテーターが、まるでエンターテインメントのように同じような主張を繰り返しているテレビ報道があります。
 視聴者の不安に寄り添うコメンテーターは、聞いていても視聴者の心情に心地よく響くものです。
 不安や苛立ちかが多い時こそ、慎重に考えてください。
 実際の診療現場の実情に即した意見かどうかがとても重要です。
 正しい考えが、市民や県民に反映されないと不安だけが広まってしまいます。
 危機感だけあおり、感情的に的外れのお話を展開しているその時に、国籍を持たず、国境を持たないウイルスは密やかに感染を拡大しているのです。
 第一線で活躍している医師は、現場対応に追われてテレビに出ている時間はありません。
 出演している医療関係者も長時間メディアに出てくる時間があれば、出来るだけ早く第一線の医療現場に戻ってきて、今現場で戦っている医療従事者と一緒に奮闘すべきだろうと思います。

 ◆PCR検査の本当◆
 医療関係者は、もうすでに感染のストレスの中で連日戦っています。
 その中で、PCR検査を何が何でも数多くするべきだという人がいます。
 しかしながら、新型コロナウイルスのPCR 検査の感度は高くて70%程度です。
 つまり、30%以上の人は感染しているのに「陰性」と判定され、「偽陰性」となります。
 検査をすり抜けた感染者が必ずいることを、決して忘れないでください。
 さっさとドライブスルー方式の検査をすればよいという人がいます。
 その手技の途中で、手袋や保護服を一つひとつ交換しているのでしょうか。
 もし複数の患者さんへ対応すると、二次感染の可能性も考えなければなりません。
 正確で次の検査の人に二次感染の危険性が及ばないようにするには、一人の患者さんの検査が終わったら、すべてのマスク・ゴーグル・保護服などを、検査した本人も慎重に外側を触れないように脱いで、破棄処分しなければなりません。
 マスク・保護服など必須装備が絶対的に不足する中、どうすればよいのでしょうか。
 次の患者さんに感染させないようにするために、消毒や交換のため、30分以上1 時間近く必要となります。
 テレビなどのメディアに登場する人は、本当のPCR検査の実情を知っているのでしょうか。
 そして、専門家という人は実際にやったことがあるのでしょうか。

 ◆胸部レントゲン検査やCT検査の困難◆
 胸部レントゲン検査やCT 検査を、もっと積極的にしないのは怠慢だという人がいます。
 もし、疑われるとした患者さんを撮影したとすると、次の別の患者さんを検査する予定となっても、その人が二次感染しないように、部屋全体を換気するとともに装置をアルコール消毒しなければなりません。
 その作業は30分以上、1時間近く必要となります。
 アルコールが不足する中、どうすればいいのでしょうか。
 メディアなどで主張する専門家やコメンテーターは、そのようなことを考えたことがあるでしょうか。

 ◆医療機関の現状◆
 今後感染のスピードが上がると、重症例も当然増えてきます。
 もし何百人もの感染者が同時に出れば、その人たちを病院で治療しなければいけません。医療機関のベッドは、またたく間に埋まってしまいます。
 それでも心筋梗塞や脳梗塞やがんなどの患者さんに対しては、いつものように対応しなければなりません。
 今までと同じように医療は維持しなければならないのです。
 軽症の人は、自宅や宿泊施設に移って静養や療養してもらい、少しでも新型コロナ感染症の人のために、病院のベッドを空けるなどの素早い行動が必要です。
 そして、新型コロナ感染者の治療が終わり、社会復帰しても良いというときこそ、素早くPCR検査をやって確認し、ベッドを開けなければなりません。
 そのためにも、少しでも時間が必要なのです。
 医療機関に時間をください。
 コロナ感染者の増加を、少しでも緩やかなカーブにしなければ、医療は崩壊します。

