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インフルとの比較ーー位置づけ見直し議論に関連して

2022-12-15 | 健康
新型コロナの感染法上の見直しの議論が活発化しています。

14日の国のアドバイザリーボードでは、委員4名からの資料が公表されています。

★新型コロナウイルス感染症の特徴と中・長期的リスクの考え方
 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード
  押谷先生・鈴木先生・西浦先生・脇田先生提出 (12 月 14 日)
 資料3-11-①
 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001024262.pdf
 資料3-11-②       <図2~4>
 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001024263.pdf



要約版のポイントを紹介すると以下のとおり。

・疫学・病態など多くの点で COVID-19 と季節性インフルエンザには大きな違いが存在

・国内では COVID-19 と季節性インフルエンザの評価を致死率・重症化率でのみ比較されている場合が多いが、これは疾患としての重症度の一側面のみを評価するものであり、リスクの評価としては不十分

・COVID-19 の伝播性が高いことに加え、ワクチンや自然感染で獲得した免疫も減弱することと、変異株は免疫逃避の程度も高いことから疫学的には季節性インフルエンザとは異なる特徴を持つ感染症

・COVID-19 の重症度は、発生初期と比較して低下。
 :一方、・・ 2021 年以降超過死亡が増加しており、循環器系の合併症を含めた超過死亡の要因を解明する必要
 :また、罹患後症状の問題も COVID-19 のリスクの評価の際には考慮すべき
 :COVID-19 と季節性インフルエンザの致死率や重症化率を比較するさまざまなデータが示されているが、ほとんどの場合異なる方法で集められたものであり、直接比較することは困難であり、現在示されているデータの解釈には留意が必要

・救急搬送困難事案の増加など COVID-19 による直接の医療負荷だけではなく、一般医療への負荷 :罹患や罹患後症状による欠勤者が増え、社会機能維持に支障が生じるリスクも存在
:一方で、感染症法に基づく公衆衛生対応(行動制限)を継続することによる社会や経済に対するインパクトも発生している点には留意が必要
 




致死率や重症化率のほか、超過死亡や後遺症、医療機関の診療体制への負荷について指摘をしています。


さらに議論が深まることを期待しますが、コロナを巡る医療機関の十分な対応が分類見直しで実現できるかについての指摘が現場の医師から出ていますので、紹介します。


第8波で医療機関の機能麻痺再び、院内はいつまで「ゼロコロナ」?
https://news.yahoo.co.jp/articles/d9198934410d68bf9cc6f781631ca0ba431f2a18?page=3

”現時点でコロナ患者を診療していない医療機関が、感染症法上の位置付けが見直されるだけで診療可能となるのであれば、これほど喜ばしいことはない。だが、物事はそれほど単純ではない。”

”コロナに感染し、医療を必要としているにもかかわらず、医療機関にアクセスすることができないーー。そのような事例が増えることにつながらないよう、丁寧な議論が行われることを祈っている。”

”「これだけ社会で感染が蔓延すれば、病院内で感染が広がることも一定程度は仕方がない。重症化する人が出なければ大きな問題はない」という考えに基づき、何よりも医療提供体制のキャパシティーを維持することを優先し、コロナの院内感染を今より許容してもらえるのであれば、少しは医療現場もコロナへの対応が容易になるのではないだろうか。”

上記は、埼玉医科大学総合医療センターでコロナ治療に当たる岡秀昭氏が、2022年12月13日に医療従事者向け情報サイトm3.comに寄稿したものの一部です。

課題は多いのですが、一歩づつ前へ進んでほしいですね。