テキスト主体

懐中電灯と双眼鏡と写真機を
テキスト主体で語ろうとする
(当然、その他についても、語ったりする)

トヨビュー 4×5

2013-01-16 22:24:39 | 写真機 画像
スタジオに於ける撮影については、大判の暗箱カメラを使いこなせてこそ一人前だと云えます。以前書いたように、リンホフ、ジナーと舶来大判カメラが当然のごとく王道なのですが、残念ながら数えるほどしか触ったことがなく、もっぱら国産のトヨビュー4×5(しのご)ばかり使ってました。
ビューカメラの撮像の特徴を私なりの言葉で言うと、目で見るより精確に対象を捉える虚構的なカメラ、となります。
それは単にフィルムの大きさだけでなく、ビューカメラ独特のライズ、スイング、チルト、シフトを利用して様々なことが出来るからです。
35mmカメラをはじめとする一般的なカメラで、四角い物体を撮した場合、どうやってもその四角が微妙に歪むのは避けられません。玉(レンズ)の中心とフィルムの中心、フィルムの端の距離が異なることにより、歪み(パースペクティブ)、フォーカスのズレが生じます。
ビューカメラでは被写体に応じて、玉の中心を移動させることでパースを補正し、玉の中心軸を傾けることで、遠近両方にフォーカスを合わせることが出来ます。
もともと眼球のように、進化した画像認識機構は、レンズの焦点距離に応じた半球状の撮像膜(網膜)を持つことで、レンズの特徴たる焦点位置での結像を、歪み無く認識出来るようになっています。ところが銀板の時代から、現在の最新CCDに至るまで、人工の撮像膜は、頑なに平面を維持してきました。当然、鑑賞されるのが平面のプリント、モニタである限り、その手法は正しいのですが、それがために、目で捉える時よりも、平面で撮像された画像は、より歪んで見えることになるのです。大げさに言えば、三次元の世界を二次元に投射する際の損失とでもいうのでしょうか、ビューカメラは、そこに、三次元的な傾きやズラシを加えることで補正し、地上から見上げた建築物がきちんと方形に写り、手前から奥まで焦点の合った像を得られます。
結構体系的に憶えないと難しいのですが、ある程度慣れて、被写界深度と絞り、遠近感、イメージサークルの関係が理解できてくると、対象に仮想平面(撮したい面)を想定し、玉とフィルムの角度と位置関係が感覚的に分かるようになってきます。
実際、デジタルバックを装備した、デジタルビューカメラは、そういった技法を学ぶのに最適だと思うのですが、デジタルバックが高すぎます。大判フィルムに必須の暗室での装填作業を省けるのは大変魅力なのに。

絶滅危惧種としてのコメットハンター

2013-01-15 22:33:06 | 双眼鏡 望遠鏡
私が初めて天体に興味を持った頃は、彗星の発見者は天文界の寵児で、人名の冠された彗星達に憧れを感じていたものです。イケヤ・セキ、マックホルツ、ブラッドフィールド、シューメイカー、などの著名人、また、日本人は本田実をはじめとして、そのこだわりの探求心と几帳面さからか、一時期黄金時代を築くほど、数々のアマチュア天文観測者がコメットハンターとして活躍していました。
20世紀末にアメリカでLINER(リンカーン地球近傍小惑星探査)がスタートし、高性能なCCDを備えた大口径望遠鏡が、自動的に星空を走査し、小惑星を含む地球近傍天体を渉猟し尽くしてしまい(自動追尾長時間露出した星野写真では他の星々と動きの異なる彗星は目立つ)、さらにはSOHO(ラグランジュ点に固定された太陽・太陽圏観測衛星)のLASCO(広角分光コロナグラフ)やSWAN(太陽風観測カメラ)にて、地球からは観測できない彗星も含め多数が発見されるようになり、もはや、北半球のコメットハンターは、ほぼ実績を上げられず、オーストラリアのロバート・マックノートなど、限られた方達しか居なくなってしまいました。

