■法然の学問
天台の奥義
密乗
大乗律
三蔵の聖教
天台
法相
三論
華厳
真言
諸宗派にわたり
それらの経文で、読まないものはなかった。蔵にある一切経は5度読んだ
法然が書を読まなかったのは只一日きりであった。それは木曽義仲が京都に討入りした日で、あまりにも騒がしいので、さすがの法然も書を手にすることが出来なかった
■ある時、法然は師の叡空と議論を闘わせた。どちらも論を譲らずにいたが遂に叡空が立腹して枕を法然に投げつけた。法然は静かに師の前を立った。叡空は数刻後、法然の部屋に来て陳謝し「汝の説の方がやっぱり深い。本意であるらしい」と言った
■法然24歳、嵯峨の清凉寺に七日間参籠。参籠が終わって南都へ下り法相宗の蔵俊僧都のもとに至り法談を交えた。自宗の義理に法然があまりにも明るいので僧都は感嘆した
■醍醐に三論宗の先達を訪ねた。そして所見を述べると律師は無言のまま内に入り、秘蔵の書物を手にして法然に授けた
■華厳宗の僧も弘法大師の十住心について議論して、法然の知識に感嘆した