『きーちゃん』は、1ヶ月と少しくらい前に我が家にやってきたドラセナです。
それまでは、同居人きょんくんの別宅(=独身寮)のベランダに放置され野ざらし、という過酷な日々を送っていました^^;
きみどりいろの葉っぱだから『きーちゃん』。
あるちょっぴり不思議な出来事が、きーちゃんをその辛い日々から救ったのでした。
きーちゃんがやって来た当時、実は私には我が家の新メンバーに加えたいと考えていた別のコがいました。まぁご縁があればそのうちやってくることになるでしょうが、それは「ガジュマル」でした。
ネット通販や、近所のホームセンター、お花やさんなどで、ピンとくるコを密かに探し続けていたものの、なかなか見つからない。そんなある日のことでした。
私が定期的に通う整体院で、施術も終わり、帰る支度をしながらI先生と雑談をしていた時です。
I先生が突然「あなたのお家に観葉植物がある?」と聞かれました。「ありますよ。3つ。パキラとマメの木とマコヤナ。でもどうしてですか?」と言うと、「大きい植物が見えたから。とても良いわよ。観葉植物、置いたほうが良いね。家を守ってくれるから。」と先生。「(先生に見えたのは)パキラですね。私の身長より大きいんですよ。・・・やっぱり守ってくれてるんですね。なんとなく感じてたけど」と私は答え、ずっとガジュマルを探していることを話そうと思って「先生、そういえば私、探している木があるんですよ。その木なんですけどね・・・」と切り出した次の瞬間でした。
「???」突然脳裏に高さが5~60cmくらいのドラセナの映像が鮮明にパッと浮かんで来て、頭の中がその映像で一杯になり、つい寸前まで覚えていた「ガジュマル」という名前が一瞬にして消去されてしまい、思い出せなくなってしまったのです。
「えー!えーと・・・」突然小パニックを起こしてしまった私を先生は「?」不思議そうに見ていました。「いえ、あの欲しい木の名前を度忘れしちゃって。突然何故かドラセナのイメージが入ってきちゃって、それに邪魔されて思い出せなくなっちゃたんですよ。えーと、あんなに欲しくて探し回っているのに・・・なんだったかな~」この私の言葉を聞くと、先生は無言のままじっと私の様子を見つめました。そして、一言。
「助けて、って言ってる。」
先生のその一言を聞いて、一瞬「え、何のこと?」と思いかけたそのとき、「・・・あぁっ!!!」もどかしいパズルの一片がぴったりとはまったような、私の拙い表現力では“まさにドンピシャ!”としか形容できないような強い感覚を覚えました。
「・・・そうですか。それきっと、きょんくんの寮のベランダに放置されているであろうドラセナのことだと思います。」私は答え、そういえば最近たまに、きょんくんにドラセナを我が家に連れてくるように話していたことを思い出したのです。
「あなたに助けて欲しいんだって。」とI先生。「そうですか・・・。少々気にはなっていたんですが・・・。そんなに辛がっているんですね」と言う私に「助けてーと訴えてる。出来るだけ早くあなたの家に連れて行ってあげて」と。「分かりました。そっちが先ですね。新しくガジュマル・・・あぁ、今思い出しました。そう、ガジュマルが欲しかったんですが、新しいコを買っているどころじゃないってことですね。」ド忘れが解け、名前を思い出したものの、ドラセナの映像があまりにも鮮明で、すっかり私の気持ちはドラセナレスキュー隊へと変貌してしまったのでした。
その日から何週間も経たないうちに、そのドラセナは無事我が家へ到着したのでした。
きょんくんが他の荷物と共に鉢を抱えてやってきて、出迎えた私が玄関でその実物を見た瞬間、「あ!やっぱりこのコだった!!!」そしてきょんくんから鉢を両手で抱くようにして受け取った瞬間、ちょっと独特な感覚を覚えました。“まるで赤ちゃんが来たみたい!”。そのコは私に手渡された瞬間“ママ!”と確かに私の心に呼びかけたのです。何かとても大切なもの、幸せを受け取ったような、嬉しく優しい気持ちに包まれました。
不思議な感覚でした。不思議といえば、ドラセナの姿形。脳裏に浮かんだ映像そのものだったことです。きょんくんにドラセナを持っていることは聞いてはいましたが、実際に見たことは一度もなかったのです。もちろん大きさも知りませんでした。
かくして、我が家にやってきたきーちゃんは、冬だというのに驚きの成長をしています。新たな葉を伸ばして、暖かな窓際で陽射しをたっぷり浴びながらのびのびとしています。
一昨日、I先生の所へ行ったときに「そういえば、先生。少し前にお話していたドラセナ、元気になりましたよ」というと先生は「良かった~。気になっていたのよ。」そしてしばし私をじっと見つめると「春になったら植え替えて欲しいって。そしたら、もっと頑張るって。この子は貴方を支えたがってる。鉢はテラコッタで、もっと濃い茶色がいいってよ」にっこり笑って教えてくれました。「なんとなく分かりますよ。植え替えも、春にやろうと思ってました。鉢も変えなくちゃって。・・・やっぱりこの子、私の事が好きでしょ、とっても?」笑って聞く私に先生は更に優しく微笑むと「うん。・・・それにね、とっても良いことを連れてきてくれるわよ。」先生の目を見ながら話を聞いている私に、ふとぼんやりとしたあるイメージが浮かびました。「見えたでしょ、今」にっこりとI先生。
「はい。伝わりました。・・・そうかぁ。・・・それはとても楽しみだなぁ。」
何が見えたのかは、ナイショです^^。実現するまでのお・た・の・し・み♪
いずれにしても、きーちゃんを初めて受け取ったときに感じた「なにか大きな幸せがずっしりとやってきたような気がする」感覚は、正しかったのではないかと思っています。
最後に。
ドラセナの花言葉が「幸福」であると知ったのは、つい昨日のことです。