でも最近知ったのですが、まだ日本でも、大口径のドブソニアン望遠鏡や大口径双眼鏡を駆使して、丹念に彗星を追い続けている方が少数ながらおられます。


または、公開されているSOHOの観測画像を丹念にチェックして、微かなしみにしか見えない対象を、撮影時期の違う画像などと詳細にチェックしながら彗星をはじめとする新天体を発見されている違った形のコメットハンターも存在します。

後者はともかく、前者の絶滅危惧種と云ってもいい眼視でのコメットハンターの方には、最近、ちょっと条件が悪いからとか、眠たいからとか、寒いからとか、星空観望を短時間で切り上げてしまいがちな私からすれば、感嘆せざるを得ないのです。

マイナー化する高品質高性能

2013-01-14 18:29:24 | 写真機 画像
レンズ交換式デジタルカメラにおいて、キヤノンがあれほど否定してたミラーレスに参入、同じく後発気味だったニコンも、ここに来て、次々と新機種を投入と、従来のミラーとペンタプリズムで光学ファインダーをもつデジタル一眼レフ(DSLR)が、衰退しつつあります。家電量販店などを見る限り、明らかに遷移点は過ぎていて、DSLRは、販売台数において、もはや衰退の一途を辿っています。
かつて、耳で享受する音楽のための再生機において、重厚長大から軽薄短小へと変遷し、音質がないがしろにされた機器が氾濫し、とうとう高音質なデバイスすら絶滅した状況を思いだします。ポータブルCDプレーヤーやDATは、小さくなりきれないが故にほぼ姿を消し、iPODのような低音質の製品にうまくすり替わられました。背景には、音源(ソース)の軽薄短小化などもあるとは云え、何よりも、優れた音楽鑑賞の経験がないことが大きな要因だと思っています。ウチの家人も以前はシャッフルやナノなど、iPOD主体に使っていましたが、実際のコンサートに行くようになって、私のお下がりのgigabeatTばかり使っています。
目で享受する写真や画像においても、同様だと思います。明るく広いファインダーをないがしろにして、覗き小窓のようなDSLRばかり作って、全切のプリントなんかとんでもない、塗り絵のような画質の画像では、本質を大事にした製品の需要など伸びていくはずもないのです。結構昔からのクセでカメラの製品パンフを貰ってくるのですが、ここ10年ほどのパンフを時系列で眺めていると、大仰な宣伝文句や高性能を順に謳うその積み重ねは、一体何なのだろうと嘆息してしまうのです。

冬のとろみ

2013-01-13 23:22:55 | Outdoor
冬に調理をする場合、よく使うのが片栗粉。
その昔、アウトドアで調理する際、汁物や煮物には必ず多めに使ってました。
要はとろみを付けるためで、とろみにより、対流が起きにくく冷めにくいのと、傾けたりしても一気に溢れにくいのが便利で、片栗粉入りボトルは必需品でした。
コッヘルを使わない、沸騰させられない料理には使いにくいのですが、長時間煮込まなくてもスープやダシの味を具に絡めやすくなりますし、外気に晒されて食べるアウトドアでは、冷めにくいのは何より有り難いのです。
ソロテントの小さな前室でとろ~りとした熱いスープを作り、居室に持ち込んで暖かさに浸るのは、醍醐味です。

家庭でも、暖まりたいときには、インスタントスープであっても、電子レンジで最後に加熱して、とろみを付けることがあります。また、汁物や鍋料理の締めなどにも、水溶き片栗粉にさらに溶き卵を加えて、混ぜ込みながら加熱すると、ふわとろっとした、暖かい食感の食べ物になります。とろり感が苦手と云う人にでも、冷めにくいのは利点です、お試し下さい。

