10月5日のアドバイザリーボードの公表資料
”新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの流行に関する短期的な見通しと暫定的リスク評価:2022 年 10 月5日時点”
押谷仁、鈴木基、西浦博、脇田隆字
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000997766.pdf
で、コロナとインフルエンザの今冬の流行について論じています。
ポイントを紹介してみます。
1. 新型コロナウイルス感染症について
見通しに影響する要因
:新規変異ウイルス
:人口の免疫保有状態
:ワクチンと治療薬
2. 季節性インフルエンザについて
2-1.直近の流行状況について
・国内発生動向は 2020 年 3 月以降、極めて低調
・2021 年に流行を認めなかった南半球のオーストラリアやニュージーランドにおいて、2022 年に季節性インフルエンザの流行を認めた。
流行のレベルとしては、陽性者や入院者の報告数はCOVID-19 のパンデミック前と同等またはそれに近い程度
2-2. 過去2シーズンに季節性インフルエンザの流行が低調であった理由について
・2020 年初頭以降、国際的に新型コロナの流行対策を目的として、強力な行動制限・移動制限が行われ、これが概ね 2021 年末まで続けられた。
接触削減は季節性インフルエンザの流行を抑制することに直接的に寄与し、移動制限は季節性インフルエンザが流行地域からより伝播条件のよい他地域へと移りながら拡大することを防いだ。
2-3. 2022-23 冬期シーズンの見通しに影響する要因
①諸外国でのインフルエンザ流行と国際的な人の移動の回復
②国内における接触機会の回復
③人口の抗体保有状況
・過去2シーズンの流行が低調であったことで自然感染により免疫を獲得した人の割合が COVID-19 の流行前に比べて低くなっている。
④ワクチンの接種率とワクチン株と流行株の抗原性の一致
・ワクチン接種率がどの程度になるか、ワクチン株と流行株の抗原性がマッチするかは、過去シーズンと同様に季節性インフルエンザの疾病負荷を規定する。
3. 2022 年冬期の COVID-19 と季節性インフルエンザの流行の見通し
・2022 年 10 月から 2023 年 3 月の半年間に新たな COVID-19 の流行拡大と、季節性インフルエンザの流行が発生する可能性は極めて高い。
一方で、その流行の立ち上がりの時期と持続期間、流行規模、医療負荷の程度については、事前情報が不足していることから、現時点でそれを定量的に予測することは困難。
表1.COVID-19 の 2022 年 10 月から半年間の見通し


”新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの流行に関する短期的な見通しと暫定的リスク評価:2022 年 10 月5日時点”
押谷仁、鈴木基、西浦博、脇田隆字
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000997766.pdf
で、コロナとインフルエンザの今冬の流行について論じています。
ポイントを紹介してみます。
1. 新型コロナウイルス感染症について
見通しに影響する要因
:新規変異ウイルス
:人口の免疫保有状態
:ワクチンと治療薬
2. 季節性インフルエンザについて
2-1.直近の流行状況について
・国内発生動向は 2020 年 3 月以降、極めて低調
・2021 年に流行を認めなかった南半球のオーストラリアやニュージーランドにおいて、2022 年に季節性インフルエンザの流行を認めた。
流行のレベルとしては、陽性者や入院者の報告数はCOVID-19 のパンデミック前と同等またはそれに近い程度
2-2. 過去2シーズンに季節性インフルエンザの流行が低調であった理由について
・2020 年初頭以降、国際的に新型コロナの流行対策を目的として、強力な行動制限・移動制限が行われ、これが概ね 2021 年末まで続けられた。
接触削減は季節性インフルエンザの流行を抑制することに直接的に寄与し、移動制限は季節性インフルエンザが流行地域からより伝播条件のよい他地域へと移りながら拡大することを防いだ。
2-3. 2022-23 冬期シーズンの見通しに影響する要因
①諸外国でのインフルエンザ流行と国際的な人の移動の回復
②国内における接触機会の回復
③人口の抗体保有状況
・過去2シーズンの流行が低調であったことで自然感染により免疫を獲得した人の割合が COVID-19 の流行前に比べて低くなっている。
④ワクチンの接種率とワクチン株と流行株の抗原性の一致
・ワクチン接種率がどの程度になるか、ワクチン株と流行株の抗原性がマッチするかは、過去シーズンと同様に季節性インフルエンザの疾病負荷を規定する。
3. 2022 年冬期の COVID-19 と季節性インフルエンザの流行の見通し
・2022 年 10 月から 2023 年 3 月の半年間に新たな COVID-19 の流行拡大と、季節性インフルエンザの流行が発生する可能性は極めて高い。
一方で、その流行の立ち上がりの時期と持続期間、流行規模、医療負荷の程度については、事前情報が不足していることから、現時点でそれを定量的に予測することは困難。
表1.COVID-19 の 2022 年 10 月から半年間の見通し




表2.季節性インフルエンザの 2022 年 10 月から半年間の見通し






4.公衆衛生的対応について
以上のシナリオ分析に基づいて、2022 年冬期シーズンに向けて以下の対応が求められる。
・インフルエンザワクチンと 2 価新型コロナワクチンの高い接種率の実現
・全国医療機関で COVID-19 とインフルエンザを診断・治療できる体制の整備
・COVID-19 とインフルエンザの同時流行に備えた重症例の病床確保
・定点把握を含むサーベイランス体制の再確認
定量的な推計は示していませんが、課題は多く時間は限られています。
両疾病で身動きができない状況は避けなければなりません。
以上のシナリオ分析に基づいて、2022 年冬期シーズンに向けて以下の対応が求められる。
・インフルエンザワクチンと 2 価新型コロナワクチンの高い接種率の実現
・全国医療機関で COVID-19 とインフルエンザを診断・治療できる体制の整備
・COVID-19 とインフルエンザの同時流行に備えた重症例の病床確保
・定点把握を含むサーベイランス体制の再確認
定量的な推計は示していませんが、課題は多く時間は限られています。
両疾病で身動きができない状況は避けなければなりません。