 ◆医療機関への偏見や差別◆
 皆さんは、咳をしたり、熱が出ていたりする人が近くにいたら、きっと嫌な顔をして、文句を言うか、離れていくことでしょう。
 今この時も医療関係者は、コロナ感染の恐怖の中で戦っています。
 戦っている医療機関の医師や看護師や事務職員にも、子供や孫、そして親はいます。
 その愛する人たちに、うつすかもしれないという恐怖の内で、医療職という使命の中で戦っています。
 そして自分の子供が、バイキンと言われ、いじめにあうかもしれないという、悲しみとも戦っています。
 市中の診療所ならば、医師自身が罹ったら、当然一定期間休診にするばかりでなく、診療所のすべてのスタッフやその家族の心配もしなければなりません。
 そして、自分の家族そのものに危害が及ぶことになります。
 実際に病院の中で重症の患者さんの治療を毎日繰り返し繰り返し治療にあたり、家に帰っても人工呼吸器の音が耳から離れず、懸命にしている立ち向かっている医師や看護師の人たちのことを想像してください。
 そんな恐怖といら立ちと、そしてストレスの毎日の中で生活しています。
 わかってください。
 知ってください。
 理解してください。
 感染が拡大すれば、誰もが感染者になります。
 そのとき、偏見や差別を受けたらどんな思いをするのか、一人ひとりが賢明に考えて、不確かな情報に惑わされて人を決して傷つけないように、正しい情報に基づいた冷静な行動をするようにしてほしいのです。
 まして、地域の医療機関の活動が差別意識で妨げられるようなことは、決してあってはならないことでしょう。

 ◆一緒に戦いましょう◆
 もう少し、もう少し我慢して下さい。
 四週間、何か月いや一年以上になるかもしれません。
 病と闘って生きていたいと、つらい治療と闘っている患者さんもいます。
 生きていることだけでも幸せなのだと、ぜひ、ぜひ思ってください。
 安易に外出して、密集、密閉、密接のところには絶対行かないでください。
 あなたの行動が、新しい患者さんを作ってしまうかもしれません。
 お願いします。
 私たち医療従事者も、ストレスや恐怖に我慢して戦っています。
 お願いします。
 皆さんはぜひ、我慢と闘って、我慢してください。
 戦いは、長くてつらいかもしれませんが、みんなで手を取り合っていきましょう。

                                 転載終わり。


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人間は、ある意見を、そうだと思いこむと、すべての事柄をその意見にあわせ、その意見が正当であると主張するのに、都合がいいように寄せ集めるものだ。

2020年04月13日 18時22分09秒 | その他の日記
  今の状態に何処か既視感があったので、ず~っとその既視感について考えていたのです。

 例えば、スポーツに熱中して観ている人達。
 この人達の中には試合中に好き勝手に主張する人がいる。試合結果に対しても好き勝手に主張する。
 興奮状態に入っていて、私が僕が考えた最強のプランを採用しろ! と喚く。
 多くの人が現場の問題も現実もデータも無視して、自分のプランを採用しろと主張する。
 この状態によく似ている……のではないか? 

 何故バントをしない! あの場面はバントをすべきだった! 
 何故シュートを打たない! あの場面はシュートを打つべきだった! 
 何故ヒットエンドランをしない! あの作戦は間違いだ! 
 何故あの場面でシュートを打った! あそこではボールをキープすべきだった! 
 何故あの選手を使わないのか! 
 何故あの選手を使うのか! 
 ピッチャーを変えろ! 
 なぜあのピッチャーを変えた! 帰るべきではなかった! 
 あのフォアードは使えない! 交代させろ!
 四番を変えろ! 
 監督辞めろ! 
 金返せ! 


 ど素人が、僕が私が考えたプランが至高のものであると、主張する……。
 興奮状態に陥っているのだけれども、自分が興奮状態に陥っていることに気がついていない……。
 暴言が乱舞する状態に今の状況はよく似ている……ように思える……。

 スポーツ観戦をしているとよく見かける事案であります。
 それらは、99.999%が与太話。
 このように興奮状態に陥っている人の与太話をまともに採用して成功した試しはありません。
 そもそも与太話はほとんどが採用されることはありません。与太話でしかないのですから。
 しかし、スポーツのそれもプロでの話ならば、ある程度はそれは許容すべきです。
 それも含めてのエンターテイメントなのですから。

