国民を分断した安倍さんの国葬…。
じいちゃんは、このTV中継を見て「安倍さんの人柄」というものを良くも悪くも理解できた気がします。
その人柄を岸田首相と菅前首相の弔辞の中に垣間見ることができましたね。
岸田総理の「あなたこそ勇気の人でありました。いちずな真の人、熱い情けの人であって、友人をこよなく大切にし…」。
菅前総理の「いつも周りの人たちに気を配り、優しさを降り注いだ」。
安倍さんは「周りの人を大切に思い、その人たちには優しかった」と二人とも言っているのです。
普通なら「いい人ジャン」ということになりますが、彼は一国の総理として8年もの間政権を運営した人です。
そして、これを裏返すと「近しい人は大切にするが、見知らぬ人や意見の異なる人は関係ない」という人柄だったいうことです。
これを聞くと「なるほどそういうことか」と納得できてしまうのです。
安倍さんのじいちゃんの岸元首相が自民党結党の際党是とした「改憲」に執念を燃やしていたこと。
自衛隊を憲法に書き込み国防を重視するという危険を孕んだ改正を行おうとしたこと。
その下地作りのために、野党を無視して強行採決で「特定秘密保護法」や「安保法制の改正」などをやったこと。
アベノミクスで企業利益が増えたのにも関わらず大企業の「内部留保」に手を付けず顔が見える経営者の味方になり、顔の見えない従業員の賃上げや中小、零細企業の苦難を見ようとしなかったこと。
森友・加計、桜を見る会問題の根っこにあるお友達関係や親睦者たちへの利益供与…。
すべてが彼が見知った人たちへ「大切で優しく接していたから」です。
こうした手前勝手な政治が日本の未来にどう関わってくるのか、まだ答えは出ていません。
彼のシンパの人たちは、そりゃ~嬉しいでしょう。
顔を突き合わせて話せば、なんでも引き受けてくれるから…。
その一握りの人を彼はどんなにか大切にしていたことでしょう。
しかし、置いてきぼりになった大多数の人たちがいることを忘れないでほしい。
ある意味、利益供与を受けた人や真剣に武力による日本の防衛を考える人にとっては「いい人」だったに違いありませんが、戦争なんて大嫌い、日本の防衛の基本は外交努力でと考える人には受け入れがたい人だった。
たま~に、国民全体を見て何かしようとすると「アベノマスク」のように大失敗してしまう。
自分と意見の違う人は完全に無視するという「安倍さんが定着させた国会運営」が、今の政権にも受け継がれていることは悲しいです(この国葬の閉会中審査なんて特に酷かった)。
岸田さんの国会運営のまずさで、海外のメディアからも「日本の分断政治」と言われ皮肉られていることを総理は深く理解しなければなりません。
安倍さんの功績を振り返る映像が流れた時、彼がピアノを弾く場面があり、その曲をバックに映像が流れましたが、最後にピアノを弾き終えた安倍さんが(多分スタッフに)「もう一度弾く?」という笑顔で終わりました。
これが周りの人に優しい安倍さんの人柄…。
じいちゃんが演出なら、こんな恥ずかしい(彼に媚を売るような)映像は、決して使わなかっただろうと思います。
これをOKした現内閣(国葬委員会)の感性は異常です。
そして、菅さんが焼き鳥屋で「もう一度総理を引き受けて」と安倍さんを口説いたそうで「俺は第2次安倍政権誕生のフィクサーだ」とでも言うような言葉をOKしたのも異常な感性だと思わずにはいられません。
そんな「仲良しグループが今の日本を率いているんだと考えると怖くて仕方ない」というのが昨日の国葬を見てよ~く理解できました。