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コロナ対策の現状と今後?

2022-12-30 | 健康
コロナの類型見直しが議論されています。

◎新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(12月7日)  資料4

『新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけ及び判断に当たっての考慮要素について』

によれば、

【判断に当たっての考慮要素】
以下の考慮要素を踏まえ、「新型インフルエンザ等感染症」の定義※への該当性を総合的に判断。

 ※当該感染症の全国的かつ急速なまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるもの

○ 病原性(重篤性)
オミクロン株においても季節性インフルエンザよりも致死率が高いとされているが、累積患者数の増加、ワクチン接種の進展、治療薬の普及などを踏まえ、現時点における病原性についてどのように考えるか

○ 感染力
オミクロン株は感染力が強いとされているが、累積患者数の増加等を踏まえて、現時点における感染力についてどのように考えるか⇒上記による「国民への影響」をどのように考えるか

○ 今後の変異の可能性
直近では抗原性の変異が主体となっているが、病原性が大きく上がるような変異の可能性についてどのように考えるか

○ 上記のほか、判断にあたって留意すべき点
病原性(重篤性)と感染力を踏まえ、どのように医療で受け止めていくことが考えられるか

と論点を指摘しています。

◎忽那教授の最近の記事

『オミクロンは世界をどう変えた? コロナは風邪になった? 2022年振り返りと今後の展望  #日本のモヤモヤ』
 忽那賢志 12/28
  https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20221228-00329722

では、コロナの現状と今後などについて整理しています。

1)感染者の規模は大幅に増加

・オミクロン株は、またたく間に世界中に広がり・・・特に2022年1月には、世界における1週間当たりの新規感染者数が2000万人を超える


・日本でも、2022年11月に行われたN抗体(感染した人にみられる抗体)の陽性率は26.5%となっており、この1年間で約4人に1人がオミクロン株に感染
 

広がった理由
①人から人にうつる間隔が短い(従来のウイルスの5日から2日に短縮)
②過去に感染した人、ワクチンを接種した人にも感染しうる(免疫逃避)

2)重症度は低下しインフルエンザと同程度に

・海外の研究では、デルタ株と比較するとオミクロン株の入院リスクは3分の1、と報告・・これはウイルスの病原性が低くなったというよりも、これまで以上にワクチン接種者や過去に感染したことのある人の感染が増えたことで、全体として重症化する人の割合が下がったもの


3)2022年の死亡者数は過去最大に

・感染者数の規模が爆発的に大きくなってしまったことから、結果として新型コロナで亡くなられる方の数はむしろ増


・少なくとも季節性インフルエンザによって、これほど多くの人が亡くなることはない

4)「コロナは風邪になった」と言えるのか?

・オミクロン株になり重症度が下がり、一人ひとりにとっては以前ほど恐れるべき感染症でなくなってきたことは事実

一方で、

 ・1年間に3万人以上が亡くなっている(インフルエンザは年間数百〜数千人)

 ・1年間に何度も流行を起こす(インフルエンザは冬に流行する)

 ・一定の割合で後遺症がみられる(インフルエンザでは稀)

・といった点からは、現時点では風邪やインフルエンザと同等に考えることは難しいでしょう。
・また医療に与える負荷も風邪やインフルエンザとは比較になりません。

5)海外のように既感染者が増えたらコロナは終わるのか?

・イギリスのN抗体陽性率は80%を超えており、国民の5人に4人が新型コロナに感染
・イギリスと日本における人口あたりの新型コロナによる死亡者数は、およそ8倍であり、イギリスの方が日本よりも多大な被害


・軟着陸のためには、高いワクチン接種率によって感染者・重症者・死亡者を抑えること、流行期には基本的な感染対策をしっかりと行うことで流行の規模が大きくなり過ぎないようにすること、がおそらく最も安全な方向性ではないか

6)オミクロン株が最後の変異株ではないかもしれない

・次の変異株が出現したらまた一気に感染者が増える可能性


そして、

・「高いワクチン接種率によって感染者・重症者・死亡者を抑えること」「流行期には基本的な感染対策をしっかりと行うことで流行の規模が大きくなり過ぎないようにすること」が重要

・流行状況に合わせた強弱をつけていく時期

・感染対策の緩和は「感染対策を何もしなくて良い」ということではなく、ワクチン接種などの必要な対策を十分に行った上で進めていくことが前提

と強調しています。


やはり、現状を認識する冷静な判断力と今後を見通す洞察力が求められていると考えます。