 しかし、今のこの状況はエンターテイメントではありません。
 事実もデータも現場の意見も無視した論に意味はありません。
 しかし、今は居酒屋で話される与太話でしかないレベルの話を延々とTVや新聞や雑誌やネットで聞かされたり読まされたりする状況にあります。
 そして、全員が自分が正しいと思っている……。
 みんなが、「私が考えた最強のプラン」を述べて、他者の意見を否定する……。
 みんなが興奮状態に陥って混乱に拍車がかかる。
 マスメディアが真っ先にパニックに陥って取材もせずにデマを拡散させる……。
 でも、自分達が興奮状態に陥っていると理解していないので、自分の考えが正しいと思っている……。
 ど素人でしかないのに……。


 斯く述べる私も、述べていることは与太話のレベルでしかありません。
 故に当ブログで主張していることを信じてはなりません。



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あなたの恐怖心は、自分の心の中にある邪悪な影の集積物であり、その影は如何なる力も持っていません。

2020年04月13日 12時21分24秒 | その他の日記
 以下の文は、アゴラ言論プラットフォームの篠田 英朗氏の『新型コロナ:世界的科学者のご神託よりビッグデータ』と題した記事の転載であります。




     『新型コロナ:世界的科学者のご神託よりビッグデータ』




 アメリカ国内で、ニューヨークとカリフォルニアの死者数が10倍近い差になっていることに注目が集まっている。
 これについて山中伸弥・京都大学教授の「新型コロナウイルス情報発信」ブログでも記事が掲載された。
   サンフランシスコとニューヨーク アメリカ東西海岸の運命を決めたのは何か?
 だが冷静になってみよう。
 ニューヨークは現在の世界で最悪のペースで感染者と死者が広がっている地域だ。
 ほとんどの場所が、ニューヨークと比べれば良好な成績に見える。
 カリフォルニア州がニューヨーク州よりも4日外出禁止令を出すのが早かったことが、現在の結果の全ての原因であると断定するのは、簡単ではない。


    山中教授のブログは実情を反映しているのか?
 そもそもニューヨーク州が熱心に検査をやりすぎたのではないかという見方もありうるし、ニューヨーク特有の内在的要因に原因があるのではないか、という見方もある。
   「コロナは貧しい人から犠牲に」ハーバード大教授が不都合な真実を警告(ダイヤモンドオンライン)
 これらの点が妥当する程度に応じて、外出禁止令の時期が持っていたであろう意味は相対的に低下する。
 もしカリフォルニアが早期外出禁止令によって、コロナウイルスを封じ込めたり、あるいはせめて感染拡大を止めたりしているのであれば、文句なく素晴らしい事例だということになるのだが、実は単にニューヨークより少ないだけで、カリフォルニアの感染者数も激増し続けていることに変わりはない。
 山中教授のブログを読んだ方は、「ニューヨーク=失敗例、カリフォルニア=成功例」であるかのような印象を持つだろう。
 しかし実情は違う。
 山中教授がブログに掲載したグラフはなぜか2週間の3月24日で終わっている古いものなので、カリフォルニアの感染者数は2,628人であるかのような印象を受ける。
 しかし実際のカリフォルニア州の4月4日時点の感染者数は、13,796人である。
 山中教授のブログは4月5日更新の記事だが、そこに掲載されている2週間前の数字は、現時点の感染者数のたったの19%でしかない。
 現在カリフォルニア州の死者数は323人に達しており、カリフォルニア州当局には自分たちをニューヨークと比較して成功を誇るなどということに時間を使う余裕は全くない状態だ。
   Coronavirus in California: Map and Case Count(ニューヨーク・タイムズ)
 サンフランシスコ在住の山中教授の知人の方は、「4月2日時点」の数字として、「サンフランシスコは500人の感染」(現在は529人)で、「ニューヨークは感染者5万人」(現在は63,307人)だと伝えている。
 カリフォルニア州全体よりもサンフランシスコ市は3日早く外出禁止令を出したので成績がいい、という文脈で、その数字を紹介している。
 この理論が正しければ、カリフォルニア州全体の外出禁止令よりも3日早く外出禁止令を出したサンフランシスコ市はさらにいっそう成績が良くなければならない。
 実はサンフランシスコ市というのは90万人ほどしか人口がない町で、ニューヨーク市は860万の人口を持つ都市である。
 両市の感染者数の人口1人当たりの差は12倍程度である。
 ニューヨーク州の人口は19,440,469人で、カリフォルニア州の人口は約2倍の39,937,489人なので、カリフォルニア州1人当たりの感染者数は、ニューヨーク州1人当たりの感染者数に比べて17分の1にすぎない。
 これはどういうことかというと、カリフォルニア州全体で人口1万人当たりに対する感染者数は約3.45人にすぎないが、サンフランシスコ市は5.83人である。
 外出禁止令の時期に関わらず、州全体よりもサンフランシスコ市のほうが人口に対する感染者比率が高い。
 つまり、山中教授の知人が列挙している数字は、本当に「外出禁止令の発出時期が感染者の数と直接結びつく」という洞察の説明になっているのか。
 全く定かではない。


