マクロス外伝大本営 新統合軍極東太平洋軍管区司令部

マクロスやロボット大好きなブログです。二次創作などを主にやります。

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第一次星間大戦月面の動向 中編

2021-03-10 14:55:59 | マクロス短編
月面の戒厳令は暴動が治まった現在も続いている・・・・・
治安出動した部隊の数は減っているが、今だに厳戒態勢をとっており・・・

買い物客や通勤する人の往来を横に防弾ヘルメットを被り
M4カービンを装備しながら、暴動が起きないか警戒している・・・
宇宙軍兵が展開していた。

人々は平然を装っているが、内心は畏怖を覚えており・・・

不安は消されていない

【月面アポロ基地統合管制センター】

地球統合宇宙軍管制センターでは地球との交信を試みていた。
長らく通信が途絶しており、地球の状態がどうなっているかまだ分からない
地球に帰還したとだけ分かってるマクロスすら通信がない

それでもなお通信は続けられており・・・・・

諦める人はいつつも最後まで諦めようとしなかった。

ボドル基幹艦隊戦から翌月のある日

「こちら地球統合宇宙軍月面アポロ基地管制センター、地球にいる統合軍部隊応答願います。」

『こち・・・・北米・・・・部・・・・・友軍か・・・・こちら北米方面・・・・・』

「!?長官・・・・・」

星村謙三「地球の友軍はまだ生きていたのか」

北米地域を担当していた地球統合軍北米方面軍司令部と連絡がとれるようになった
雑音ではあるが地球に生存していた人がいる事実に一同は歓喜した。

北米地域だけじゃない。
地球各地の方面軍司令部との通信がどんどん繋がるようになった。
月にいる統合軍将兵や月に住む一般市民は歓喜の声を上げた。

その反面 親戚を失った人間は落ち込んだままだったり

中には行政に怒りの声を上げ、政府機関に乗り込もうとして
警備していた宇宙軍兵士に取り押さえるなど一部では混乱が見られた。

【アポロ基地大型造船所】

この日、謙三は副官.鷹原中佐と宇宙軍副長官を連れて
SDFー2メガロード建造現場を視察していた。

メガロードはSDFー1マクロス2番艦であるが・・・
実際は地球人が一から建造した超巨大要塞戦艦であり・・・
規模は一番艦すら上回る、地球統合宇宙軍が誇る本命であった。

まだ建造中ともあり、決戦には間に合わなかったが・・・・

鷹原中佐「かなり進みましたね。」
星村謙三副官.鷹原克昭.中佐

星村謙三「決戦には間に合わなかったがな・・・・」

アーネスト「にしても、艦隊行動するには人が足りんな。」
宇宙軍副長官アーネスト・シェパード中将

建造は進んではいるが、問題は艦隊編成
先のボドル基幹艦隊との戦いで9割の艦艇と艦載機を失ってる。
その為、残存艦隊とアームド級やオーベルト級各種艦艇の建造就役
艦載機などの戦力再編を急がせている。



人材は豊富ではなくむしろ不足している。
仮にメガロードが完成しても動かせる人材はいるかどうか
明らかに足りないのが目に見えているし

無事が確認されている衛星都市や地球の残存人数では

こうした不安が残る
艦はできても人がいなければ無用の長物でしかない。
悩ましい話である

「失礼します、地球より星村宇宙軍長官宛に通信が来てます。」

星村謙三「通信?もしかしてグローバルか?」

「いえ地球統合軍アラスカ総司令部管制主任の早瀬未沙大尉からです」

星村謙三「早瀬・・・・未沙からか、確かマクロスから報告に戻ったらそのままアラスカに・・・うむ分かった。私の部屋にまわせ、すぐ行く。」

そんな中、若い連絡員の女性兵士が来て地球から謙三宛に通信が来てると報告した。

謙三に連絡してきたのはマクロス艦長であるブルーノ・J・グローバル准将ではなく
マクロス管制主任からアラスカ総司令部管制主任になってた早瀬未沙からだった

女性兵士から未沙の名前が出てきて
謙三は驚いた顔を一瞬したが、すぐ真顔に戻り・・・
直ぐ様、視察を一時中断して自室に向かった。

それから20分後

星村謙三「すまなかったね、早瀬大尉。メガロードの視察してたもんで、遅れたよ」

早瀬未沙「突然連絡してきてすいません、提督。いろいろとお話したくて。当然、グローバル艦長から月面に向けての命令なども伝えておきます」
地球統合宇宙軍.早瀬未沙.大尉

