最近流行りの『フロントシングル』。
シクロクロスレースやMTBなど、ガチなシーンでの有効性がクローズアップされてきました。限られた走行シーン、スピードレンジ…どこか上級者のアイテムのような雰囲気が漂います。
しかし!それとは真逆のユルいツーリングでも十分に効果を発揮することがわかりました。
今回、約10年ぶりの輪行ツーリングを敢行。バイクはおなじみのVASSAGO・FISTICUFF。
本来のモンスタークロスからはかけ離れたロードツーリング仕様です(この状態で重量は約13㎏)。
フロントシングルで使用しているのは定番のウルフトゥース。PCD130㎜のクランクに合わせて38Tワイドナローチェーンリグを装着。
対して最近のロードに標準的についているのは50×34のクランク。
カセットは12-25あたりがついてくるのでしょうか?
単純に考えれば、『10段変速』VS『20段変速』
エライのは当然『20段変速』となるわけです……が、実際はそうでもなかったんです!
このサイトがとてもよくできているので参考にさせていただきます。
http://dirtjapan.com/modules/pico/content0003.html
今回のツーリングは数カ所の峠を含めて距離170㎞。走行中の平均速度は約26㎞/hでした。
走行ペースは平地で30㎞/前後。登坂で10~15㎞/前後くらいです。
決して速くはなく、かといって極端に遅くもなく…といったところでしょうか。おそらくこのくらいのペースでツーリング・ロングライドをされる方も多いのでは?
まずはロードの標準50×34tで考えてみましょう。
フロントをインナー34t、ケイデンスを80回転で当てはめてみると…
カセットの歯数それぞれの速度は
12t:28.5㎞/h 13t:26.3 14t:24.4 15t:22.8 16t:21.4 17t:20.1 19t:18.0
フロントをアウター50t、ケイデンスを同じく80回転とすると…
25t:20.1㎞/h 23t:21.9 21t:24.0 19t:26.5 17t:29.6 16t:31.4 15t:33.5
となります。
ロードライドであればちょっとした登りはアウターのままゴリゴリ踏んでいけばいいのですが、いろいろと荷物をつけて重い状態のツーリングバイクでは、登りはアウターのままゴリゴリ……なんて私のアシ程度ではそういきません。 登りではあっという間に20㎞/hを下回ってしまいます。するとアウター⇔インナーの変速が多発するわけです。
めんどくさがってアウターのまま踏んでいると後半に疲れが出てきますし、疲れが出ると余計に変速が面倒になってインナーのまま走り続けて駆動ロスを誘発。結果さらに疲れる……なんていう負のスパイラルにはまることも考えられます。
そこで今回使用したような『フロントシングル』にするとどうなるか?
フロントはPCD130クランク最小の38t。リアは12-30の10速です。
ケイデンスは同じく80とします。
12t:31.9㎞/h 13t:29.4 14t:27.3 15t:25.5 17t:22.5 19t:20.1 21t:18.2
24t:15.9 27t:14.2 30t:12.7
となります。
トップ側が少し足りないようにも思えますが、ケイデンスを100とすれば12t:39.8㎞/hまで伸びます。35㎞/hを超える状況はほぼ下りor追い風条件ですので、低負荷でクルクル足を回す状況です。
逆にロー側のギア比は34×25t=1.36に対して38×30t=1.27になるため、より登りに強くなります。カセットの歯数が大きくなり重量が重くなる分は、FD、左STI、チェーンリング1枚分の合計で相殺、むしろ軽量化ができます。
急峻な海岸線の道などは細かいアップダウンの繰り返しが多いですが、そんな場面では本当に使いやすいです。何も考えずに負荷に合わせてRDを動かすだけでOK。
フロントがアウターで徐々に軽いギアへ変速。気づいたらアウター×ローに入っていて、耐え切れずにインナーに変速!歯数差の大きいフロント変速で一瞬足が空回りしてトルク抜け…失速!なんてことは起きません。
フロントシングルのもう一つのメリットは『チェーントラブル回避』。
これは輪行時にも役立ちそうです。輪行状態から組立するときに、方法が悪いとチェーンがこんがらがって、にっちもさっちもいかなくなる可能性があります。そんな時でもフロントシングルならFDにチェーンが通っていないため自由度が高く、ねじれを取りやすいです。
また私のバイク、VASSAGO・FISTICUFFのような『トラックエンドでギアード』という特殊バイクでもチェーンの自由度が高いのでリアホイールの着脱がしやすくなりました。
付け加えておけば、走行中のチェーン脱落はいまだに一度もありません!
信頼性はバツグンです!
