つづき
友人とならんで弁当を食べた。
自動販売機で買ったお茶は、補充が間に合わずぬるかった。
このイベントは、近隣の業者にとってもすごいイベントのようだ。
弁当屋、新潟コ○コーラ、いろんな車が出入りしていた。
「ここで出す弁当は、高いくせにマズくてよぉ」
とか、いかにも場慣れしてるかのような話しをしてたヤツは、
昼食までコンビニの袋を持って撮影するハメに・・・
弁当の味に使う頭はあるが、かえって撮影の邪魔になって
しまう事を考える頭は持っていないようだ。
「どうだ?」
「まあまあ、だな」
そんなたわいもない会話が続いた。
残りフィルムを数えた。4本だった。
「これ、残り全部撮っちゃおうかな」
私が言った。すると友人が言った。
「でも、プリント代がな・・・」
あっ、そうだった。ポジならそのまま確認できるが、今日はネガだった。
まずい、ネガはプリントしてみないと、ピントや諸々が確認できない。
いくら、かかるんだ・・・
へたな暗算でも、けっこうな金額になることぐらいはわかった。
作戦変更である。
なにげなく、隣を見た。
おじさんが使い捨てカメラを何個もいじっていた。
これで、撮っていたのか?
人それぞれに、楽しみ方ってあるんだな、と思った。
モデルはバスの中で昼食をとり、入念に化粧をしていた。
でもカーテンを閉めていてよくわからなかった。
裸は見せるのに、化粧の姿は見せない。
女とは不思議な生き物である。
スピーカーから、なにか聞こえる。
午後はモデルとセットの組み合わせを変えるらしい。
なんだと、また同じモデルに当たったらどうするんだよ。
まったく、もう。
さあ、これから後半戦に突入だ。
-- つづく --
*2015年 追記
なぜいつものポジを使わずにネガを使ったのか、今となっては不明ですが、
たぶんネガのほうがフィルム代が安いのと、どこの街の写真屋さんでも
現像、プリントできるためだったと思います。
ちなみにポジは現像方式が複雑なため、会津地方のポジは会津若松市
に集められ、まとめて現像するため日数がかかっていました。
ポジは現像方式から「内式」と「外式」に分けられ、外式の代表である
コダクロームは発色層を持たないため薄くでき、シャープな画像を得るため
にはこのフィルムしかない、と言われるほどの鉄板フィルムでした。
ただ感度が低くて手待ち撮影がむずかしいのと発色が地味なので、
人物撮影には向きませんでしたね。