星村謙三「分かった、まずは命令から聞いていこうか。私的な話は後にしてな」

謙三は未沙からの通信に応じていた。

地球から同期早瀬隆司の娘、未沙がグローバル艦長からの命令があると報告

その報告を聞いた謙三はグローバル艦長からの命令と言う単語に不満を覚えた。
グローバル艦長は自分より階級下で、自分の方が上官の立場
戦争の一番の功労者

星村謙三「つまり地球統合政府臨時政権並びに臨時参謀本部、そして我が宇宙軍全軍は新政権に帰属そして、アポロ基地で建設中のSDFー2メガロードの接収か・・・・」

早瀬未沙「それがグローバル艦長からの命令です」

星村謙三「気に食わんな、同じ宇宙軍とは言え命令が過大だ」

淡々とグローバルからの命令を伝える未沙に対し
謙三は声をきつめにモニター越しで、睨むかのように反抗した。

格下であるグローバルからの命令は気にくわない

態々応じる必要のない話

早瀬未沙「提督、もしや」

星村謙三「応じる気にもならない、むしろグローバルも我々の事を信用してないのだろう?」

早瀬未沙「それは・・・そうですけど」

星村謙三「こちらに対し信用が最低限あれば、応じる考えの余地はあるが・・・なければこの話はなしだ。」

お互い信用してない

グローバルは地球統合軍アラスカ総司令部から散々な目に遭わされた。
この事からもアポロ基地などの月面基地にいる地球統合軍の高官を信用してない

逆に

謙三はグローバルの事を嫌っており、そもそも信用してない
その上で下の立場から命令してきた事は侮辱と感じており腹が立ってる

ギャスバル提督から引き継ぎ宇宙軍総司令官たる地位にいる自分が
一般の准幹部士官であるグローバルに命令されると言う事は侮辱でしかない
相当な無礼

とは言え

星村謙三「我々、ルナリアンを恭順させたくば信用するかつ、今後の我々の地位を保証するのだな」

早瀬未沙「保証・・・・しなかったら」

星村謙三「独立も辞さないかつ、一戦も辞さない」

妥協しなくてはならない部分もある
だけど、脅しめいた発言をして少しでも有利になるようにするのが前提で

交渉のカードの切り札にグローバルが欲しがるSDFー2メガロードがあり
必ず相手からこちらの交渉のテーブルに座ってくるはず
謙三は不敵に笑う、既に未沙が手にとったカードがジョーカーだからだ

勝つのはこちらだと・・・・

星村謙三「どうする?でないと我々は共倒れになる、地球統合軍の規律のとれた組織は我々にある。ストンウェル・ベルコム、新中州重工、センチネンタルの工場も組織もな。」

早瀬未沙「やり手ですね、提督。分かりました、グローバル艦長に報告します」

星村謙三「いい結果を望む」

勝敗の結果はこっちが握りとった
いや、まだ完全に勝ちを握ったわけではないがこちらが有利なのは変わりがない

さてグローバルは承諾するかどうか

楽しみな話だ、楽しみで待ってられん

謙三は今の会談に満足し、制帽を被り司令部に戻った

その頃、アラスカでは

早瀬未沙「艦長、星村提督の件。星村提督からかなり厳しい条件つきつけました」

グローバル「カミソリ星村なだけはあるな」
地球統合宇宙軍.ブルーノ・J・グローバル准将

早瀬未沙「お父様の盟友ともあり、断りきれません。それに同じ統合軍同士で」

グローバル「ぬぅ・・・・」

未沙は謙三との会談結果をグローバルに報告した。

謙三が地球統合政府から独立を計画し、地位を保証しなければ実現すると
このままでは、SDFー2メガロードの接収は愚か統合政府再建が出来なくなる
などと持論を交えつつ、星村提督ら月面の面々が恭順しない事による危機感を
訴えた

