テキスト主体

懐中電灯と双眼鏡と写真機を
テキスト主体で語ろうとする
(当然、その他についても、語ったりする)

厳冬期の登山

2013-01-07 23:56:13 | Outdoor
今シーズンは冬山での遭難が、例年より目立つように思います。
まぁ、何を好きこのんで、この寒いのに山に登るか、と問われれば、答えようがないというか、皆さんそれなりに理由はあるのですが、なかなか他人には説明しにくいモノである場合が多いのです。
私の場合は、風の音、そして風が止んだときに、数百m先の、枝がはぜる音さえ聞こえてくるような、雪夜のしずけさが好きでした。風裏でしかも雪崩の心配のないところを探すのは結構難しいのですが、染み入る寒さとともに静けさと打ち解けるような夜は、人の住む町では得られない、稀有なひとときです。
当然、その頃は、使い捨てカイロもまだ2成分分離型のアルミパック式が出始めた頃なので、テントの中では自分の体温が頼りです。

数年前、久しぶりに会ったヤマトモと往時の寒さについて話してたとき、そいつが自慢げに見せびらかせてくれたのが、これです。

ナショナルのガス式(触媒燃焼)温熱ベスト。
もうディスコンの商品ですが、ガスカートリッジがまだ売ってたり、あるいは他のガスを充填したりして使えるらしく、曰く、とてつもなくぬくいそうです。こっちは、なんか白けた気分になりましたが、微かに羨ましかった記憶があります。体力的に問題ない場合は、自分の体温と血行でなんとか酷寒に耐えることが出来ても、遭難一歩手前のような極限状況下では、こういった文明の利器もアリかなぁと。
でも、高度2000m以上では異常燃焼の恐れがあるので、比較的低山でしか使えないらしいのは残念。