目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

ブナの森と大湿原の八幡平

2017-10-26 | 山行~東北

標高 1613m 秋田・岩手県

2017年9月22日(金) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 8:22八幡平ビジターセンター駐車場8:37--大谷地から蛇沢沼方面コースへ入り込んで戻る--10:17長沼10:28--11:40木のベンチ11:51--13:04八幡平山頂--13:20八幡沼展望台(昼食)13:53--八幡沼周遊--14:28八幡平頂上駐車場(羽後バス15:05発で大沼=ビジターセンターに戻る)

6:00には大館グリーンホテルをチェックアウトしようといっていたのに、目が覚めたら5:36。それでもバタバタと準備をし15分遅れで駐車場の車に荷物を運び入れた。それから近くのコンビニに寄って朝メシ用のパンや昼食メシ用のおにぎりなどを買い込み、大急ぎで大館を後にした。平日ということもあり、出勤の車が多くてあせるが、信号が少ないのに救われて、道の駅かづのに7:00前に到着した。ここで温かい缶コーヒーを買って、山の神と朝食にした。すがすがしい朝だ。

 
左:八幡平ビジターセンター駐車場(トイレあり) 右:グツグツと煮えたぎる泥火山

7:30頃山の神と再び車に乗り込み、道の駅の真ん前にあるガソリンスタンドで満タンにし、八幡平ビジターセンターへと向かう。思い込みとは恐ろしいもので、後生掛温泉から、八幡平ビジターセンターへ曲がっていくものだと思っていて、後生掛温泉に行ってしまった。行ってみたら、行き止まり。あれ、おかしいと地図を見て間違いに気づき、来た道を戻った。8:20八幡平ビジターセンターの駐車場に入る。

もたもたして8:37に出発。ビジターセンターの向かって左側から登山道に入る。まずは泥火山が登場。ポコポコ、グツグツと泥の小山から蒸気が噴出していて、ちょっと恐ろしげな光景だ。

 
左:倒木に邪魔されながらも沢を渡る 右:ブナの美林が続く

ブナの森を抜け、沢を渡る。まだ台風の影響が残っていて、土管橋の入り口に倒木が横たわっていた。なんなくクリアすると、またブナの森に突入。しかもかなり深い森だ。昨日の森吉山の荒れ荒れの森ではなく、巨木がすっくと優美に立っている美しい森だ。山の神もご満悦!

 
左:目の前が開けて大谷地 右:大谷地から誤って蛇沢沼コース(菰ノ森)へ下ってしまった

やがて大谷地に出て、登山道はその端をぐるりと回っていく。しかし!またもややってしまった。分岐のところを何気なしに大谷地内部に入っていく道へ曲がってしまった。田んぼのあぜ道状の道を進んでいく。踏み跡もあって、なんの疑問ももたなかった。でも、がっつり下っていく道が見えたときに「?」が頭に浮かんできた。

私が先頭切ってどんどん下っていくと、山の神が立ち止まって、地図を眺めだした。明らかにこの道に疑念を抱いている。間違ったら、間違ったで何か出てくるさと、構わず進んでいくと、山の神が追いかけてきて、「この道は違う。蛇沢沼コース(菰ノ森)へ向かっているよ」と断言する。地図を矯めつ眇めつ見て納得した。たしかに間違いだ。がっくりとうなだれて、難儀やなとつぶやきながら、下ってきた道を登り返し始めた。

 
左:絶景かな、長沼 右:紅葉も始まっていた

分岐まで戻り、ここで間違ったんだと紛らわしい欠けた標示を確認した。そこからペースアップして、長沼を目指した。そろそろかと小走りに進むと、目の前に静かで一幅の絵のような長沼が現れた。おお、名前は平凡だけれど、最高だ。紅葉も始まっていて、目の前の樹木を見上げると黄色い葉が目にまぶしかった(写真右上)。向こう岸もちらほらと色づいている。


いつまでもとどまっていたかった長沼

水の中を覗くと魚が泳ぎ、岸を移動していくと今度は水面に突き出した植物がまた別の表情を見せ、飽きることがない。また来たいねと山の神に同意を求めると、答えはもちろんYES。