 ちなみに4月5日現在の東京都の感染者数は1,034人で、東京都の人口は13,942,856人なので、人口1万人当たり0.74人ということになる。
 巷では「東京は二週間前のニューヨーク」「東京は外出禁止令直前のサンフランシスコ」といった言い方が流通しているが、それはある意味でレトリックで、過去の取り組みの結果、先に感染者が発生したにもかかわらず、東京のほうがサンフランシスコ市よりもよく感染者を抑え込んでいる、という言い方もできる。
 東京都で一番人口の多い世田谷区が938,205人で、感染者も都内で一番多く4月1日時点で64人だった。
 これは人口1万人あたりで0.68人という数である。


 アメリカの『ニューヨーク・タイムズ』あたりが繰り返し「東京は2週間前のニューヨークだ、油断しているから必ずニューヨークのようになる」と予言者めいたことを言い続けているので、日本人でもそのような発想方法しかできなくなっている人がとても多い。
 だがその予言者の考え方には、科学的な根拠はない。
 連日のように新規感染者数が増えているここ数日の東京都の感染者数の増加率を見ても、まだ2週間前のニューヨークの増加率よりも鈍いのである。


   東京はNYよりも移動減少していた!Googleの驚異的データ
 もう一つ、面白いデータを紹介しよう。Googleがコロナウイルスによる人的移動の制限が、実際に各国・各都市にどれくらいの影響を及ぼしたかを、下記サイトのデータで示している。
   See how your community is moving around differently due to COVID-19
 起点を2月16日としたとき3月29日がどれくらい人間の移動が減っているかを、「小売店・娯楽(飲食店などを含む)」「食料品店・薬局」「公園」「駅など」「職場」「住宅」の6パターンで示したものだ。
 東京都、ニューヨーク州(NY)、カリフォルニア州(CA)を、それぞれのパターンごとに比べると、次のようになる。


 「小売店・娯楽(飲食店などを含む)」東京63%減少、NY62%減少、CA50%減少
 「食料品店・薬局」東京32%減少、NY32%減少、CA24%減少
 「公園」東京66%減少、NY47%減少、CA38%減少
 「駅など」東京59%減少、NY68%減少、CA54%減少
 「職場」東京27%減少、NY46%減少、CA39%減少
 「住宅」東京14%増加、NY16%増加、CA15%増加


 驚くべきことに、「ロックダウン」されているはずのニューヨークやカリフォルニアと、「外出自粛要請」だけの東京の人的移動の減少率は、ほとんど変わらない。
 というか、東京の減少率がNYとCAよりも鈍いのは「職場」だけで、あとは「駅など」がわずかにニューヨークに及ばなかっただけで、残りの項目では全て、東京の減少率が堂々の1位になっているのである。
 衝撃的なことに、ニューヨークもカリフォルニアも、「住宅」では、むしろ人間の移動が日本人よりも「増加」に転じている。
 「外出自粛」だけされた日本人たちは、駅から電車に乗って働きに行く人こそ、「ロックダウン」を受けたアメリカ人たちよりも減らなかったが、あとの分野ではことごとくアメリカ人よりも外出を減らしたのである。
 むしろアメリカ人は、働かない代わりに、住宅地を歩き回っていた。


