目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

滑落事故があった天祖山へ

2017-04-09 | 山行~奥多摩・奥武蔵

標高 1723.2m 東京都

2007年5月27日(日) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 八丁橋駐車スペース8:50--9:20尾根9:25--天神神社(大日大神)--10:10休憩10:20--11:20休憩11:25--11:43天祖山山頂・天祖神社--13:00分岐(昼食)13:45--14:05八丁橋

10年前の山行記録。この前年にここで滑落事故があったのだが、すっかりそんなことは忘れていて、遭難場所をおっかなびっくり通過した(後述)。

さてこの日は6:00に山の神とともに自宅を出発した。吉野街道沿いのセブンイレブンで買出しをし、寒山寺駐車場に入って、朝食をとった。

 
左:八丁橋(下山後撮影) 右:日原川

その後日原街道に入り、最後はダートコース。目を奪われるもえる新緑の中、八丁橋に到着した。かなりの数の工事車両が停まっていて、ムムムと思いながら、端っこに車を停めた。山支度をして、山の神と出発する。日原川に架けられた八丁橋を渡り、登山口へ向かう。

 
左:天祖山登山口(まっすぐ行けば富田新道、雲取へ) 右:天神神社(大日大神;おおひおおかみ)

登山口から急な登りが続いて早々に休もうと、尾根に出てすぐに水分補給休憩にした。しかし風がちょっと強いなと、早々に腰を上げる。やがて廃屋と化した神社が現れた。これは何神社だろうと山の神と話していると、道標の真ん中にマーカーで「大日大神(おおひおおかみ)」と書かれていた。正しいと信じて、そうしておこう。2万5000分の1の地形図には天神神社と出ているので、正式には天神神社なのだろう。

 
左:新緑の気持ちのいい道を進む 右:傍らに祠

新緑の気持ちのいい森を抜けていく。途中1度休憩を挟み、けっこうな急登を耐えていくと、突然開けたところに出た。立ち枯れ地帯だ。

 
2点とも:開けたと思ったら、立ち枯れの木が目立つ

90年代に1度訪れているのだが、立ち枯れの木が増えたように思える。そのうち丸坊主になるんじゃないかとさえ感じた。春の日差しが柔らかに入り込んで、気持ちがいいけれども、汚染物質がちょうどここに流れ込んできているのかもしれない。この山の北東斜面で石灰岩を削りとっているから、そこからの可能性もないとはいえないだろう。先日歩いたタワ尾根からは、この採石場はよく見えた。


天祖神社/天祖山山頂

立ち枯れ地帯で5分ほど休憩し、山頂へ向かった。11:43天祖山山頂に到着。山頂標示があるところには天祖神社があった。天祖神社は天学教会の神社で、天祖山を霊山とし、ご神体としているようだ。山頂にこれだけの建物を造るとは、信仰心が篤い方々のなせる業だろう。奥には社務所もあった。


立ち枯れ地帯

さあ、お昼にしようと山の神にいうと、なんか荒れているから、もっといい場所を探そうという。でも登ってくるときにそんないい場所はあったかなと思いながらも、下り始めた。

やはり、適当な場所はなかった。朝通過した気持ちのいい新緑地帯は、太陽が天頂を回ると薄暗い場所へと変貌していた。そのうち杉林になり、天神神社まで来てしまった。そこから少し下り、尾根からはずれ急坂になる分岐で、もう食べるところないよと観念した。

 
2点とも:滑落現場

登り時に滑落注意の文字が気になっていたのだが、下山時に山の神が思い出したようにいった。そういえば天祖山で誰か滑落事故を起こしているよねと。ここだよ。たしかにトラロープが張られていないと、まっすぐ下ってしまいそうだ。覗くとかなり危なそうな急斜面、というかほとんど崖。ここは左に巻いていくのが正解となる。今改めて検索して調べてみると、この頃3件の事故が起きていた。

・2004年11月7日 植生調査の私立女子大生(21)70m滑落、死亡
・2006年11月4日 下山中の68歳女性が60m滑落、重症
・2006年11月4日 下山中の46歳女性が50m滑落、死亡

2006年は同日だから、もしかして同じパーティか? 助けに行って、2次災害か?天祖山の登山口近くは、ちょっとした岩場になっていて危険だ。下山時にルートを間違って滑落したのだろう。今はきちんと整備されているからそんな心配は無用だろうけど。

山の神と私は、花が手向けられている遭難現場を見ながら、14:05八丁橋たもとの駐車スペースに無事下山した。滑落しなくてよかった。すぐに帰り支度をし、寄り道せずにまっすぐ帰宅。渋滞なしでスイスイだった。


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