ポップな自堕落

2013-01-12 23:56:18 | 本、小説、漫画、動画、映画、音楽等
うーさーのその日暮らしという、コミック、アニメがあります。
謎の肉食ウサギ型多弁生物のアレな日常を描いた作品です。
タイツとニーソとストッキングとナマ足、どれを選ぶか夢で悩んでいるような邪悪な欲求に身を焦がす破綻っぷりですが、立場も実力も弱そうなので、不思議と憎めません。上記のマスト4アイテムの取捨選択に対して、カルビとロースとハラミとごはんを比喩とするあたりも、ユング的なリビドーを彷彿とさせます。”りん”と”れん”という女の子のキャラクター含め、ファンシーな文具キャラにもなりそうなロリポップさなのですが、キレンジャーのカレー好きがネタにされてるようなオッサン臭さ、三度の飯より二度寝が好きという三年寝太郎っぽさ、成り上がりを夢見てばかり居る小物臭、混沌としています。
また、期間限定でニコニコ動画にアニメ全12話が無料公開(単品は有料だった)されています。



うーさーなぞなぞの一つですが、ネタばらしをすると、ケータイのカナ入力の順なのです。こういう感覚と、そこはかとないバタ臭さ、ポップなルックスのバランスが、心地よいのです。

携帯用ポンプ、エアボーンミニエアポンプ、ブラックバーンマンモス2ステージ

2013-01-11 12:54:36 | Outdoor
元々は二輪(バイク、チャリとも)に、結構、のめり込んでいました。

今でもチャリは何台かあって、欠かせないのがポンプ。
バイクにしろ、チャリにしろ、パンク修理は自分でするのが基本だと思ってますので、携帯用ポンプは色々渉猟してきました。
チャリには、チューブの空気バルブに3種類あります。
一般的な英式(ムシゴムを使う、バルブの構造は単純、空気圧が測りにくい)
スポーツ車に多い仏式(エアー調整がラク)
クルマと一緒の米式
がありますが、バイクとの共用を考慮して、米式バルブのタイヤチューブを選んでます。

使い捨てのCO2ボンベを使うモノがラクで良いのですが

サドルバッグに入れっぱなし、フレームに付けっぱなしにしてるのは以下のポンプ


この二つと、コレがミソなのですが延長アダプターホース

を付けています。
携帯ポンプ(正式にはインフレーターと云います)はバルブに直接セットして使うものが多いのですが、押す向きや姿勢が制約され、高圧の空気を入れるのにはツライので、このグランジアダプターが便利です。
敢えて云うなら、携帯ポンプは、使いたい自転車に応じて、どの製品を選んでも良くて、グランジアダプターが必須と思ってます。

ガチャ万コラ千

2013-01-10 23:54:13 | シロートの戯言
戦後まもなくのヤミ市で流通した被服業界の隆盛を象徴する言葉らしいのです。
「ガチャ」と織機を動かして、一万円儲け、「コラ」とヤミ摘発されそうなときは千円掴ませて大目に見て貰う。バイタリティ溢れる織機工場のさまを言い表すゴロの良い言葉です。違法性の高い生産活動なのですが、どこか牧歌的で、旧態依然とした官憲の対応を凌駕する製造現業のタフネスさを具現しているようなニュアンスがあります。マスプロダクツによる利潤が製造現場にきちんと還元できていた頃のお話しです。
半世紀が経ち、そんな強い生命力を持った製造業界は、稀有な時代になってしまいました。いくらいいモノを造っても、その利益は流通販売広告経費に吸収されてしまう構造です。経営者自身が、効率化とかコスト削減とかで製造現場の育成維持に重きを置かない姿勢になってきていますが、作業手順書やマニュアルの類のみで成り立つような製造現場だけでは、所詮3K職種としか認知されない、いわゆる低級職になっていまいがちです。
コンプライアンス遵守が声高に叫ばれ、かなりの時間的資源が注がれるのは、本末転倒のような気もするのです。なにも、悪辣な違法行為を助長しようというのではありませんが、低賃金な派遣社員が主体になって、製造現場の質の低下が、実害のある問題となってきている大きな趨勢と同様に深刻な問題だと思いますし、スマートに練成された現代のガチャ万コラ千スピリットが在ってもいいと思うのです

私信めいて恐縮です(新JIS/ISO見掛け視界計算用)

2013-01-09 18:00:50 | 双眼鏡 望遠鏡
知人に、双眼鏡に興味を持たれた方がおります。
倍率と実視界、見掛け視界、1000m先視野の計算を、エクセル等で簡単にできると以前に書きましたが、その表を下さいということなので、ちょい前のバージョンにあわせたファイルをその方にお渡しすることになりました。

