那覇市でタクシーの運ちゃんに
その通りの名前を言えば、十中八九伝わる「電柱通り」。
どんどん新しい建物が建つ那覇市内で、
ここだけがタイムスリップしたように古い建物が多いところです。
その中でもなかなかどうして古株だった我が家。
建て直しが決まり、今週から取り壊しが始まっています。
私たち姉弟3人は、ものごころついたときから
一度も引っ越すことなく、ずーっとこの家で暮らしてきました。
2階建ての1階には母方の祖父母が住み、
祖母の妹が同居していた時期もある。
子供のころ、姉と私はおばあちゃんと一緒に寝ていたっけ。
庭にはゴーヤーの棚があって、子供でも手が届く高さに実っていた。
大きなみかんの木があって、夏にはセミが脱皮して、真っ白に輝いていた。
台風や大雨の時には、雨漏りもした。
34歳でこの家を出るまでの
楽しいことも、苦しいことも、悲しいことも、
ぜんぶ、この家で。
今までの私たちを創ってくれたこの家に、
心から、ありがとう。