標高 1979.8m 山形県
2019年8月14日(火) くもり時々雨 |
メンバー 山の神と私
コースタイム 8:39月山姥沢駐車場8:50--9:10頃 リフト乗り場--9:28リフト上駅9:32--10:10牛首手前ベンチ10:18--11:20頃 月山山頂(月山神社)--11:45(昼食)12:00--月山頂上小屋12:30--13:00頃 牛首(昼食)13:15--13:52姥ヶ岳分岐--14:06リフト上駅--14:20頃 リフト下駅(かき氷休憩)--14:55駐車場
4:20頃野鳥の声で起床する。顔を洗って早々にテントを撤収し始める。朝食はコンビニでおにぎりを買って、移動中にとろうと決めていた。6:00に祓川キャンプ場を出て山を下り始める。これから鳥海山に登ろうという人たちの車とすれ違いながら、日本海側の幹線道路を目指す。カーナビは農道へと誘導するが、こちらのほうが空いているからなのか。やがて羽州浜街道(国道7号)に出て、交差点にあったローソンで朝食の買出しをする。
しばらく車を走らせると、山形県に入り、道の駅鳥海ふらっとが出てきた。よしここで朝食だと、6:20頃駐車場に滑り込んだ。車内泊の人や、仮眠をとっている人たちが結構な数いる。まずは山の神と熱いコーヒーはないのかと自販機を探すが、冷たいのしかなく、がっくりしていると、道を挟んだ真向かいのデイリーヤマザキが目に入った。おおよかったとそこでゲット。早朝は道の駅のお店は閉まっているので、要注意だ。
左:月山姥沢駐車場 右:月山リフト
7:00頃道の駅を出る。出てすぐのところにあったファミマで今度は昼食の買出し。あとはカーナビに誘導されるがままに進む。酒田市内で高速に上がり、終点湯殿山で112号に入る。やがて湯殿山へ曲がれの指示が出て、そのまま曲がったのだが、112号の旧道でかなり曲がりくねった道だった。距離は短いようだが、だいぶ時間をロスしたように思う。8:39月山姥沢駐車場に到着した。山地図に340台とキャパが出ていたとおり、かなり広い。今日は天気が少し怪しいという予報もあって、空きが目立っていた。
いつものように日焼け止めを塗って8:50駐車場を後にした。目の前にあったトイレに寄り、車道を歩いていく。リフト乗り場に向かうハイカーや登山者が連なる。リフト乗り場手前では、入山協力金1人¥200を徴収しているボランティアと思しき年配のおじさん2人が張り切っていた。最後の坂を上がり、往復¥1,030のリフト券を購入。のんびりと動いているリフトに乗った。山の神とは、ザックがあるから別々に乗ることにした(写真右上)。
9:28リフト上駅に到着する。月山と掲げられた恰好の撮影ポイントがある(冒頭写真)。われわれも記念撮影し、9:32月山に向けて出発した。
一瞬山頂が見えてぬか喜び。その後は終始ガスっていた
登り出してすぐにリフト乗り場のほうから大音量で「本日は絶好の登山日和。熱中症に注意しましょう」という趣旨のパーティノリのアナウンスが響き渡った。お客さんを楽しませようという意図のアナウンスなのだろうけど、それよりも手ぶらで歩いている人、歩き出しからもうヨレている人がいて、注意喚起が必要だろうと感じた。雨具を持っていますかとか、飲料水を持っていますかとか、伝えるべきことは多々あるはず。
それはさておき、すぐに姥ヶ岳と月山の分岐に出た。帰りに姥ヶ岳へ回る予定だったので、ここから月山への緑の回廊を進むことになる(上の写真)。山頂を仰ぐとガスがかかっていたが、時折風の具合でちらちらと山頂が顔を覗かせていた。
左:チングルマ 右:ウメバチソウ
登山道脇の湿原には、高山植物の花が咲き誇っていた。ニッコウキスゲやタテヤマリンドウ、ウメバチソウも。チングルマは、最近綿毛になったヤツばかりしか見ていなかったせいか、久々に花を見てちょっと感激した。
左:ハクサンフウロ 右:イワギキョウ
華やかなピンクの花を咲かせる、山の神の好きなハクサンフウロもそこここで咲いていた。高い山に来ているだよなと実感させられる、ラッパ型の花のイワギキョウ(写真は花弁が広がってしまっているのだが)も群生していた。次々に登場する高山植物の花に魅了される。
