あるひのあひる

sometimes"♯",sometimes"♭" ,and always"NATURAL”
猫とハーブと酒と音楽

あひるはうす 19 ~きょん母の部屋~

2015-02-03 11:47:31 | 家づくり

当時一人暮らしだった義母(きょん母)が、パーキンソン病と診断されたのは4年近く前。
同居するための家を探し始めたのも、きょん母の発病がきっかけだった。

在宅介護前提で設計してもらった今の家。
もちろんバリアフリー。
車いすを想定しているから、トイレもお風呂も広め。

生活動線に配慮し、きょん母部屋は玄関とトイレ、お風呂の近くにした。
カーテンは母の好きなピンク色。南向きで爽やかな風の入る、明るい部屋だ。
事情を知る住林さんがサービスで床暖房を付けて下さった。
(ちなみに我が家の床暖房は、リビングダイニングとキッチン。そしてこのきょん母部屋のみ。)

元気なうちに何とか入居させたい、ということで
住林さんも工期を予定よりずいぶん早めて下さった。

ところが。
昨年夏、薬の副作用で突然体調を崩し、緊急入院。
約1か月の入院加療で、驚くほど急に症状が進んでしまった。
そして、認知障害も。
病状が安定してから長期療養型の今の病院に転院したが
未だに退院の目途は立っていない。

そして、昨年12月半ばのカンファレンス。
「お母様の病状や介護状態から判断すると、大変残念ですが、在宅介護はまず難しいでしょう。」
主治医のK先生から、気の毒そうな表情でそう告げられた。



現在のきょん母は、介助が必要ではあるけれど体調は良いようで
表情も明るく穏やかだ。

病院の看護師さん、介護士さんともすっかり打ち解け
歩行困難ながらリハビリも少しずつ頑張っていて
精神的にはすっかり落ち着いている様子。


「あー、来たとー。」
顔を見せると、満面の笑みで迎えてくれる。
ホッとしたー、という表情で。

きょん母のこの顔が見たくて、片道約40分、車を走らせる。
西九州道に都市高速。
お蔭で、あれほど苦手だった高速道もずいぶん緊張せずに走れるようになった。

病室では、きょん母のペースに合わせて過ごす。
車椅子の母の横に並んで小さなTV画面を見、(きょん母だけイヤホンだから私には音声は聴こえない)
時折話したり、笑ったり。
まるで自宅にいるかのような、穏やかな空気を感じながら。

しばらく同じ時を過ごしていると
きょん母が時折、空間や時間をふんわりと漂っているのに気付く。
漠然とした表現で申し訳ないけれど
たゆとう、という表現がしっくりくるような。

“今ここ”の現実縛りから解き放たれ、自由に行き来する。
現在と過去のどこか。
空間も、その時々で変化する。
自宅だったり、見知らぬ会社だったり、病院だったり。

だから私も、それに合わせる。
現実に照らし合わせて母の言動を否定したり、正したりする必要などない。
身体に危険が及ぶ可能性がないのなら
傍にいる人間は、ただ見守り、寄り添い、心を受け取りさえすればいい。
何を欲しているのか、何が苦痛で、何が快適なのかを把握出来ればいい。
私は、そう思っている。


たゆといながらも、きょん母は母親だ。
「ご飯はもう食べたとね?」
「お腹は空いてないね?」
「お茶でも淹れようか?」
何度も繰り返す同じセリフは、子どもを気遣う母心だ。



「家を建てたよ。引っ越しも終わったよ。」と報告をした時
「そうね。・・・大変やったろう? お疲れ様やったね。」と、微笑みながら一言。
心にじんわり優しく響いて、思わず
「うん、そうなのー、すごいキツかったよぉー、聞いて聞いてあのね・・・!」と、幼い子どもみたいに甘えたくなった。
そして、少し泣けた。


