平氏大将軍・維盛は
東国をよく知っている斉藤実盛を呼んで関東武士の事を尋ねた
斉藤実盛は嘲笑いながら言う
★私程の矢の腕前は関東にいくらでもいる
★弓の強さは、屈強の者が5、6人がかりで張るほどで、強弓使いがそれを射ると、鎧を2、3重ねて射通す
★大名一人に五百騎の兵は保持している
★落馬はしない、馬を倒さない
★身内が死んでもその屍を乗り越え、戦う
★西国の合戦は、身内が討たれると供養をし、喪中の期間が過ぎてから押し寄せたり、悲嘆のため寄せるのをやめる。春に田を作って秋に収穫してから寄せ、夏は暑い、冬は寒いと嫌うが
東国はそのような事はまったくない
10月23日、明日は源氏と平氏が、富士川で矢合わせをすると決めていたが、夜半、沼に群がっていた水鳥たちが一斉に飛び立った羽音に「源氏の大軍が寄せて来たぞ。ここを退却せよ」と逃げた