単純な計算なのですが、毎回電卓叩くのも面倒なので、旧JIS見掛け視界(倍率×実視界)の機種と新JIS/ISO見掛け視界の機種との対照用に書いてあるものです。全く些末なものです。

とある場所に公開したそのURLですが、
http://whitedevil.s5.xrea.com/2013/BINOCAL.zip
となります。


説明するまでもないのですが、上の行は倍率と実視界から、下の行は倍率と1000m視野から見掛け視界などを計算するようになっています。
太枠セル以外には入力出来ないようになっています。

カノープス

2013-01-08 23:53:59 | 双眼鏡 望遠鏡
拙ブログでも以前紹介しましたが、カノープス、自作パソコン派の方には、かつてグラボやキャプボのメーカーとして馴染みのある語感かと思いますが、南のりゅうこつ座で輝く明るい星です、北半球、特に日本の緯度域では、見難い星として有名で、私が初めて意識してカノープスを肉眼で見たのが、丁度この時期でした。西南の海に面した高層住宅の9階ベランダより観望したのが、高校生の頃です。

その頃は、どちらかというと、この星を観ると長生きできるとか、謂われではなく、レア度に惹かれて何回となく見ようとして、やっと同定できたのでした。

本来なら、例えば南半球の空に昇るこの星は、全天でもシリウスに次いで2番目に明るい恒星で、白く輝く星らしいのですが、南中高度が2~3°(本州中部で)と水平線(もしくは地平線)からようやっと顔を出すような動きで、朝日、夕日と同様に、オレンジというか、赤っぽく見えてしまいます。
変光星ではないのですが、日本と同様の緯度域においては、地平、水平線の事物によっても、色や瞬きが違って見え、他の星々に比べて、アクティブなイメージがあります。

今夜は、先ほど南中を迎え、南に開けた山の斜面、南向きの沿岸、高いビルで、南の方角に障害物や光害の原因が無いところでは、割と見つけやすいのです。ただ、特に夏の時期は海岸の海面にごく近いところでは、海面からの水蒸気の影響で見えにくかった記憶があります。大体の南中時刻が判っていれば、上記のようなロケーションの場所を訪れるとき、真南の方角を見てみましょう。伝説が正しければ、長生きできるはずです。

厳冬期の登山

2013-01-07 23:56:13 | Outdoor
今シーズンは冬山での遭難が、例年より目立つように思います。
まぁ、何を好きこのんで、この寒いのに山に登るか、と問われれば、答えようがないというか、皆さんそれなりに理由はあるのですが、なかなか他人には説明しにくいモノである場合が多いのです。
私の場合は、風の音、そして風が止んだときに、数百m先の、枝がはぜる音さえ聞こえてくるような、雪夜のしずけさが好きでした。風裏でしかも雪崩の心配のないところを探すのは結構難しいのですが、染み入る寒さとともに静けさと打ち解けるような夜は、人の住む町では得られない、稀有なひとときです。
当然、その頃は、使い捨てカイロもまだ2成分分離型のアルミパック式が出始めた頃なので、テントの中では自分の体温が頼りです。

数年前、久しぶりに会ったヤマトモと往時の寒さについて話してたとき、そいつが自慢げに見せびらかせてくれたのが、これです。

ナショナルのガス式(触媒燃焼)温熱ベスト。
もうディスコンの商品ですが、ガスカートリッジがまだ売ってたり、あるいは他のガスを充填したりして使えるらしく、曰く、とてつもなくぬくいそうです。こっちは、なんか白けた気分になりましたが、微かに羨ましかった記憶があります。体力的に問題ない場合は、自分の体温と血行でなんとか酷寒に耐えることが出来ても、遭難一歩手前のような極限状況下では、こういった文明の利器もアリかなぁと。
でも、高度2000m以上では異常燃焼の恐れがあるので、比較的低山でしか使えないらしいのは残念。