明るく暖かい冬の陽差しが
白いレースのカーテンを通り抜け、優しくふんわりと降り注ぐきょん母の部屋。
たとえ一緒に住めなくても、数時間でも、新しい家に帰ってきて欲しい。部屋を見てほしい。
その時母は、一体どんな表情を見せてくれるのだろう。

その顔が見たくて。
少しずつ母の持ち物を運び入れ、部屋を整えながら
きょんのダンナと二人で、今もその日を待っている。

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家作りで気づいた2つのこと。

2015-01-15 12:43:04 | 家づくり

今の家で暮らし始めて、もうすぐ1か月。

不思議です。

まるでこれまでもずっと住んできたかのような妙に落ち着いた感覚と
ああ、新しい街にやって来たんだなという初々しい実感が
綯い交ぜになってやって来ています。



今回、家を建てることになって
いろんなことがあり、いろんな方と出会いました。

そのひとつひとつすべてが、大切なご縁です。

地主さん、不動産屋さん、基礎工事屋さん、風水の先生
ハウスメーカーさん、設備屋さん、外構工事屋さん、造園屋さん
水道にガス、電気に通信の業者さん・・・等々

一体何人の方が、我が家のために力を尽くして下さったんだろう・・・。


何気なく過ごしている毎日が
どれほど多くの方たちによって支えられているのか。
その事を、分かりやすい形で教えられた気がします。


これまでも、もちろん、ずっとそうだったんだよね。
多くの方達の、たくさんの手や心が生み出す力によって
しっかりと支えられ、生きてきたんだね。

こんな当たり前のことを、今頃になってようやく実感したなんて・・・。
今までどれだけ傲慢・・・ホント、お恥ずかしい

ということで。
『わたしの毎日は、いろんな人によって支えられている。
そのことに対する、心からの感謝の気持ち。』というのがまず、1つ目の気づきでした。

そして2つ目。
『土地や、家に対するいとしさと、愛着の心。』

独身の頃はもちろん、結婚してからもいわゆる転勤族で
何度も引っ越しを経験して、いろんな土地に住んで。
どこもみな良い街だったけど、大好きだったけど
心の片隅では常に“もっと、違うどこかへ”という思いが離れなくて。
ずっとずっと、帰る場所を探し求めていて。

それが、ようやく今
心から安らぎ落ち着ける、帰る場所にたどり着くことが出来ました。
一生をここでまっとうしたい、と思えるような。

いつもいつも“仮暮らし”だったから、全く分かっていなかった。
我が住む土地を、家を愛する方々の、その深い思い。
そして
不測の事態によりそこへ帰れなくなってしまった時のショックや、心の痛み、苦しみ。
全く、理解できていなかった。感じていなかった。
帰る場所の存在が、生きる上でどんなに大切なのか・・・。



暮らすということを、大切にしようと思いました。
毎日に感謝しつつ、丁寧に時を重ねてゆきたいと感じました。


きこりんが連れてきてくれた、そんな2つの気づきでした。
でへ。


(あら。また画像の使い回し

コメント (2)
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あひるはうす 18 ~入居しました~

2015-01-13 20:54:15 | 家づくり

わぉ。足場が取れて以来、家作りネタでの更新をしてなかったのね~

既に他の記事で書いちゃいましたが
昨年12月19日(金)、おかげさまで無事入居いたしました。


引渡し日=引っ越し日ということで作業に追われ
ゆったりと感慨に浸る時間もなく
ホントにあっという間に過ぎ去った一日でした。

もちろん、写真など撮る余裕も全くナシ・・・

ちなみに、当日のスケジュールはこんな感じでした。

 8:30過ぎ  サカイ引越センタースタッフ到着、搬出開始
10:30頃    搬出完了、新居へ出発
11:10頃    きょん&あひょ新居到着
11:30頃    サカイ引越センタースタッフ到着、搬入開始
12:30頃    搬入完了

前日の天気予報では、くもりで降水確率20~30%くらいでしたが
朝から気持ちの良い青空の美しい快晴となりました。
5年間お世話になったマンションに感謝と共に別れを告げ
わくわくドキドキしながら愛車で新居に到着

