さて、昼の部なので終演は午後2時半。
外に出ると当然まだ明るいので、
もうひとつ何か見て帰ろうということで、
東京宝塚と同じ建物にある映画館に行き、
この映画を見てきました。
うちのダンナ様は村上春樹が大好きで、
我が家の本棚にはハードカバーと文庫で村上春樹作品がぎっしり。
ということで、気になっていた映画でした。
私もいくつか村上春樹は読んでいるのですが、
まずワタナベを演じる松山ケンイチが、
スクリーンの中で、村上春樹の小説の中に出てくる人物として存在していました。
抑揚がないけど、感情がないわけではない話し方。
中では静かに息づく感情があるけど、それに気づく人は本当に限られているような。
話し方だけではなくて、雰囲気というか、たたずまいというか。
そして菊池凜子が演じる直子。
心と体がばらばらになって、
今にも壊れてしまいそうな脆さが伝わってくる。
クリスタルのグラスのよう。
手が届きそうなほど薄いのに
入り込もうとすると硬質な冷たさで拒絶して、
壊れた時のかけらは自分も相手も傷つけるほどに鋭くて。
ダンナ様いわく「ノルウェイの森の世界を忠実に再現している」そうです。
だから、読んでいない人にはストーリーがつながらないかもしれないけど。
私も実はこの作品は1回しか通して読んでいなかったのですが、
もう一度読み直してみようかなと思いました。