目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

啄木も愛した姫神山へ

2017-10-01 | 山行~東北

標高 1123.8m 岩手県

2017年9月19日(火) 晴れのち小雨  

メンバー 山の神と私

コースタイム 9:30城内(じょうない)登山口駐車場9:42--清水神社(水場)--小姫神--10:50水石神社(水石)10:59--笠石--11:17姫神山山頂(昼食)11:47--12:37城内登山口

前泊は秋田市街地のホテルパークシティ秋田竿灯大通り(素泊まり)。森吉山に行くつもりでいた。テレビをつけ、山の神と前夜コンビニで買っておいた朝食をとり始めると、天気予報が始まった。大気の状態が不安定で、秋田県は雷雲が発生しやすいと解説している。時間の推移とともに変わる雷雲のアニメーションマップを眺めていると、午前中はもちそうだけれども、午後にはほぼ100%雷雲がかかりそうだ。さらにバケツをひっくり返したような雨に注意とまで言っている。このまま行けば、下山中に間違いなく降られるだろう。しかも土砂降りか雷雨。

食べ終わって忙しく準備をしている山の神に、雷雨は避けたいな、ここからは遠いけれども、予報では雷雲がかからない姫神山を先に行こうと提案した。姫神山は、当初の山旅計画では掉尾を飾る山だったのだが、移動に時間がかかるとはいっても、コースタイムが2時間半くらいと短いことだし、岩手県は今日は1日晴れと予報していることもあって、転進することにした。

 
左:城内登山口駐車場 右:駐車場奥に仮設トイレがある

姫神山は北奥羽三霊山(ほかに岩手山・早池峰山)の一つで修験の場として知られている。いっぽうでは、歌人石川啄木のふるさと、渋民に鎮座している円錐形のきれいな山容の山としても知られている。啄木の有名な以下の歌は、一説には岩手山を詠んだともいわれているが、姫神山という説もある。

ふるさとの山に向ひて
言ふことなし
ふるさとの山はありがたきかな

さて、山行記録に戻ろう。6:00過ぎホテルをチェックアウト。お隣のコンビニでお昼の買出しをし、6:30頃ホテル裏の駐車場を出た。昨日飽きるほど走った秋田道に入ると終始ガスッていて、やはり今日の秋田の天気は悪そうだと実感させられる。ようやく晴天下の東北道に入ってホッとし、花巻PAで缶コーヒー休憩をとる。

少し道に迷いながらも、9:30城内(じょうない)登山口に着いた。すでにジモティの車が1台停まっていて、われわれよりほんの少し早く着いたようで、登り始める準備中だった。

 
左:清水神社(水場) 右:昨日の台風が無数の枝や葉を登山道に落としていた

9:42山の神と登山道に入る。昨日の台風の影響で、枝や葉が大量に登山道に落ちているものの、登山者(修験者も?)が多く入るのか、よく整備されていて歩きやすい。先ほど駐車場にいた年配のジモティの方々によると、姫神山の登山道では、この道がいちばんバラエティに富んでいて楽しいコースだという。山の神が一本杉コースがいいと最初にいっていたのだが、城内コースはベストチョイスだったようだ。

 
左:小姫神 右:苔むした巨大な水石

まず水場である清水神社に到着。湧き出している清水をちょっと口に含んでみる。冷たくておいしい。そこからガシガシと急登を上がると、なんの変哲もないところに、いきなり小姫神の標示が出てくる(写真左上)。ここで山の神に休もうかと声をかけるが、もっと先のほうがいいよといわれ、躊躇なく通過。

やがて次々に巨石が出てくる。最初は水石。由来は水を蓄えているということなのか、テーブル状の岩の上にはうっすらと水が溜まっているようで、びっしりと苔が生えていた。登山口から1時間以上もぶっ通しで歩いているので、さすがにここで休憩をとった。 

  
左:笠石 右:2点とも、姫神山山頂

水石の次は笠石。なるほど、笠のように巨岩の上に覆いかぶさっている。

なかなかの急坂をよじっていくと、最後岩場になり、突如視界が開けて、11:17姫神山山頂に到着した。うっとうしい雲がもくもくとのさばっているけれども、気持ちのいい青空も広がっている。山頂には先ほどのジモティお二方、そして単独の年配者。あとからパラパラと一本杉コースから数名登ってきた。平日なのに、この人数。なかなか人気の山のようだ。


山頂から岩手山を望む。終始山頂には雲がかかっていた

山頂からの眺望は抜群だった。まず特筆すべきは、岩手山。残念ながら、頂を拝むことはできなかったけれども、目の前にそびえるボリューム感、存在感には圧倒される。


南には早池峰山の峰々が見える

次いで少しかすんで見えていた早池峰山。そういえば、早池峰の蛇紋岩は滑りやすいんだっけとつまらないことを思い出していた。


玉山牧場がすぐ近くに見える

近所に青々とした草原が見えていて、ググってみると玉山牧場だった。ツーリングの方々がよく訪れるようだ。

風が強いなと山の神と少しでも風をよけられる岩陰に入り、昼食にした。火を使わずにそそくさと済ませ、山頂からの眺望をもう一度堪能して、下山に入る。もちろん駐車場までのピストンだ。登山口で一緒だったジモティの方々は、いつの間にやら前を下りている。かなりの健脚者とみた。地元の山岳会の方なのだろうか。やがて樹林帯に入ると、ポツリポツリと雨が落ちてきた。この一帯の天気が下り坂ということはないはずなのに、ちょっとした小雨になった。樹林帯の中を進む分には、雨具を出すほどでもない。12:37無事駐車場にたどりつき、まもなく雨も上がった。

本日のお宿は、森吉山下山後にのんびり泊まる予定だった打当(うっとう)温泉、マタギの湯。予約済みで、いまさらキャンセル料がかかるから、行かないという選択肢はない。でも遠い。一所懸命走らねばと、気合を入れて、また秋田に戻ったのだった。

晴れないなら観光、田沢湖・角館へつづく

コメント
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