高峰山 標高 2091.6m 東篭ノ登山 2227.2m トーミノ頭 約2,300m 長野県
2008年12月28日(日)~12月30日(火)
メンバー 山の神と私
コースタイム 12月29日 晴れ
高峰温泉9:30--10:38池の平10:50--11:50東篭ノ登山(昼食)12:35--13:10池の平13:20--14:10高峰温泉
高峰温泉の朝食は遅い。待ちかねましたと宿泊客は、8:00にいっせいに食堂へ。それから全速力で準備したのか、9:00前にはもうロビーに登山姿の人たちが大勢集まっていた。宿主催のスノーシューツアーに参加する人たちだ。レンタル・スノーシューを装着し、われわれより先に続々と出発していく。彼らはスタッフのあの山が何で、この山が何でとか説明を受けているから、やたらと立ち止まっている。雪は少なめだったから、山の神ともども最初は坪足で歩き、ツアーの人たちにあっという間に追いつき、追い越す。
追い越したところで、ウエアのベンチレータを開けたり、インナーを一枚脱いだりする。飛ばし気味に歩いた分、もう熱いのだ。抜けるような青空の下で、しかも風なんてまるっきりない天候で厚着しているから、なおさらだ。
だらだらと続く林道に飽きてくる頃、動くものが視界に入った。何だろうと見上げると、山腹に人影が見えた。先行者がいる。今日も楽チンのトレース泥棒か。
左:池の平の案内版。夏場はこの手前まで車で上がって来られる 右:篭ノ登山への登山道は写真右奥
10:38ゆるやかな上りの林道歩きの末に、池の平に到着。スノーシューで歩くパタパタ音が止むと、あたりは静寂に包まれた。人はいない。相変わらず風もないから、梢のこすれる音もしない。テルモスに詰めてきたお茶を飲んで休憩。湯気が立ち上る。
10:50篭ノ登山への登山道に入ると、トレースが付いていた。先ほど見かけた人が付けたものだ。この後山頂で会うことになる。登山道には赤テープと、ところどころロープが張られていて迷いようがないが、先行者のトレースを忠実にたどっていく。
樹林帯歩きでスノーシューを堪能すると、岩稜地帯が現れてしまう。岩が露出していて、スノーシューでは登りにくいが、はずすと滑るので履いたまま登っていく。
11:50東篭ノ登山に到着。先行者の単独行おじさんがくつろいでいた。地元の方で、湯の丸スキー場から登ってきたという。山頂にはこのおじさんとわれわれだけで、しばらくたっても誰も登ってこなかった。夏場の篭ノ登山は人だらけだけど、冬は静かな山なんだね。
山頂からの眺めは最高で、全方位見渡せる。八ヶ岳、御嶽山、北アルプス、富士山となんでもござれ。心洗われる! 絶景をおかずに、宿でつくってもらったおにぎりを食べる。実際のおかずは信州サーモン、おしんこ等だった。おじさんは、三脚を立ててカメラいじりに忙しくなる。
12:35下山開始。完全ピストンで、来た道をそのまま戻る。池の平まではグリセード気味にさくさく気持ちよく下り、13:10到着。再びここでお茶してくつろぎ、あとはだらだら続く林道に辟易しながら、やっと高峰温泉の宿に戻った。14:10
最後に高峰温泉について一言。
情緒あふれる一軒宿で非常に人気がある。われわれは年末の満室状態のときだったから、人が多くて騒がしく、ランプの風呂に行っても、湯船の浸かり待ちになったりと、ちょっとストレスを感じた。それからランプの宿と謳ってはいるが、ランプは風呂だけなのは幻滅材料か。といきなりクサしてしまったが、その分を差し引いても余りあるよさがこの宿にはある。
何よりメシがうまい。それに雪上車の送り迎えは面白いし、スノーシューやスキーのベース基地にできるし、朝は喫茶室からのバードウォッチング、夜は天体望遠鏡を設置しての星の観察会、小腹が空けば五平餅やお茶のサービスなどもあって、アミューズメントがいっぱいだ。常連のお客さんもいたりして、情報をもらえるし、会話もはずむ。
とくに星の観察会は最高だった。ずうずうしくも一番乗りで望遠鏡を覗かせてもらったしね。夜空に輝く満天の星はいつ見ても、心躍るものだ。壮大な宇宙について考えると、眠れなくなる。次回はぜひ泊り客の少ない静かな時期に泊まってみたいものだ。
最後に食いしん坊ゆえの補足。宿のメニューの一例を紹介するとしよう。素朴なんだけど素材や味付けに工夫がなされていて、いいんだな、これが。
鯉の洗い、蕎麦すいとん、青豆の大根おろしあえ、野菜の炊き合わせ、茶碗蒸し、鯉の酒盗焼き、粕汁の鍋、etc. どれもうまかったなあ。