月面だけではない、各地の地球人のコロニーも恭順しない可能性がある

強気な態度を望むのはいいが

相手は星村謙三

下手な対応する事ができない

グローバル「条件は受け入れるしかないな」

早瀬未沙「受け入れるのですか?」

グローバル「しかしだな、条件付きでの話だ」

早瀬未沙「条件付き?」

条件は受け入れる、グローバルは受け入れる条件として・・・
自分達の更なる条件を謙三に突き付ける事にした。

この条件ならば謙三も受け入れられるだろうと思って・・・・・

グローバルは机に置いてあるパソコンからUSBを取り出し・・・・
SDFー1マクロス艦内にある通信室に向かった。
通信室には・・・・・・・・・

エマ「艦長、早瀬大尉お待ちしてました」
地球統合宇宙軍エマ・グレンジャー中尉

グローバル「うむ、星村提督と繋がっているかね?」

エマ「はい・・・・今・・・・」

未沙の士官学校の後輩でガンサイト2で指揮をしている女性士官
エマ・グレンジャー中尉が通信室で待っていた。

現在、謙三からの通信が来ており保留にしていたため・・・

グローバルが来るとエマはすぐさまモニターに謙三の姿を出した
モニターに映し出された謙三の姿は堂々としており・・・・
威圧感があった・・・・・・

星村謙三「ブルーノ・J・グローバル准将、交渉の席に応じる気になったかね?」

グローバル「そう言う事だが、これは取引だ」

星村謙三「取引?面白い」

グローバル

グローバル「星村提督、このUSBのデータを送る・・・これが私が提示する条件だ。」

星村謙三「ほぅ・・・面白い・・・いいだろう」

グローバルは堂々としている謙三に条件は受け入れるが・・・
これは取引だと発言した。

取引・・・・・・・どんな取引をするのやら・・・・・

謙三はグローバルの言葉に期待しつつ
USBから送られてきたデータを見た。

通信機器も回復し、地球から月への長距離のデータ送信は可能になっており
時間はかかかったが、謙三の元にUSBのデータが届いた。

すぐさま、自前のパソコンでUSBのデータを見た謙三は

星村謙三「・・・・正気かね?」

グローバル「正気だ・・・恭順と送信したデータ・・・それが私が提示する条件だ・・・」

声を上げて驚いた 

中身は種の保存、それに伴うSDFー2メガロードの移民艦への改修
終戦後の先を見据えた計画、謙三からは信じられない内容だ。

いや考えもつかない

むしろ面白い

星村謙三「分かった、提督に報告し恭順を受け入れよう」
 
グローバル「本当ですか?」

星村謙三「例の件も含めてな・・・ 受け入れよう」

謙三はグローバルからの提案と恭順を受け入れた

素直に従うつもりはなかったが・・・・
グローバルからの提案は魅力的だ・・・・

メガロードを改装して移民船を作る・・・
ノアの箱舟のようだ。
地球が壊滅して、どう移民のための人口を確保するのかと言う疑念はあるが
そこまで考えるつもりはない

ただ言えるのは、宇宙軍にとって大きな利権と利益になる事
つまり新政権にて宇宙軍再編OR増強の予算が出る。

謙三はそんな思惑を懐き、グローバルの案を受け入れた。

それからしばらくして
地球統合軍とブリタイ・ラプラミズら親地球派ゼントラーディ軍は・・
地球に降下したゼントラーディ軍に大打撃を与え・・・

3月末、地球統合政府とゼントラーディ軍は終戦協定が結ばれ

翌月、地球統合政府はゼントラーディ勢力を接収し
新たな統一国家である新統合政府が樹立した。

新統合宇宙軍はすぐさま、再編され
航行可能なブリタイ艦隊やラプラミズ艦隊の艦艇を接収し・・・
新たな軍事力の構築と、失われた戦力の回復に全力をあげた。

ギャスバルは退役、国政に進出し・・・
謙三は後任の座に就いた。

新たな時代が始まる

後任な座についた謙三が最初に放った一言だ。
新統合政府ブルーノ・J・グローバル臨時政権下で新しい政治が始まる
無論、始まるのは政治ではない

軍事も同じ

そう噛みしめる謙三は自分のいる地位の職務を全うした

それから一年後・・・
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