 果たしてこのGoogleの人間の移動に関するデータを見てもなお、「ロックダウンを出して人の移動を止めたアメリカは素晴らしく、自粛しか求められなかったので通勤電車に乗った日本人は危機意識が薄いダメな人々なので、是非ともアメリカ人を見習って強権的な措置をとるべきだ!」と主張できるのだろうか。
 専門知は重んじなければならない。
 ノーベル賞はすごい賞である。
 しかしだからとって、ほんの少し調べればすぐわかるデータを見ることもなく、ただ仏壇を拝むように「偉い人」のご神託を求めるだけの態度を取り続けることこそが、危機を乗り切るために一番必要なことであるかどうかは、まだ必ずしも科学的には証明されていない。


                              転載終わり。

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聖路加国際病院 QIセンター感染管理室マネジャー 坂本史衣  『新型コロナ医療の現場から 命の選択を避けるために今できることを』 全文

2020年04月13日 11時49分20秒 | その他の日記
 以下の文は、Yahoo!ニュースの坂本史衣氏の『新型コロナ医療の現場から 命の選択を避けるために今できることを』と題した記事の転載であります。




      『新型コロナ医療の現場から 命の選択を避けるために今できることを』
      坂本史衣  | 聖路加国際病院 QIセンター感染管理室マネジャー 


  東京都では感染者数が増加
 東京都では3月下旬から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者数が上昇を続けています。
 イタリア北部やニューヨークのような爆発的急増は起きていないものの、コンスタントに増えている印象をCOVID-19の医療に携わる私たちも持っています。 

  診療協力病院の現状
 現在COVID-19が疑われる患者さんが病院を訪れるルートは全部で3つあります。
 ウォークイン(直接外来を受診)、救急車での搬送、行政機関や近隣のクリニックからの診察依頼です。
 患者数の増加に伴い、診療協力病院では、外来にあるCOVID-19専用待合エリアを拡大したり、集中治療室や病棟をCOVID-19専用にして対応しています。 

  【診療協力病院はこれから増える見込み】
 今もまだ、不安やマスクなどの防護具の不足から、発熱している方やCOVID‐19が疑わしい方の診療を行わない病院があります。
 そのため、一部の病院に負担が集中している状況は以前から変わりませんが、これからいくつかの大学病院で患者さんの受け入れが始まるので、一時的な緩和が期待されます。
 軽症者の宿泊施設への移動も非常にゆっくりとではありますが、病院あたり1日1人~数名のペースで進んでいます。
 ただ、すべての患者さんが移動を希望されるわけではなく、解決すべき課題もあります。 

  【病院の経済的負担も大きい】
 COVID-19の流行拡大に伴い、病院を利用する患者数は減少傾向にありましたが、COVID-19患者を受け入れるために予定手術や健診業務を中止したり、差額ベッド代の徴収を行わなくなった結果、診療協力病院は巨額の経済的損失を負っています。
 幸いCOVID-19の診療に対して診療報酬が算定できるようになりましたが、損失が完全に補填されるわけではなく、どこも赤字覚悟で取り組んでいます。 

  【検査はCOVID-19が疑われる場合に実施】
 診断のためのPCR検査は、症状、経過、胸部CT検査の結果などからCOVID-19が疑わしい患者さんに対し、行政検査または保険適用で行う検査のいずれかとして行われています。
 東京都のウェブサイトに掲載されているのは行政検査件数だけで、保険適応で行った検査件数は計上されていません。
 そのため、現在実際に行われているPCR検査件数は東京都が公開している件数よりもやや多いと考えられます。 

