何度も同じ双眼鏡について記事にするのは、ちょっと躊躇するトコロではあるのですが、今日、久しぶりにSW-550、SW-525を一緒に持ち出して、置きっぱなしの双眼鏡、一二三光学さんの10x50BCF、そしてパピリオ君ととっかえひっかえ覗き較べしてきました。
前回までの記事のおさらいになりますが、SW-525とSW-550の見え具合の差異はかなり小さく、要素によっては個体差の方が影響が大きいトコロもあります。ただ、対物レンズ及び、鏡筒内にホコリが入らないよう、カバーレンズで覆われているSW-550は、筐体自身の変更もあり、SW-525より重くなっている事は間違い有りませんし、実際、アイカップの無い両機を、親指と人差し指をアイカップ代わりにして保持する場合、SW-550のほうがフロントヘビーでずっと重く感じます。これは数分間覗いていれば誰でも感じるレベルでしょう。
また、拙ブログでも言及し、Web上の様々な情報ソースでも、品質上の不具合が報告されていますが、少なくとも、日本のメーカー、販売業者では、万一不具合が有った場合でもきちんと対応してくれるはずですし、ヨドバシなどでは店頭在庫もあるようなので、購入時に実機を確認する事も出来ると思います。個人的な経験から云うと、この双眼鏡、対物レンズ群がインナーの鏡筒と一緒に前後してピントを合わせるようになっているのですが、その移動範囲が個体によって違うモノがあり、最短合焦距離が3~4mのモノや、1.5~2mのものなどがありました。またそのような明らかな組立ミス以外にも、不注意や確認不足のモノもありましたので、SW-550を入手しようと思っている方は、実機を確認して購入されることをお勧めいたします。

両機の比較 左のSW-550ではカバーガラス内のテーパー部分に刻まれている多重同心円状のリブに汚れがついたまま コレは私の見た4台全て同様。SW-525は綺麗ですが、これは購入された方のお手入れによるものかもしれません、実際、緩くて使いモノにならないと悪評だった対物キャップを別のポリキャップに換え、取付穴も別の双眼鏡の陣笠を浅いネジ穴に合わせて加工してスマートに塞がれています。

両機の顔つき 上のSW-525(フルマルチコート)下のSW-550(対物、接眼マルチコート)とはいうものの525は前玉の裏、550は前玉の表がモノコートに見える(しかも前玉の裏がマルチっぽい謎仕様、組立ミス? カバーガラスは両面マルチのよう)。低価格双眼鏡ではコーティングの差が明るさを大きく左右するため、マルチコートの謳い文句が様々に使われているが、その典型のよう。
覗いてみて、広大な視野内に目につく瑕疵はないか、合焦機構など可動部の確認等をされることをお勧めいたします。また旧記事宛のコメントで紹介頂きましたサイトロン社製の同型機は扱いが趣味人(シュミット)という良心的なお店なので、そちらを選ぶのも良いかもしれません。
さて、SW-525、SW-550の見較べが終わった後は、他の双眼鏡を取り出します。
この両機を覗いた後、10×50BCFを覗くと、かなり違和感があります。それなりに広視界な双眼鏡ではあるのですが、倍率の違いによる実視野の差異が、違和感の要因です。明るさは10×50BCFの圧勝、コントラストや平坦性も然り。ただ5倍の双眼鏡をずっと覗いていた後に10倍機を覗くと、その手ぶれのし易さにも驚きます。常日頃、星見に10倍機を使うときは、ある程度まで手ぶれを気にせず使えているのですが、しばらく5倍機を使ったあとでは勝手が違うようです。パピリオ君は、倍率こそSW両機に近めですが流石に視野角の違いは如実に分かり、両機から覗き換えた瞬間は、暗っ、狭っ、と感じますが、コントラストの良さと歪曲の少なさが、視野内を整えて見せ、徐々に狭さを感じなくさせます。
やはり、SW両機の最大の魅力は、その広大な視界です。人の目が何かを注視したとき、鮮明に見えている範囲はおもいのほか狭いモノですが、それでもその周囲が一般的な双眼鏡のように黒い、のと、SW両機のように注視対象の周辺情景があるのとでは、臨場感が全然違います。加えてこの両機はヒトが視線を動かさずに鮮明に見えている範囲にほぼピントが合い、低倍故の見易さとそこそこの解像感もあります。アイポイントの決まりにくさも持ち方構え方に慣れることにより、ある程度素早く安定させることも出来ます。
現在、昨年の発売当初より価格も下がってきてます。ミザールさんのほうでも、不具合報告に対して、何らかの対策、改善努力を考慮されているようです。実際ごく普通の品質が維持されていれば(スカな組立工じゃなければ)十分に魅力的な製品です。
人柱承知で入手し、一旦は見事に埋まってしまいましたが、啓蟄を先取りするように這いずり出てきましたので、ぜひともこのSW-550がSW-525の前轍を踏むことがないよう期待したいと思います。
前回までの記事のおさらいになりますが、SW-525とSW-550の見え具合の差異はかなり小さく、要素によっては個体差の方が影響が大きいトコロもあります。ただ、対物レンズ及び、鏡筒内にホコリが入らないよう、カバーレンズで覆われているSW-550は、筐体自身の変更もあり、SW-525より重くなっている事は間違い有りませんし、実際、アイカップの無い両機を、親指と人差し指をアイカップ代わりにして保持する場合、SW-550のほうがフロントヘビーでずっと重く感じます。これは数分間覗いていれば誰でも感じるレベルでしょう。
また、拙ブログでも言及し、Web上の様々な情報ソースでも、品質上の不具合が報告されていますが、少なくとも、日本のメーカー、販売業者では、万一不具合が有った場合でもきちんと対応してくれるはずですし、ヨドバシなどでは店頭在庫もあるようなので、購入時に実機を確認する事も出来ると思います。個人的な経験から云うと、この双眼鏡、対物レンズ群がインナーの鏡筒と一緒に前後してピントを合わせるようになっているのですが、その移動範囲が個体によって違うモノがあり、最短合焦距離が3~4mのモノや、1.5~2mのものなどがありました。またそのような明らかな組立ミス以外にも、不注意や確認不足のモノもありましたので、SW-550を入手しようと思っている方は、実機を確認して購入されることをお勧めいたします。

