令和5年の比叡山から発する言葉は「開発真心(かいはつしんしん」と決まりました。本年1月1日の年明けと同時に、一隅を照らす会館前でその言葉「書」の除幕式が執り行われ、水尾寂芳延暦寺執行より発表がありました。
この言葉には「人に本来具わって嘘偽りの無い<真実の心(真心)>は<仏性>つまり<ほとけごころ>に他ならない」との考えのもと、「相手にも真心が具わっている以上、真心を込めれば相手に通じる。お互いの<真心>を開き発こうして目覚めさせよう」との願いが込められています。
発表にあたって、水尾執行は「自らが待つ真心を<開発>して動かし、今年一年間どんなことにも心を込めて取り組んでいきましょう」との思いを語られました。
天台宗はどんな人にも仏性があるという立場ですから、人が人と接する場合にも、自らが誠実に対応さえすれば、どの人とも理解し合えるということです。殺伐とした昨今の世界にあっては、すぐに敵味方に分かれて、血みどろの争いをしていますが、それは本来の人間の姿ではないのです。
「書」は比叡山の願いを象徴するものとして、根本中堂と一隅を照らす会館前に今後1年間掲げられるほか、『比叡山時報』表紙の題字下、さらには、比叡山延暦寺のホームページで閲覧することができます。
合掌
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