賀詞交歓会

2013-01-06 19:15:42 | 日記
バブル期からしばらくの間、とある超高級ホテルで例年開かれる賀詞交歓会が楽しみでした。分不相応なほど格式高いロビー、広大な会場とお食事、コンパニオンも超一級で、舌と目を肥やして、一年の始まりとしていたものです。

景気が下降し、節約が奨励されるようになり、各企業の同様な催しが軒並み縮小され、ホテル群を巡り歩いていた賀詞交歓会も、せいぜい各企業の社内で行う、互礼会っぽいものばかりになり、また、場所も分散したため、一日のウチにあちこちまわる事なんて出来なくなり、よりひっそりとした感じです。
ただ、堅実な成長企業も一様にそういう状態になってしまったのには理由があります。キャッシュフローがいくらあっても、金融資産の不安定さ故、どの企業も、思い切ってキャッシュを使えない為です。当然R&Dにもキャッシュが回らなくなり、いまのデフレスパイラルの一因になっています。

今年は、秋頃までは、公共投資や金融、規制緩和中心に景気対策がかつて無い規模で行われることが予想されます。いきおい、金融資産も仮初めの安定感を見せるはずですので、その時期に有効なお金の使い方を出来るトコロが、来年の正月に笑うと思われます。シャープなどの例を挙げるまでもなく、現業が過剰にマーケットに振り回される構造が、緩和される好機です。

歯がゆい思いなしに、豪華な賀詞交歓会にて、歓談したいモノです。

60/40

2013-01-05 22:22:30 | 日記
基本、アウトドアウェアを着ることが多いのですが、いきおい、素材にはそれなりにこだわるようになります。
若かりし頃のように、年中いついかなる時でも野外活動する場合、雨対策にもっとも気を遣うので、冬季を中心にゴアテックスのマウンテンパーカで行動する事が多かったのでした。クルマが足になって、さほど雨にも気を遣わなくなり、軽めのジャケットで済ますようになりました。
写真のはLサイズらしいですが、パタゴニアの隠れた名品らしいソフトシェルキャプリーンジャケットのコンドルというカラー(ダークグレイ)のXLサイズを20年ちかく愛用しています。同じモノの色違いをフォックス・モルダーが着ていたことを思いだします。
閑話休題、記事タイトルの60/40というのはマウンテンパーカの元祖シエラデザインズがよく使っている、コットン60%ナイロン40%の素材で、登場から半世紀以上が経ちますが、その風合いの良さから、廃れることなく生産されています。私も、この素材の手触りと滑らかさが好きで、シビアな条件下ではともかく、多少の雨なら大丈夫な、この生地の軽快さに昔から馴染んできました。
で、出張にも使える、荷物としても収納して持ち運べる重さ薄さのコートを探していて、いろいろ逡巡した後、この60/40素材のステンカラーコートを見つけました。シエラデザインズのTacoma coat 2という製品です。

針金のハンガーでも充分なほど軽く、ナイロンほど安っぽくなく、コットンほどカジュアルでなく、ウールのデリケートさとはほど遠いタフさで、バッグの隙間に突っ込んでも大丈夫な、ニーズに沿ったその機能に満足しています。

勝間光学機械 WP8x30RC-D

2013-01-04 22:23:29 | 双眼鏡 望遠鏡
勝間光学さんの双眼鏡紹介、第三弾、WP8x30RC-Dを、お借りしていますので、持ち主の方にご了解頂いた上で、紹介させて頂きます。

現在、双眼鏡の倍率×口径の基準というか、中心値みたいなのが、8x30(or8x32)です。
各社とも汎用としてラインナップに欠くことの出来ない仕様で、ダハ、ポロ問わず、最も種類が多いと云えます。
それ故、古くから、名機、秀作、逸品に溢れ、現行機では、ポロのニコン8x32SE、ダハのツァイス8x32FLを筆頭にそれこそ高性能な製品が数多くあります。知人が投げ売り価格(3K)で買ったケンコーのウルトラビュー8x30ポロ(国産)でさえ、プラプラした材質を除けば、かなり良い見え味で、愛用されているようです。
そのなかで、勝間光学さんの8x30に興味を持たれる方というのは、他の仕様の製品に比べたら、おそらくは、よりコアな趣向をもたれている方だと思いますので、今回は同じ勝間さんのWP6x30SB-Dとの比較でお伝えしようと思っています。