両機の比較 左のSW-550ではカバーガラス内のテーパー部分に刻まれている多重同心円状のリブに汚れがついたまま コレは私の見た4台全て同様。SW-525は綺麗ですが、これは購入された方のお手入れによるものかもしれません、実際、緩くて使いモノにならないと悪評だった対物キャップを別のポリキャップに換え、取付穴も別の双眼鏡の陣笠を浅いネジ穴に合わせて加工してスマートに塞がれています。

両機の顔つき 上のSW-525(フルマルチコート)下のSW-550(対物、接眼マルチコート)とはいうものの525は前玉の裏、550は前玉の表がモノコートに見える(しかも前玉の裏がマルチっぽい謎仕様、組立ミス? カバーガラスは両面マルチのよう)。低価格双眼鏡ではコーティングの差が明るさを大きく左右するため、マルチコートの謳い文句が様々に使われているが、その典型のよう。
覗いてみて、広大な視野内に目につく瑕疵はないか、合焦機構など可動部の確認等をされることをお勧めいたします。また旧記事宛のコメントで紹介頂きましたサイトロン社製の同型機は扱いが趣味人(シュミット)という良心的なお店なので、そちらを選ぶのも良いかもしれません。
さて、SW-525、SW-550の見較べが終わった後は、他の双眼鏡を取り出します。
この両機を覗いた後、10×50BCFを覗くと、かなり違和感があります。それなりに広視界な双眼鏡ではあるのですが、倍率の違いによる実視野の差異が、違和感の要因です。明るさは10×50BCFの圧勝、コントラストや平坦性も然り。ただ5倍の双眼鏡をずっと覗いていた後に10倍機を覗くと、その手ぶれのし易さにも驚きます。常日頃、星見に10倍機を使うときは、ある程度まで手ぶれを気にせず使えているのですが、しばらく5倍機を使ったあとでは勝手が違うようです。パピリオ君は、倍率こそSW両機に近めですが流石に視野角の違いは如実に分かり、両機から覗き換えた瞬間は、暗っ、狭っ、と感じますが、コントラストの良さと歪曲の少なさが、視野内を整えて見せ、徐々に狭さを感じなくさせます。
やはり、SW両機の最大の魅力は、その広大な視界です。人の目が何かを注視したとき、鮮明に見えている範囲はおもいのほか狭いモノですが、それでもその周囲が一般的な双眼鏡のように黒い、のと、SW両機のように注視対象の周辺情景があるのとでは、臨場感が全然違います。加えてこの両機はヒトが視線を動かさずに鮮明に見えている範囲にほぼピントが合い、低倍故の見易さとそこそこの解像感もあります。アイポイントの決まりにくさも持ち方構え方に慣れることにより、ある程度素早く安定させることも出来ます。
現在、昨年の発売当初より価格も下がってきてます。ミザールさんのほうでも、不具合報告に対して、何らかの対策、改善努力を考慮されているようです。実際ごく普通の品質が維持されていれば(スカな組立工じゃなければ)十分に魅力的な製品です。
人柱承知で入手し、一旦は見事に埋まってしまいましたが、啓蟄を先取りするように這いずり出てきましたので、ぜひともこのSW-550がSW-525の前轍を踏むことがないよう期待したいと思います。