マクロス外伝大本営 新統合軍極東太平洋軍管区司令部

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第26話 エネミータリホー

2016-09-27 03:30:41 | マクロス外伝蒼い髪のメルトラン
ラウラが出向して最後の日を迎えた・・・

官舎から向かう途中、ラウラは警務隊に引き留められ・・・
職務質問をする事態になってしまった。

幸いラウラに特に問題がなく単なる質問の受け答えで終わった

ラーナ「話を聞かせてもらってありがとうございます」
新統合軍月面第8管区警務隊.ラーナ・フランセーズ中尉

ラウラ「こちらこそ、中尉殿ら力になれて光栄です。」

ラーナ「ハッ、光栄です。ご協力ありがとうございました。」

警務官ラーナの質問の受け答えを終えたラウラは・・・・・
バイクに乗り、軍用ハイウェイに入り第8防衛エリアに向かった。

少し時間がかかったが、まだ十分に間に合う・・・・

ラウラは安全運転しながら軍用ハイウェイを走り・・・・
しばらくして、第8防衛エリアのインターから出た。

ガフル「おはよう、ベルタリア曹長昨日は寝れたかな?」

ラウラ「お陰さまです。なんとか無事に最終日迎える事になりました。」

ガフル「うむ、それはよかったな。」

オフィスに到着すると、ラウラはガフルに挨拶した。

実務研修を終えまもなく機種転換センターに戻る予定であり・・・・
後は可変戦闘機パイロットとして実戦部隊に配属されるまで・・・
卒業までに機種転換センターで過ごす事になる。

短い時間であったが、ラウラにとって有意義な経験となった。

ラウラはガフルに感謝の意を述べたが・・・・

ガフル「最終日で悪いが、貴様に哨戒任務を与える。」

ラウラ「哨戒任務でありますか?」

ガフル「そうだ、我々の防衛エリアを見回ってもらいたい。今回は我々が担当なんだ。」

ガフルから第8防衛エリアを見回ってもらいたいと命令が下った。

命令の意図はラウラが実務研修でどのくらい成果が出せるか・・・・
無論、敵襲によるアクシデントも考えられる話を前提に・・・

と今までの研修で学んだ事を活かせているかのテストであった。

ラウラは最初不思議そうに命令の内容を聞いてたが・・・・

ラウラ「了解しました、偵察の任了解しました。」

ガフル「シューター小隊と共にまわってもらう、頑張れよ!」

ラウラ「ハッ」

ある程度の意図を理解し、了承した。

自身も研修で得た成果を試してみたいと思っており・・・・
最後の実務研修における任務を果たそうと考えた。

ガフルからの命令を受け取ったラウラはシューター小隊と共に格納庫へ向かった

格納庫に入るとすぐさまVFー5000スターミラージュに乗り込み・・・・
管制オペレーターの指示に従いカタパルトに侵入した。

早瀬亜季「今回、管制官を務めます。早瀬亜季少尉です。よろしく」
新統合宇宙軍月面方面軍第9機動艦隊早瀬亜季少尉

ラウラ「よろしくって、顔が違うけど・・・本当に早瀬少尉?」

発進準備終えたラウラ達の専属オペレーターが出たが・・・・・
そのオペレーターはハヤセ・アキと名乗った為、ラウラは混乱してしまった。

同じハヤセ・アキで、少尉いつもと違うと・・・・・

そう思っていると、いつも見慣れた亜樹がヒョイっと出てきた。

早瀬亜樹「あっごめん、そっちの早瀬は従姉妹。名前が一緒の従姉妹よ。」

ラウラ「従姉妹?」

早瀬亜季「そーゆー事、よろしくベルタリア曹長。今日1日よろしく」

ラウラが最初に会ったハヤセ・アキは・・・・・
早瀬亜季と言う一文字違いの亜樹の従姉妹であった。

亜季は本来は第9機動艦隊所属であり・・・・
艦隊旗艦所属のSVF-125の専属オペレーター主任を努めており
部隊の訓練のため、第8防衛エリアを訪れていた。

そんな亜季がラウラ達のオペレーターを務めた理由は・・・・

「こちらSVF-125所属バジル小隊、シューター小隊と共に索敵行動に入る」

「了解」

SVFー125所属のバジル小隊がシューター小隊と共に偵察飛行を行う為である

バジル小隊もVFー5000を運用しており、うち1機はB型であり
ラウラ達のシューター小隊の後方に右翼左翼に展開し・・・・・
これから予定の哨戒コースをまわっていく予定だ。

