テキスト主体

懐中電灯と双眼鏡と写真機を
テキスト主体で語ろうとする
(当然、その他についても、語ったりする)

絶滅危惧種としてのコメットハンター

2013-01-15 22:33:06 | 双眼鏡 望遠鏡
私が初めて天体に興味を持った頃は、彗星の発見者は天文界の寵児で、人名の冠された彗星達に憧れを感じていたものです。イケヤ・セキ、マックホルツ、ブラッドフィールド、シューメイカー、などの著名人、また、日本人は本田実をはじめとして、そのこだわりの探求心と几帳面さからか、一時期黄金時代を築くほど、数々のアマチュア天文観測者がコメットハンターとして活躍していました。
20世紀末にアメリカでLINER(リンカーン地球近傍小惑星探査)がスタートし、高性能なCCDを備えた大口径望遠鏡が、自動的に星空を走査し、小惑星を含む地球近傍天体を渉猟し尽くしてしまい(自動追尾長時間露出した星野写真では他の星々と動きの異なる彗星は目立つ)、さらにはSOHO(ラグランジュ点に固定された太陽・太陽圏観測衛星)のLASCO(広角分光コロナグラフ)やSWAN(太陽風観測カメラ)にて、地球からは観測できない彗星も含め多数が発見されるようになり、もはや、北半球のコメットハンターは、ほぼ実績を上げられず、オーストラリアのロバート・マックノートなど、限られた方達しか居なくなってしまいました。

でも最近知ったのですが、まだ日本でも、大口径のドブソニアン望遠鏡や大口径双眼鏡を駆使して、丹念に彗星を追い続けている方が少数ながらおられます。


または、公開されているSOHOの観測画像を丹念にチェックして、微かなしみにしか見えない対象を、撮影時期の違う画像などと詳細にチェックしながら彗星をはじめとする新天体を発見されている違った形のコメットハンターも存在します。

後者はともかく、前者の絶滅危惧種と云ってもいい眼視でのコメットハンターの方には、最近、ちょっと条件が悪いからとか、眠たいからとか、寒いからとか、星空観望を短時間で切り上げてしまいがちな私からすれば、感嘆せざるを得ないのです。