 
左:ブシ谷地 右:振り返ると地熱発電所の水蒸気が高く上がっていた

10:28去りがたい長沼を後にした。すぐに急な登りが出てきて、早すぎると思ったら、本番はそのあとに控えていた。ブシ谷地を越えてすぐに今回最大の難所となる急登が始まった。徐々に高度を上げていくと、なんとアオモリトドマツの倒木が登山道を完全に塞いでいた。強引に乗り越えようとすると、反対側に人がいた。どうしようか戸惑っているのかと思いきや、岩手県の管理員ですとの声。年配の女性がこちらに向かって、どうぞという。森吉山に続いてまた倒木攻撃かと思いつつ、幹に乗っかり、枝の隙間をくぐり、なんとか通過した。とすかさず、あとは八幡平までだいじょうぶですよと管理員さん。それはよかったとホッと胸をなでおろした。

11:40急登終了の目印、木のベンチに到着する。日陰のさびしい場所にポツンとある。ここで昼食にしようと思っていたのだが、山の神はまだお腹が空いていないと主張。もっと先に進んでからにするかと、この時は楽観視していた。


大湿原地帯へ

しばし単調な登山道を歩いていくと、目の前が突然開けて、大湿原地帯に出た。いや~すごい!絶景に次ぐ絶景。このルートを選んでよかったと自然と山の神と笑顔になる。


写真中央付近が草ノ湯への分岐

景色は最高だけれど、昼メシを食べるところがないなと、草ノ湯の分岐も越えていく。人っ子一人いない湿原&草原をどんどん進んでいく。突然、後ろを歩いていた山の神が「きつねだ」と叫ぶ。瞬時にして草陰に飛び込んでしまったようで、山の神が指さす先を見ても、何もいない。いつもなら、先頭を歩く私がまず見つけて、山の神が見損ねて、残ね~んとなるのに、今回は逆だった。きつね見てない!


八幡沼と陵雲荘

地味な登山道を最後に登りきって、13:04観光客でごった返す八幡平山頂に到着した(冒頭写真)。山頂といってもピークといった趣はまったくなく、かなりがっかりの頂だ。観光客とともに展望台に上がって、ぐるりと周囲の山を眺めまわす。腹が減っていると、ろくに景色も見えていない。

そこから観光用の歩道を歩き、八幡沼の展望台へ。展望デッキにたどり着くと、観光客が去った一角を占領して、ようやく昼メシにありつけた(13:20)。

 
左:沼の中をさも移動したように見える岩! 右:岩手山が近くに見える

13:53腹もくちて人も減ってきた頃、八幡沼周遊に出発する。沼の中の怪しい溝に首を傾げながら、気持ちのいい湿原の木道に入っていく。


草紅葉が広がる八幡沼回遊道を行く

草紅葉の中を山の神とずんずん進む。こちら側にはほとんど観光客はおらず、トレッカーばかりで静かだ。


池塘も点在

すでにもう日が傾いてきているのを感じながら、最後八幡沼をかすめて、お帰り道に入る。しばらく下の方に見えていた八幡平頂上駐車場に着いたのは、14:28。疲れたとバス停のベンチに腰掛け、15:05発、羽後バス玉川温泉経由田沢湖駅行きを待った。バスに乗ったのは、数人と少なかった。玉川温泉で多く乗ってくるのだろう。山の神と私は、大沼で下車し(¥490)、ビジターセンターの駐車場に戻った。

帰り支度を始めると、鹿角市山岳会の名誉会長Iさんが話かけてきた。きっかけは、車のナンバー。いつもこのブログの写真では、ぼかしていたが私の車のナンバーは「1122」。このIさんも「1122」で、おやと思ったらしい。1122メートルにまつわる「いい夫婦登山」の話に花が咲いた。縁とは異なもので、なんと翌日もこのIさんに会ってしまった。

それはさておき、本日のお宿は、後生掛温泉。古いけれども、昭和の味を存分に味わえる宿だ。テレビでもよくとり上げられる顔だけ出して入る箱蒸しをはじめ、いくつもある様々な湯で疲れを癒し、晩は日本酒の利き酒セットでグビグビやって至福の時を過ごしたのであった。

後生掛温泉からの散歩道へつづく

 

 

コメント
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