どうでしょう? ツーリング用バイクを組む際には、無理にFDつけずにシンプルにシングルにしてみては。
シクロクロスレースやMTBなど、ガチなシーンでの有効性がクローズアップされてきました。限られた走行シーン、スピードレンジ…どこか上級者のアイテムのような雰囲気が漂います。
しかし!それとは真逆のユルいツーリングでも十分に効果を発揮することがわかりました。
今回、約10年ぶりの輪行ツーリングを敢行。バイクはおなじみのVASSAGO・FISTICUFF。
本来のモンスタークロスからはかけ離れたロードツーリング仕様です(この状態で重量は約13㎏)。
フロントシングルで使用しているのは定番のウルフトゥース。PCD130㎜のクランクに合わせて38Tワイドナローチェーンリグを装着。
対して最近のロードに標準的についているのは50×34のクランク。
カセットは12-25あたりがついてくるのでしょうか?
単純に考えれば、『10段変速』VS『20段変速』
エライのは当然『20段変速』となるわけです……が、実際はそうでもなかったんです!
このサイトがとてもよくできているので参考にさせていただきます。
http://dirtjapan.com/modules/pico/content0003.html
今回のツーリングは数カ所の峠を含めて距離170㎞。走行中の平均速度は約26㎞/hでした。
走行ペースは平地で30㎞/前後。登坂で10~15㎞/前後くらいです。
決して速くはなく、かといって極端に遅くもなく…といったところでしょうか。おそらくこのくらいのペースでツーリング・ロングライドをされる方も多いのでは?
まずはロードの標準50×34tで考えてみましょう。
フロントをインナー34t、ケイデンスを80回転で当てはめてみると…
カセットの歯数それぞれの速度は
12t:28.5㎞/h 13t:26.3 14t:24.4 15t:22.8 16t:21.4 17t:20.1 19t:18.0
フロントをアウター50t、ケイデンスを同じく80回転とすると…
25t:20.1㎞/h 23t:21.9 21t:24.0 19t:26.5 17t:29.6 16t:31.4 15t:33.5
となります。
ロードライドであればちょっとした登りはアウターのままゴリゴリ踏んでいけばいいのですが、いろいろと荷物をつけて重い状態のツーリングバイクでは、登りはアウターのままゴリゴリ……なんて私のアシ程度ではそういきません。 登りではあっという間に20㎞/hを下回ってしまいます。するとアウター⇔インナーの変速が多発するわけです。
めんどくさがってアウターのまま踏んでいると後半に疲れが出てきますし、疲れが出ると余計に変速が面倒になってインナーのまま走り続けて駆動ロスを誘発。結果さらに疲れる……なんていう負のスパイラルにはまることも考えられます。
そこで今回使用したような『フロントシングル』にするとどうなるか?
フロントはPCD130クランク最小の38t。リアは12-30の10速です。
ケイデンスは同じく80とします。
12t:31.9㎞/h 13t:29.4 14t:27.3 15t:25.5 17t:22.5 19t:20.1 21t:18.2
24t:15.9 27t:14.2 30t:12.7
となります。
トップ側が少し足りないようにも思えますが、ケイデンスを100とすれば12t:39.8㎞/hまで伸びます。35㎞/hを超える状況はほぼ下りor追い風条件ですので、低負荷でクルクル足を回す状況です。
逆にロー側のギア比は34×25t=1.36に対して38×30t=1.27になるため、より登りに強くなります。カセットの歯数が大きくなり重量が重くなる分は、FD、左STI、チェーンリング1枚分の合計で相殺、むしろ軽量化ができます。
急峻な海岸線の道などは細かいアップダウンの繰り返しが多いですが、そんな場面では本当に使いやすいです。何も考えずに負荷に合わせてRDを動かすだけでOK。
フロントがアウターで徐々に軽いギアへ変速。気づいたらアウター×ローに入っていて、耐え切れずにインナーに変速!歯数差の大きいフロント変速で一瞬足が空回りしてトルク抜け…失速!なんてことは起きません。
フロントシングルのもう一つのメリットは『チェーントラブル回避』。
これは輪行時にも役立ちそうです。輪行状態から組立するときに、方法が悪いとチェーンがこんがらがって、にっちもさっちもいかなくなる可能性があります。そんな時でもフロントシングルならFDにチェーンが通っていないため自由度が高く、ねじれを取りやすいです。
また私のバイク、VASSAGO・FISTICUFFのような『トラックエンドでギアード』という特殊バイクでもチェーンの自由度が高いのでリアホイールの着脱がしやすくなりました。
付け加えておけば、走行中のチェーン脱落はいまだに一度もありません!
信頼性はバツグンです!
どうでしょう? ツーリング用バイクを組む際には、無理にFDつけずにシンプルにシングルにしてみては。