そこに待っていたのは、ピカピカの我が家と
“チームきょんず”のメンバー
営業のNさん、設計のTさん、インテリアコーディネーターのM(S)さん、生産のKさん。
なんだよ~フルメンバーじゃ~ん感涙~
会いたかったんで、ホント嬉しかった~

おお、玄関には噂どおりのレッドカーペットが
「おめでとうございま~す
チームきょんずの皆様からのお祝いの言葉と拍手と共に中へ・・・。

「おお~!家具が入ってる
「わ~!!床暖房あったか~い
「なんだかすご~いリアル“ビフォーアフター”(リフォームではないけど)だ~!

ただただ感謝、感謝
「こんなに素敵なお家を、本当にありがとうございます。」
「いろいろお世話になりましたー。」
メンバー一人一人にお礼を述べ、少し落ち着いたところで
引渡しに伴う説明を受けました。

そして程なく、サカイ引越センターさんが到着。バタバタと搬入が始まり・・・。
ガスの立ち会いもあり・・・。

お茶を出すどころか、ゆっくりとお話しもできないうち
チームきょんずはお帰りになりました。
大変お忙しい中、貴重なお時間を作ってわざわざこんな田舎まで来てくださったのに
何のおもてなしもできず、ホントに失礼しました


今回、家作りを通して、いろいろな発見や気づきがありました。
それはまた改めて書きたいと思います・・・。


まるで夢を見ていたかのような、あっという間の一日。
作業を終えたサカイ引越センターさんを見送り、玄関の鍵をかけると
そこは、段ボールだらけのピカピカ綺麗な我が家。

何もかも新しくて明るいリビングで
「素敵なお家をありがとう」と改めてきょんのダンナにお礼。
「これからも末永く宜しくお願いします」なんて
珍しくお互いにちょっと照れくさがったりして。

そんなきょんあひょを、好奇心いっぱいの表情で見つめる我が家のニューフェイス。
箱入りでーす。

“きこりん”ぬいぐるみ
営業Nさんからの素敵なプレゼント。わぁ~い
我が家にもとうとう、きこりんが~うれし~


Nさん、最初からずっとずっと細やかなお心遣いを頂いて、本当にありがとうございました~。
貴方だったからこそ、この家が出来たのです。
貴方に出会えた私たち夫婦は、ラッキーな幸せ者です

そんなNさんがくれた、きこりん。
きっとこれからチームきょんずの新しい一員として
我が家を見守ってくれることでしょう。

末永く、よろしくなっ

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あひるはうす 17 ~足場が取れました~

2014-12-07 12:51:39 | 家づくり

“家づくり”カテゴリーに登録しているくせに
全然マメに更新してませんなぁ・・・

昨日、現場へ行ってきました。


おお・・・

足場もネットも取れ、外壁が剥き出し~
なんだか感動です~
ここまで・・・来たんだねぇ・・・


黒の外壁。

実は、設計が始まったかなり初めの段階から
チームきょんずの営業Nさんも設計Tさんも、黒やグレーといった濃いめの色の外壁を薦めていらっしゃいました。
でも、当時きょんのダンナもあひょも、なんとなくピンと来なくて・・・。

オーソドックスに白系の外壁に濃い色の屋根が無難かなーなんて2人で話していたのですが
言われてみれば、黒もいいかも・・・なんて迷いが生じてしまい、なかなか決まらず。

その考えが変わったのが、風水設計のI先生の一言でした。

間取りチェックが終わって、「他に何かご質問はありますか?」と言われたので
きょんのダンナが「外壁の色で迷っているんですが・・・おすすめの色ってありますか?」と質問したところ

「そうですね。黒は良いと思いますよ。他には濃いめのグレーとか・・・」



黒を薦められて迷っているなんて話はモチロン、全然話してません。
まるで気持ちを読まれたかのようなご回答に2人とも、かなりビックリ。

というわけで、あっさりと黒に決定しました。ははは


自然豊かな周囲の環境を考えると、大正解だったかな、と
実際に完成した外壁を見ながら感じました。


ちなみに外壁はモルタル下地+シーサンドコートLS522(一番黒いやつ)
屋根はコロニアルグラッサLSのグラッサパールグレイです。

近くで見ると黒一色ではなく、所々に白がポチポチと入っているので
特に陽射しが当たると真っ黒といった印象はありません。
写真では少しこげ茶がかっているように見えるのですが・・・いかがでしょう?