石畳の道が続く
そのうち白いガスの塊が容赦なく流れてきて、天候は一気に怪しくなってきた。これはダメかもなあと山の神とうらめしげに山頂を見上げる。先ほどまで見えていた青空の面積はちょっぴりしかない。
元気な小学生がお父さんたちを置いてきぼりにしていくハイスピード登山を横目に見ながら、山の神と私はマイペースで登っていく。しばらくして牛首の手前でベンチを見つけて、小休止をとることにした(10:10)。登山者は多く、休憩スペースを確保するのもたいへんだ。
左:牛首 右:山頂付近にあった山座同定標
牛首に出ると尾根だ。すぐに岩場を伝っていくことになる。渋滞気味の歩きにくい登山道を辛抱して上がっていくと、やがて登山者が多く休憩していた祠が出てきて、そこから山頂はすぐだった。残念ながら、下から見ていた時と山頂の状況はまったく変わらずで真っ白。深いガスに包まれていて、展望はまったくきかない。
月山頂上小屋をちょっとだけ覗いて、最高点の月山神社へ向かう。鳥居をくぐると、そこから先は参拝料(ご祈祷料)¥500を納めないと入れない。そういえば前回訪れたときには払うものかとパスしたっけ。でも今回はせっかくだからと、神主さんの祈祷と祝詞(?)を受け、人型の紙片に体の悪いところを触れて移し、身代わりになってもらって水に浸した。なにか穢れがぬぐわれた気分になれた。狭小の境内を一周して元の鳥居に戻ると、まだまだ登山者、ハイカーがひっきりなしにやってきていた。
左:月山頂上小屋 右:月山神社鳥居。なかは撮影禁止だった
参拝を終えて、さあ、昼飯だと湿原のほうに下りてお湯を沸かし始めた。相変わらずあたりは白い。コンビニで買ったあおさ汁にお湯を注ぐ。そのとき悲劇は起きた。横着して股に挟んで湯を注いでいたら、ぐにゃりとカップがつぶれ、お湯が飛び出たのだ。あちー。ザックや登山パンツが濡れた。じんわりと温かくなった太ももの感触から被害甚大と思ったのだが、意外にも1/10くらいしかこぼれていなかった。これくらいならいいかと自分を無理やり納得させ、おにぎりにかぶりつくと、今度はポツリと雨粒が腕に落ちた。雨だよと山の神に。えっ。あおさ汁をすすると、またポツリと来た。
そこからが早かった。ポツリは、ポツポツになり、パラパラとなって、皆一斉に立ち上がって雨具を付け始める。山の神と私も必死に上をはおり、荷物をまとめ、ザックカバーを付けて退散した。
あっという間にしのつく雨に変わり悲惨な状況に一変する。山頂小屋に逃げ込み、雨具の下もはいて、完全装備で外に出る。でも、その頃には雨脚は弱まっていて、さほどでもない。
左:昼食のつづきを牛首で 右:ポツリポツリと再び雨が
天気予報からは、山頂が晴れるのは5分5分と思っていたけれど、甘かった。甘すぎた。山の神と早く下ろうと、岩場を下降始める。しかし、こんなに天気が悪いというのに、続々と登ってくる人たちとすれ違う。たいした装備もなく登ってくる人たちを見ては無謀だよなと山の神とうなづきあう。
昼食のつづきは牛首だ。雨も上がったので、雨具を脱ぎ、身軽になってもうひとつのおにぎりにかぶりついた。怒涛のように時間は経過していて、もう13:00を回っていた。食べ終えてすぐに腰を上げ、下り始める。帰路は、姥ヶ岳に回るつもりだったが、月山同様山頂は雲に覆われてしまっていて、もう行かなくていいなと元来た道をたどった。
そのうちまたもやポツリポツリと雨が落ちてくる。機嫌の悪い山の神と、散々だとこぼしこぼし、リフト乗り場へ向かった。
14:20頃リフト下の駅にたどりつくと暑い。売店にあったカキ氷がうまそうで、躊躇なく頼んでしまった。後から来た年配おばちゃんたちは、カキ氷という選択肢はなかったようで、疲れたときにはやっぱり玉コンニャクだわといって、もぐもぐ食べていた。そうなのか。山形ソウルフードか。
駐車場には、14:55到着。そういえば前回来たときには、車のラジエターが壊れたっけとトラブルの記憶がよみがえった。月山とは相性が悪いのかもなと感じた1日だった。