まず、以前に勝間光学さんにお伺いした事ですがWP8x30RC-DとSS10x50SK-Dの接眼部は同一だそうです。

恐らくは、対物レンズ、プリズムはWP6x30SB-Dと同じっぽいので

一番上の写真は、2種の対物と接眼の組み合わせ展開という構成になっていると思われます。

覗いてみて、まず感じるのが、アイレリーフと瞳径の差、WP6x30SB-D(以下6x30)がアイレリーフ15mm瞳径5mm、WP8x30RC-D(以下8x30)が18mmと3.75mmです。実際はアイレリーフの長いはずの8x30が瞳の位置のシビアさ(ブラックアウトしやすさ)もあって、長いようには感じられず、さっと構えたときの覗きやすさは、6x30に分があります。
最短合焦距離は個人差があるとは思うのですが両機とも5m付近で充分合焦し、差異を感じません。合焦範囲の広さというか奥行きは、6x30の驚くほどの範囲に比べれば、8x30はやや狭いように感じますが、その差は、8x30の視界がより広く拡大されている為に合焦していない部分がよく分かるといった感じです。ちょうど窓の外に少し雪が舞い始め、遠近に降る雪のそれぞれのボケ具合と密度で、よく確認できました。
重さ、構えやすさは6x30の650gに対し8x30は760gと重いはずですが、良質なラバーコートのおかげか、8x30に僅かに分があります。特に手持ちでブレの少ない、両脇を締め、伸ばした小指から中指の腹でプリズム部分を捧げ持ち、人差し指と親指で接眼部を軽くつまんで親指を眼窩の下の頬骨部分に当てて安定させる持ち方では、8x30のほうがずっと保持しやすい感覚です。
肝心の見え味ですが、100mくらいまでは、コントラストやヌケにさしたる差異を感じませんが、300mからそれ以上になると、早朝の朝靄が抜けきっていない所為かもしれませんが、より6x30の視界がクリヤです。ただその差も倍率による差以上には感じられず、実際、夕刻になって、逆光っぽい条件では、どの距離に於いても差異は少なくなりました。
倍率の差は、手ブレのしやすさにも、遠方の見えやすさにも、色収差にも如実に表れています、が両機とも中央部の見え味はかなり良好です。遠方の航空機のシルエット、旅客機3機、小型セスナ1機をとっかえひっかえ追いましたが、8x30のほうが機影を捉えるのも、機影の判別(翼型など)にも優れています。視界内の歪曲収差は、遠近のビル群で確認しましたが、倍率なりで8x30のほうがきつめです。
見掛け視野の広さについては、公開されているスペックのうち、より有効桁数が細かい1000m視野と倍率で計算すると、6x30が1000mで148mなので、実視界8.46°、見掛け視界(新JIS、ISO)は47.9°、8x30が同じく139mなので実視界7.95°、見掛け視界58.1°と10°の差があり、それは倍率との相乗効果で、視界の迫力に差が出ます。ただし、よく云われるように8x30の周辺視野の画質低下は6x30のそれよりもやや大きく、特に最辺縁部はぼやけます。明るい環境下において、眼球のみを動かして、広い視界の最辺縁部を見ようとすると、私の場合では瞳がスイートスポットから外れてしまい、肉眼視野の明瞭域で8x30の辺縁部を見ることは殆どありません。双眼鏡を固定して、目をずらして辺縁部を見るようにすればその乱れ具合が分かりますが、手持ちで、対象を追う場合、周辺視野の悪さは殆ど気になりません。
実際に6x30と8x30をとっかえひっかえ見比べてみて、双眼鏡の視点を一点に固定して視野内を隅々まで見るような場合には6x30のほうが優れています、細密な風景画を見るようなイメージです。
手持ちであちこち鳥を追ったり、索敵したりするような場合、8x30のほうが優れています、何より大きく見え、連続して双眼鏡を振って(向きを変えて)いると、ブレも全く気になりません、中央に強いモチーフのある印象画を見る感じです。






