この文面で判る事は
① パンクしたのは水に長年、浸かった引き込み高圧ケーブル。
② 自家用PASは原因不明でGR動作はせず変電所のDGRがトリップし波及事故となった。
③ PASの方向性SOG制御装置試験の単体試験は正常で実際の連動動作はしていなかった。
高圧ケーブルタイプ云々はさておいてPASは何故開放しなかったのか。
1.SOG制御装置単体試験だけで済ませてテスト釦でPAS開放するので問題無しの判断。
2.もしくは切りヒモでPAS開放していた。
3.1の場合、PASトリップコイルは正常だったのだろう。
4.SOG制御装置の単体試験動作=PAS開放は100%で無い。
5.トリップリレー基板の不良、SO動作では無いのでSOG制御基板内のコンデンサ容量抜けも考えられない。
6.最初は間欠微地絡でも最後は変電所DGRトリップの重地絡となったので、通常まともなPASは、その前に開 放するのが常。
7.定期点検等でPAS開放停電は毎年は、面倒だが試験器より零相電圧(Vo)+零相電流(Io)を流して実際にトリップするのかを確認する。
方向性SOG制御装置試験だが、これはVa黄色線を外して(ボックス下にテーピングしたリード線)単体動作試験だが最後に、外した線を元に戻して整定値の150%零相電圧(Vo)+130%零相電流(Io)例を流して実際に開放させるのがgood。
文中DGR単体試験は正常とあるが単なるテスト釦だけの可能性がある...試験器持っていない?。
無方向性SOG制御装置回路例。
赤枠が過電流ロック蓄勢時に電解コンデンサよりトリップコイル(DC)に電流を流す。
PASとDGRの大きな違いは、SO動作(ストレージオーバーカーレント)が出来ること。
この回路を見てGR動作とSO動作時のVaトリップコイルに流れるルートを考えてみる。
GR動作は電解コンデンサの放電電圧は利用しない...自家用短絡事故等で過電流ロックし配電変電所が停電した時だけとなる。
PASトリップコイルはDC140V程度か...低電圧の50V以下のものもある。
過電流ロック蓄勢以外の地絡事故は回路にダイオードが入っているので半波整流した電圧でトリップコイルに流す様だ...これが一番簡単にDC擬きを作れる。
テスト釦スイッチは回路には無い様なので右のXリレーをオンするだけか...結局、これでPAS開放するので試験OKでは無いことが理解出来る...実際に試験器から流し開放確認しないとNGの様だ。
Vb-Vc間に過電流ロック(500A例)検知用のマイクロスイッチR.T相2つが並列に入る。
Va-Vc間にはトリップコイルが入るが、GRとSO動作時に、どのような2つの電流ルートとなるのか考えてみる。
▲この回路を見て動作するルートを考察すればgoodの技術者?。
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誌面の都合もあるが、保安管理技術者に説明するには余りアテにならない学習も出来ない内容だ。