「ベルタリア曹長、しっかりついて来いよ。この任務が最後の実務研修の内容だからな。」

ラウラ「ハッ、了解です中尉殿」

「よしこの任務を終わらせ、機種転換センターに送り返すからな」

シューター小隊と共に哨戒任務に就いていたラウラは緊張していた。

なんせ今回の哨戒任務を遂行し1日終えると実務研修が終わるからだ。
実務研修が終われば機種転換センターに戻り、卒業まで過ごす事になる。

嬉しい話ではあるが、現場も現場とあってか・・・・
上手く1日終わるかどうかが分からないし、死ぬかも知れない
そんな不安もあってかラウラはかなり緊張していた。

早瀬亜樹『ベルタリア曹長、気が緩んでいるぞ。』

ラウラ「あっすいません」

早瀬亜樹『気にしなくてよ、最後まで頑張ってくださいね。』

亜樹から緩んでいると指摘されると謝りつつ表情を正した。

今日が最後だし、あまり緊張しすぎないで頑張って・・・
機種転換センターに戻って自由気ままに過ごそう

ラウラは少し怠けた顔をしながら実務研修を終えた先の事を考えた

だが・・・・

そう簡単にラウラを無事に機種転換センターに帰れる程・・・
世の中は甘くはなかった・・・・・

カルカ「敵飛行隊確認、数は8」
反統合同盟カルカ・ジェンバース少尉

「数は8機か、襲うにはいい数だな・・・・やれるか?」

カルカ「やろうと思えばいつでもできます同志(カメラード)」

「そうか、ゴルベーズ大佐に一応報告する・・・しばし待て」

カルカ「ウラズミェートナ(了解です)」

息を潜め反統合同盟残党の可変戦闘機がラウラの様子を伺っていた。

同盟残党の若い10代のロシア女性兵のカルカは同僚に数を伝え・・・
その同僚はカルカの情報を元に後方にいるゴルベーズ大佐となる人物に報告した

報告した内容を元に指示を仰いだ

しばらくして・・・・

カルカ「ゴルベーズ大佐はなんと?」

「先行して強襲を仕掛けろと、月面から撤退する艦隊の為パトロール隊を消せと」

カルカ「なるほどね、確かに月面の統合軍の監視は厳しいからね。」

指揮官であるウィンダーン・ゴルベーズ大佐からの指示が届いた
月面から撤退するためにラウラらパトロール隊を殲滅しろと・・・

新統合軍の月面における軍備増強により掃討戦が強化され・・・
反統合勢力の力はどんどん削がれていき・・・・
ついに月面各地の同志を率いて脱出する事を決めた。

先の一件の偵察機とコンタクトしたVFー4小隊に対する襲撃で動きが察知され・・・

第9機動艦隊が動き出し本格的に駆り出され残存勢力は・・・
投降または戦死して逝った。

ウィンダーンはカルカらに支持を出した後、背後にいる男に話しかけた

ウィンダーン「ダルダントン殿、ご助力願えないだろうか?」
反統合組織ロシア再興軍リーダー.ウィンダーン・ゴルベーズ大佐

ゲラム「ご助力か、今後の取引を維持できるなら手を貸そう」
闇商人ゲラム・ダルダントン

ウィンダーン「おおありがたい」

ゲラム「・・取引のためだ・・・私だ部隊を出せ!」

その男はブラックマートで取引しているゼントラーディ人・・・
ゲラム・ダルダントン・・・・・
反統合組織にとってはなくてはならない男だ。

新規のSVシリーズを始め数多くの武器を反統合勢力にいい値で売却したり
更に自身の私兵を保持しており、傭兵稼業も行っていた。

それを知っていたウィンダーンはゲラムに援護を要請し・・・・
今後の取引の事を考えたゲラムはすぐに承諾・・・・・
すぐさま私兵部隊に連絡し出撃命令を出した。

その頃ピケット・ルートラインでは
ラウラ達は予定通りの哨戒ラインを進んでいた。

特に異常はなく平穏に終わるかと思われてたが・・・・
バジル小隊の1機のレーダーが編隊に接近する2機の機影を確認した。

「隊長、2機の敵影確認。」

「2機で活動するとは手練れの可能性がある、シューター小隊迎撃願えないか?」

「了解した、スミス少尉とベルタリア曹長は迎撃に迎え!」

『ハッ』

