先日、つくば植物園でようやく「オニシバリ(鬼縛り)」(Daphne pseudo-mezereum)の花に出会うことができました。
同じ仲間でよく似ていている「ナニワズ(難波津)」(Daphne jezoensis)の花は毎年見かけます。
ジンチョウゲ科:属の落葉小低木、不明瞭な雌雄異株
夏(7~8月)に落葉し、裸木になるので、両種とも別名「ナツボウズ(夏坊主)」と呼ばれます。
8~9月に枝の端から翌春の花と一緒に新しい葉が出る。
「オニシバリ」は日本(福島県以西の本州、四国、九州)、朝鮮半島、中国に分布
樹高は1.0~1.5mほど。花期は2~4月で、黄緑色の小さな花を葉腋に数個つける。
花弁はなく、萼筒が4裂に裂けたたもの。
葉は枝先に集まって互生し、倒披針形で長さ5~10㎝ほど。
果実は長さ約8㎜の液果をつけ、5~7月に赤熟する。辛味があり、有毒。
樹皮が丈夫で、鬼をも縛れるといういうのでこの名がある。
'210306 埼玉県花と緑の振興センター
一方の日本固有種の「ナニワズ」は、本州(福井県以東、福島県以北の日本海側)、北海道に分布。
別名:エゾナニワズ(蝦夷難波津)、エゾオニシバリ(蝦夷鬼縛り)
樹高は60㎝ほど、花期は3~4月で早い時は2月末に鮮やかな黄色い花(萼)を枝先に束生状に多数つけます。
花弁のように見えるのは萼で、萼片と萼筒はほぼ同長
葉先がナニワズの方が丸みがあり、長さ4~8㎝の倒披針形。葉巾はオニシバリより広い。
果実は8~9月に楕円形で長さ1cmほどの液果をつけ、初めは緑色をしていますが、後に赤橙色になります。
なお、ラベルが「黄花沈丁花(ナツボウズ、オニシバリ)」で販売されていることもあり、混乱があるようです。
因みにオニシバリの変種「チョウセンナニワズ」(Daphne koreana)は、葉は冬に落葉します。
日本(本州中部、四国)、朝鮮半島、中国、朝鮮半島に分布します。花期:3~4月
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