これで植栽が入ると、樹木の緑とマッチしてかなり良いカンジになるのでは・・・と期待しています。


思い起こせばちょうど1年前。買い物帰りになにげなく訪れたこの土地。
12月30日に撮った写真です。



そして、現在。


たくさんの方々のお蔭で、ここまで来ることができました。
本当に心から感謝です。ありがとうございます。

完成まであとわずか。
もうひと踏ん張り。

再来週の週末にはいよいよ引っ越しです。

ああ・・・そろそろ荷造り始めなくては~

ご訪問、ありがとうございました 

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あひるはうす 16 ~引っ越し業者選定~

2014-11-19 12:11:23 | 家づくり

いらっしゃいませ~ご訪問、ありがとうございます 

先月の終わりに、そろそろ見積もりでも・・・と思い
まずは軽い気持ちで不動産サイトsuumoから、無料の見積もり依頼をポチッと。

複数選べたので、とりあえず3社に。
備考欄には「共働きで日中不在ですので、ご連絡は電話ではなくメールでお願いします」
と書いておきました。

さて。その3社とは大手A社とS社、地場のH社。
結論から書くと、こちらの希望にしっかり対応してくれたのは
S社だけでした。

当日帰宅すると、電話の着信がハンパ無い。
特にA社(←念のため、昆虫キャラの方です)
7件ってあーた・・・
しかも留守電メッセージ聞いてから無言で切っているもんだから
ツーツー音の録音メッセージばっかり・・・。

あひょ、キレました

地場のH社も数回着信あり。
S社は1回のみ。

この時点で、A社とH社は除外。
翌日メールにて「他社で決めました。ありがとうございました。」と連絡。
(それでもその日帰宅するとA社から着信が2件ほど・・・ふぅ・・・

S社は以前利用し満足だったので
訪問見積もりを改めてメールでお願いしました。
東京で一括管理されてるのかな?
受付センターの方の対応は、迅速かつ丁寧でかなりの好印象でした。

訪問見積もりはもう1社。住林さんからパンフを貰っていたA社(数字の方)。
2社のうちどちらかで決めよう、ということで
同じ日の16時からS社、17時半からA社さんに来てもらいました。

結果的には、S社に決めました。
半ば強引に押し切られた形で・・・

“決めてもらえるまでは帰れないんだからぁ~”的な捨身戦法(笑)。
若い営業さんの、イケイケ営業的必死トークと他社批判にはちょっと鼻白みましたが
まぁ、若いしねぇ・・・とスルーして。
見積額は、最初提示された金額(ムチャ高かった)から、一気に半額ほどダウン
これもお約束のパフォーマンスかもしれないな・・・とは思ったのですが
ま、いいか。予算に近いし。というわけで承諾しました。

ちなみに、A社は落ち着いた雰囲気のミドルエイジのオジサマ。
提携割引後の金額は、S社の最終提示額より1万円ほど安かったです。
利用したことはなかったけど、まぁ良さそうだな、という印象は持ちました。

今回の反省点としては、訪問見積もりの順序。
A社→S社だったら、更に安い金額でS社に交渉できたはず。

ネットでは、あまり良くない書き込みも多いS社。
前回お願いした時の良い印象と
「新築なんだから、プロ集団であるウチに是非やらせて下さい!」
と言い切った営業さんの言葉を信じて託します。

当日はマイスタークオリティーを実感させてくださいね~
お願いしますよ~

コメント (2)
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