IFFに反応がないため、隊員はすぐさま敵機と確認し報告・・・・
全機も2機の敵影を確認しラウラら2機に迎撃に向かわせた。

敵機はどうせ2機しかいないので、ラウラら2機でも十分と・・・・
シューター小隊は考えていたが・・・・・・・
後に大きな災いを予防とは思いもしなかった・・・

ラウラ達は編隊から離れ2機の敵機の方角へ向かっていき・・・
本隊は周辺の警戒を始めた。

「ベルタリア曹長、何故バトロイドに変形する?まだ接敵してないんだぞ?」

ラウラ「私はファイターで戦うのは苦手でして」

「そうか・・・・まだ少し早いんじゃないか?」

ラウラ「そうでしょうか?」

迎撃に向かう道中、ラウラはバトロイドに変形し移動を開始した。

スミス少尉はラウラの行動に不思議がっていたが・・・・
ラウラがファイターで戦うのが苦手だと説明すると納得し・・・
まだ変形するのは早いのではと突っ込んだ。

突っ込まれたラウラは不思議がりながら僚機パイロットの顔を見るが・・・・

「シューター4、エネミータリホー(敵機を目視で確認)。ベルタリア曹長、遅れるな!」

ラウラ「ハッ」

直後、敵を目視で確認し戦闘体勢に入った。

僚機のスターミラージュから大型ミサイルを二発が放たれ・・・
敵機との距離の中間地点で爆発した。

しばらくして爆発の炎の中からSvー53の編隊が飛び出してきた

カルカ「新統合軍は2機迎撃に出すのか・・・・下手したら本隊が見つかってしまう」

「だったら話が早いジェンバース少尉、早めに2機を仕留めるぞ!」

カルカ「了解」

カルカ達は左右に散開した。

散開するとラウラと僚機の連携を遮断し・・・・
1対1による格闘戦(ドッグファイト)に持ち込んだ。

ラウラは僚機と連携を遮断させられ孤立し・・・・
バトロイド形態に変形してたため一瞬で背後を突かれたが・・・
持ち前のクァドラン・ロー乗りだった頃の感覚で苦戦せずに・・
むしろ有利に戦っていた。

「バカな・・・・・・・こちらの攻撃が当たらん。ファイターでもなく・・・・」

ラウラ「ファイターじゃなくても、自身の得意な戦い方でいけば勝機は上がる!もらった落ちろ!!」

Svー53のパイロットはバトロイド形態で踊るように回避するラウラに驚いた。

ファイター形態よりも機動力の劣るバトロイド形態で華麗に回避
何故あのように回避できるのか不思議に思った。
バトロイド形態でファイター形態を上回る機動力は発揮できるはずがない

驚いているのも束の間、ラウラが反転しジグザグ機動で突撃・・・

ぶつかる寸前で上昇し、脚部でコックピットを蹴り潰し・・・
くるりと回転しガンポッドで銃撃を加え撃墜した。

カルカ「バカな・・・・一瞬で撃墜しただと!?」

ラウラに一瞬で撃墜された僚機の姿を見て絶句した。

まさかこんなにも早く撃墜されるとは・・・・
一瞬で撃墜するような奴が敵としている・・・・
勝てるはずがない・・・・

圧倒的な強さを見せたラウラにカルカは恐怖感を覚えた

その頃

レミア「まもなく戦闘宙域に到着する、ゲラム一働きしてくるよ」
ゲラムの私兵.レミア・ジフォン

ゲラム『あぁ頼んだぞ、レミア』

レミア「あぁ」

新統合軍が使用する可変戦闘機に似たシルエットの可変戦闘機が・・
Svー53.4機引き連れラウラ達のいる宙域に向かっていた。

編隊の中心である新統合軍の可変戦闘機に似た可変戦闘機に乗っているパイロットは・・・
ゲラムの私兵部隊の一員でありゼントラーディ軍の元エースとして有名だった・・・・
裏世界の死神の異名を持つレミア・ジフォンであった。

そして

今レミアが乗っている可変戦闘機は・・・・
新星インダストリーから強奪した試作機VFーXー8・・・
愛称はファントムⅢと呼ばれる機体であった。

このレミアとファントムⅢの登場がラウラの人生最大の危機の一つになろうとしていた。

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