鼻が長いのです。
これは古くから日本列島に居た犬種の子孫なのだそうです。
つまり最近の芝犬は鼻はそこまで長くないようなのです。
鼻が長い方がイけてると思うのですが、可愛らしさはその逆なのかもしれませんね。
今では海外で柴犬は大人気です。
少し前までは、
『なんで狐を飼っているんだい?』
と笑われたそうですが、最近では芝犬のツンデレ気質や高い忠誠心に対する認知度が広まって、飼う人が増えているそうです。
芝犬は日本の天然記念物。
国際交流に大きな役割を担っているのかもしれませんね。
私も外国人に書道を教える時、芝犬の写真を見せて彼らの反応を見ます。
『シバケン!』
と声に出す人がほとんどです。
その写真を見せた後、犬の象形文字、篆書体、隷書体、そして楷書体を成立した時期順に見せると、漢字の歴史を理解してくれます。
次に楷書の『犬』を書いて見せます。
筆使いや呼吸をなんとなく感じてもらった後に、今度は実際に書いてもらうのですが、その時に大切なのは、それぞれの記憶に残る犬を思い出しながら書く事です。
『犬』という漢字を見た人の数以上に、頭に浮かぶ犬はそれぞれなのです。
吠えられたり噛まれたりした嫌な思い出も、一緒に遊んだ楽しい思い出も、悲しい別れも、それぞれの人の中に無数にあるのです。
それを『犬』と言う漢字一文字に託す行為は、彫った仏像に魂を入れる行為と似ているように思います。
誰の記憶の中にでもある『犬』の記憶を尊重する事が、自分の記憶の『犬』を尊重してもらえる事になるのです。
そこが書道の大切なところだと、私は思うのです。
芝犬に助けられているなぁ〜
白内障が進んでしまった愛犬に目薬をつける度に、おでこにおでこをつけながらそう感謝するのであります。