マクロス外伝大本営 新統合軍極東太平洋軍管区司令部

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第53話 甦るマーズウォーズの記憶

2016-11-17 00:09:40 | マクロス外伝蒼い髪のメルトラン(再編成中)
ラウラと吉野は食事しながら今後の仕事のやり方について話合っていた。
可変戦闘機乗りとしてのこれからをどうするかについて激しい討論を行っていた。
ゼントラーディ人もといメルトランのラウラが持つゼントラーディの価値観と地球人吉野が持つ地球人の価値観との衝突であった。

ラウラ「敵を倒すには中央突破し、ミサイル一斉射撃。こっちの方が戦闘のスタイルとしては一番だわ。」

とこんな風な意見を言うラウラ。
ゼントラーディ人はスリルを味わう戦闘を好む。
一番危険な時が獲物が一番寄ってきやすく、そこで撃墜する。
ゼントラーディ軍直衛艦隊時代のラウラはそのようにして監察軍を撃墜してきた。

吉野大樹「前に進みすぎて断崖絶壁に急降下・・・・・つまり包囲され死ぬっての・・・・・・・・」

地球人の吉野はラウラのやり方に反発する。
戦場は個の空間ではなく、集の空間。
友軍機と共同で作戦を実施し敵対勢力に対処する。
戦力的にも防御力と攻撃力も上がる。

ラウラ「臆病者、地球人の男はそうやって何もしないでいるんだろ?」

ラウラはまるで馬鹿にしたような顔をしながら吉野に言う。
ゼントラーディ人のラウラからしたら臆病者・・・・・・
ー大樹も結構演習では活躍していたけど、内心臆病者か・・・・・
ーそんな人がなぜ中隊長を・・・・・・

とラウラは心の中で言う・・・・・・・
すると吉野がある事を言う。

吉野大樹「別にそうじゃねぇが、俺は基本風林火山もとい時には虎穴に入らずんば食われずだ!」

ラウラ「なによそれ?」

風林火山と虎穴に入らずんば食われず........
ラウラは風林火山と虎穴に入らずんば食われずと言う新しい言葉に反応する。
読書好きであるラウラでも知らない言葉・・・・・・・・・・・・

ラウラ「その言葉の意味は?」

と普通に意味を聞く。
丁度いい機会だし言葉の意味を知りたい・・・・・・・・
ラウラは言葉の意味を知りミリアに勝つための戦術を生み出す経験値にしたい。
そう思っていた。
ラウラの問いに対し吉野が口を開く。

吉野大樹「風林火山は孫子の旗に記された疾如風徐如林侵掠如火不動如山の略で、虎穴に入らずんば食われずは虎穴に入らずんば虎子を得ずを外した言葉で、元ネタは虎穴に入らずんば虎子を得ずとは、危険を避けていては、大きな成功も有り得ないということのたとえかつてあった中国の古い教えだ。」

ラウラ「ふ~んマイクローンって凄いんだ、同胞はマイクローンもとい地球人をプロトカルチャーと勘違いするわけか。」

ラウラは二つの言葉の意味を知り、地球人の凄さと奥深さを知る。
ー地球人のカールチューン(文化)面白い、まだ私の知らない事がたくさんある。
更にラウラの地球文化への憧れを強化する一因になった。
そんなラウラを横目に吉野が話を続ける。

吉野大樹「ラウラ.........今後の戦闘はチームで行動が中心だ、いい・・・・・・・チームで行動しろ。」

ラウラ「分かったわよ、なんで私に言うのよ?」

吉野大樹「似ているからだよ......」

ラウラ「似ている?それはど言う意味なのよ?」

吉野はラウラに似ていると言う。
ラウラは吉野の似ていると言う意味を問いただす。

吉野大樹「かつて俺がまだ新米だった頃に起きたマーズウォーズ事件の経験からさ、独断専行やって部隊を危険にさらした戦友がいたんだよ。かなり奮戦したが、結果そいつは、反乱軍のヴァリアブルグラージの腕のパンチで、コックピットを潰され死んでしまったんだ。」

ラウラ「マーズウォーズ事件、噂では聞いているけど酷い事件だったそうね。でも..................なぜ私にはその話を?」

ラウラは資料で読んだマーズウォーズと言う用語に対して反応する。
近年の戦争の記録はニュースの記事や新聞の記事や軍が公開している資料で知っている。
そして吉野は衝撃的な事を口走る。

吉野大樹「その独断専行をして死んだのが・・・・俺の親友だからな。それにラウラは死んだメリルに似ていたからな........」

ラウラ「!!」

場の空気が重くなる・・・・・・・
吉野の顔は辛いことを思い出したのか表情が暗い・・・・・・
そう、吉野はマーズウォーズ事件で親友達を失っている。

ー私が大樹の親友メリルに似ている・・・・・・

              マーズウォーズ事件
西暦2018年.統合政府から独立を目指す火星独立ゼントラーディ軍が引き起こした独立紛争である。
火星都市議員.志位宏の裏支援により火星ゼントラーディ軍がオリンポスシティを占拠、地元住民を人質にとり30日間も立てこもった。

吉野はオリンポスシティ救難のため所属部隊の編隊と共に鎮圧に向かうが・・・・・・・・
親友で同僚の赤石数馬少尉とメリル・ローリアが独断でゼントラーディ人部隊に突入した。
当然、正式な命令でもない命令違反による独断専行である。
最初は優勢だったが、次第に劣勢に陥り数馬が撃墜され、メリルはバルキリーの腹部を殴れさらに銃撃により潰され戦死した。

本隊と共に現場に到着した吉野は、まさにメリルが殺されたところであった。
仲のいい戦友を失った吉野は復讐心から所属部隊のメンバーの中では獰猛に戦い、火星独立ゼントラーディ軍を鎮圧した。

事件は志位などの首謀者の裁判による処断に終わった・・・・・・
数馬とメリルの死は、軍で葬儀したが多くの同僚は仕方が無いと解釈する。
吉野は同僚の数馬とメリルに対する冷たい態度と事態を防げなかった自分自身を憎んだ。
これらの事件の結果は吉野に暗い影を落とす事になる。

吉野大樹「中でもメリルはお前に似ていた、雰囲気も.....それにメリルは......」

そこで話が止まる。
吉野の顔はずっと下を向く。
そして笑顔でラウラの方へ顔を向ける。

吉野大樹「まぁ今の話は忘れてくれ。」

ラウラ「・・・・・」

ラウラは会話の中で吉野の過去を偶然知った。
地球人には表面には明るくても、裏には悲しい過去がある。
ゼントラーディ人であるラウラは、この時改めて知る事になったのであった。
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