  【陽性は多く、偽陰性と思われるケースも】
 検査結果が判明するまでには、少なくとも1~2日を要します。
 そのため、比較的症状が軽い方は結果が分かるまで自宅待機となることが多く、中等症~重症者は入院になります。
 検査結果の多くは陽性です。
 ただし陰性であっても、疑わしい症状があり、胸部CT検査でCOVID-19に特徴的な影を認めることなどからCOVID-19が否定できない患者さんもいます。
 そのため、陰性の場合の判断は慎重に行われています。
 また、感染が心配だからという理由で検査を求める無症状の方が救急車を要請したり、外来や電話で医師や事務員を30分以上離さないために診療が中断することもたびたび起きています。

  【防護具は不足している】
 マスクやガウンなどの防護具は相変わらず手に入りにくい状況です。
 そのため、使用をかなり制限しています。
 N95マスクは今後枯渇する可能性が高いので、厚生労働省は4月10日にマスクに付着したウイルスを不活化する処理を行うなどして使用期間を延長する取り組みを検討するよう病院に通知しました。
 プラスチックガウンも不足する見込みです。
 すでに入荷できていない病院もあります。
 顔を覆うシールドも同じような状況です。
 そのため、ガウンの代わりに大きなゴミ袋をかぶり、シールドの代わりにクリアファイルで顔を覆うなど、さまざまな代用品を使った試みが行われています。
 決して安全な状況とは言えず、院内感染のリスクと隣り合わせです。 

  重症患者の命を救うために
 COVID-19は経過が長い病気です。
 感染から診断までは2週間前後、入院から退院までは3週間ほど(重症ならそれ以上)かかります。
 一般病棟に入院し、鼻カニューラで低流量の酸素投与を行っている患者さんのなかには、短時間のうちに高流量の酸素が必要となり、やがて集中治療室(ICU)で気管挿管されて、人工呼吸器管理となる方がいます。
 ですから、中等症から重症の患者さんの診療を引き受ける急性期病院では、そのような急激な病状の変化をおこす可能性が高い一般病棟の入院患者(ICU予備軍)の数に応じて、あらかじめICUのベッドを空けておく必要があります。
 ICUが満床の場合は、病棟にいる患者さんの急変への対応が難しくなるからです。 

  【人工呼吸器は誰もが使える器械ではない】
 人工呼吸器は重症患者の命綱ですが、使いこなせるのはトレーニングを受けたベテランの医師、看護師、臨床工学技士などです。
 人工呼吸器を装着した一人の患者さんの治療やケアには、複数の医師、看護師、臨床工学士に加え、リハビリスタッフが、感染予防に非常に神経を使いながら当たることになります。
 今のところ、比較的高齢の方を含め、多くの方が無事に人工呼吸器から離脱して、回復しています。
 各診療協力病院のICUで提供されている手厚い医療が日本のCOVID-19による死亡率の低さに貢献していると考えられます。
 
  【集中治療室に余力を残すことが救命につながる】
 このように重症化する患者さんの診療が可能な急性期病院が安心して引き受けられるCOVID-19患者数は、ICUのキャパシティ(許容量)に左右されます。
 つまり、人工呼吸器の数とそれをあつかえるマンパワーがICUのキャパシティであり、キャパシティに余裕があれば重症患者さんを救命できる可能性が高まります。
 ただ、残念ながら日本全体の集中治療室のキャパシティはもともと大きくはなく、すでにCOVID-19の流行によりひっ迫しています。 

  【医療現場の願い】
 COVID-19患者数が増加すれば、人工呼吸器管理を要する重症患者数も増加します。
 増加が続けばやがて、限られた人工呼吸器を誰に使うのかという選択を医療従事者は迫られることになるでしょう。
 そして選択の対象にはCOVID-19 以外の病気で運ばれた患者さんも含まれることになります。
 誰もそのような命の選択をしたくはありません。
 第三者が示してくれた選択基準に従ったとしても、医療従事者の心には大きな傷が残るでしょう。
 患者さんにも家族にも耐えがたい状況となります。
 それが、医療現場の私たちが恐れる医療崩壊です。 
 人と人との接触を8割減らす短期決戦を行えば、感染者数を減らし、命の選択を回避できる可能性が高まります。
 今、できる限り人との接触を減らしてください。
 どうか、患者にならないで。
 それがCOVID-19医療の現場にいるすべての医療従事者の願いです。

                               転載終わり。


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