今年の一番大きな出来事は令和の御代になったことです。新天皇が即位された5月1日午前0時から平成から令和に改元されました。それにともなう国事行為の儀式「剣璽等承継(けんじとうしょうけい)の儀」が同日午前10時半から皇居・宮殿で行われ、歴代天皇に伝わる神器などが受けつがれました。引き続き天皇陛下は10月22日、国内外にご即位を宣明される「即位礼正殿の儀」に臨まれました。
天台宗では去る11月5日午前11時から延暦寺大講堂で森川宏映天台座主猊下を大導師に「天皇陛下御即位奉祝法要」を執り行いました。また、この日は桓武天皇陵への参拝、午後2時からは延暦寺会館で「一隅を照らす運動発足50周年式典」も開催されました。会津天王寺からは私と真鍋幸意全国檀信徒会会長(会津天王寺責任役員)が参列いたしましたが、桓武天皇は伝教大師の御請願に心を動かされたから協力を惜しまなかったのであり、皇室と天台宗とが深い縁で結ばれているのです。そして、伝教大師の精神を現代に活かすために始められたのが「一隅を照らす運動」なのです。
「一隅を照らす運動発足50周年式典」で杉谷義純宗機顧問(妙法院門跡門主)は「今後は、若くて本気で動けるリーダーを育てねばならない。運動が100年、150年と続くよう、半歩でも前進を」と呼びかけられたました。伝教大師の浄仏国土建設の御請願に少しでも近づくことを訴えられたのです。
今年も様々なことがありました。人心の荒廃は目に余るものがあります。それでも希望がないわけではありません。伝教大師が書かれた「山家学生式」には「道心ある人を 名づけて国宝と為す」という言葉を実践すれば、全ての人々が苦しみや悲しみから救われるからです。
合掌
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