アニメ、物語シリーズ(西尾維新)

2013-01-03 22:45:29 | 本、小説、漫画、動画、映画、音楽等
以前、西尾維新≒新井素子という趣旨で記事を書いたことがありますが、この三が日、暇にあかして、年末に放送していた猫物語まで、化物語、偽物語、とアニメ化三作を鑑賞しました。今さら感あふれるのは承知ですが、続けて見る事で、話の脈絡も分かりやすいですし、アニメ化過程での三作の違いも分かりました。ただ、やはり、八九寺真宵(小学生)、千石撫子(中二)、阿良々木月火(中二)、火憐(中三、歯磨きシーン)、そしてブラック羽川(猫耳銀髪下着姿)のキャラが動いているさまは、規制すれすれというか、放送していいんかい?と思うくらいにヤバくて、原作に通暁していないと、正視できないとすら思えるものでした。先日の記事ではないですが、完全に露出オーバーで、眩しい、見ててソワソワする情景で、そのような好みをお持ちの方で、見てないよ~という場合には、一見をお勧めします。

原作の過剰な掛け合い雑談は適度に間引かれていますので、ある意味、見やすいかとも思いますが、私は戦場ヶ原ひたぎ嬢(高三、ツンツン微かにデレ)推しなので、化物語以降、出番の少ないのが少々残念。また本来なら劇場版の傷物語が完成、公開されているはずでしたが、猫物語が先になったのは、ちょっと違和感があるとはいえ、却って羽川翼嬢(高三、ブラック羽川の母体)推しの方には、蕩れ(萌えの強意表現)要素が増したかもしれません。また先に述べた見やすさというのは、西尾維新の作品の特徴を削いでいるきらいはあります。

追記
アニメ 物語シリーズセカンドシーズンの追記欄に、2013 7月8月のY新聞のショート書き下ろしがあります。写真をクリックして下さい

コレクターの不憫

2013-01-02 23:17:55 | 双眼鏡 望遠鏡
敢えて記事カテゴリーを双眼鏡・望遠鏡にするまでもなかったのですが、今日、SS10x50SK-Dを覗いていたときに感じたコトなので、気の向くままに。

星空観望用として、愛機と云ってもいい勝間光学さんのSS10x50SK-D双眼鏡ですが、TPOによっては、他の双眼鏡と、とっかえひっかえ覗いてしまうのは、コレクターの端っことして当然の行動ではあるのです。ただ、もっと年端もいかなくて、自分の好きなアイテムを幾つも持てなかった頃に、一つしかないその道具に対して抱いていた愛着とは違う思いであることも事実なのです。

例えば、カメラにしても、最初に自分で一眼レフを手にしたときは、レンズも限られていて、もうそれこそ、そのレンズとボディーが手に馴染みきって、無意識に構えたポジションも、毎回寸分の違いもなく決まったものでした。
恐らくは、そのような時代の私に、いま持ってる双眼鏡のどれか一つでも与えたら、それこそ片時も離さず、寝るときですら枕元に置いて磨いたり、使うまでもなく耽溺するようにしげしげと眺めたり、それを使うためにわざわざどこかに行ったり、濃密に接していることでしょう。当然その特徴については知り尽くし、他の機種と見比べる機会があっても、自分のモノのほうが優れている部分が先に分かるような、身びいきっぽい見方になるでしょうし、徒に高価高性能な機種に焦がれることも少ないでしょう。
どのような種類のモノであれ、複数のモノを蒐集してしまうコレクターになってしまうと、時間と集中力の不足から、そういう一つの個体への、のめりこみかたの程度に於いて、不自由というか、制約が出来てしまうなぁと感じた次第です。贅沢が出来る不憫さとでも云ったらいいのでしょうか、一つのモノに執着できないワガママと云うのでしょうか。一台きりの双眼鏡から得ることの出来る満足感や喜びは、二台、あるいはそれ以上になっても、その台数が殖えた分だけ増すものではないと思うのです。