パキスタン、ギルギット Irfan HaiderによるPixabayからの画像
『情熱大陸』「絶景!冒険!ヒマラヤの未踏ルートへ 登山家平出和也」と題した2020年6月14日(日)の放送を見た。
平出和也さんは若きクライマーと思っていたが、いつの間にか41歳。本人もその自覚があるようで、体力の衰えを口にするようになり、あと数年が勝負という。来年(2021年)の未踏ルートをたどってのK2登頂にかける意気込みを語っていた。
その前哨戦として昨年2019年カラコルム山脈のラカポシ7788mを未踏ルートで登った様子を、番組では逐一追いかけていた。平出和也さんは登山界のノーベル賞といわれているピオレドール賞を2018年になんと2度め、相棒の中島健郎さんとともに受賞していて、今回も気心の知れた同氏とともに挑戦した。
2019年6月パキスタンのキルギットに2人は乗り込んだ。K2をにらんでのトレーニングであり、複雑な地形のラカポシは経験を積むのにはうってつけであるという。
入山7日目BC(ベースキャンプ)で大規模な雪崩を目撃する。ラカポシはルート上に大きなセラック(雪と氷)があり、それは運が悪ければ目の前で表層雪崩と化してしまう。雪崩に飲み込まれないようにするためには、雪面がよく締まった気温が低い朝のうちに通過しなければならない。
番組ではそんなリスクもあるのだとしながらも、たんたんと登山の過程を紹介していった。ルートの標高は以下のとおり。
BC 3660m--C1 5200m--C2 6200m--C3 6800--Summit7788m
初日 BCからC1(キャンプ1)ヘ。お互いを撮影しながら和気あいあいと進むも、吹雪に見舞われる。-5℃
2日目 早朝4:30にC1を出て、膝までの雪に悩ませられながらセラック地帯を無事に抜けC2へ。-8℃
3日目 朝から好天でナンガパルバット、ディラン(2013年登頂)が見える。山岳カメラマンでもある彼らはドローンも操って撮影しながらC3ヘ。-10℃
4日目 天候の悪化。どか雪に見舞われる。テントが雪の重みでつぶれないように、必死に雪かきに精を出す。50時間後やっと晴れてくる。
6日目 サミットプッシュ。4:00にC3を出るが、平地の40%の酸素量しかなく、呼吸がどうしようもなく荒くなる。それでも12:00登頂を果たし、性懲りもなく(笑)ドローンを飛ばす。-20℃
7日目 BCに戻る。
日本ではまったくといっていいほど、報道されなかったが、現地のパキスタンでは、未踏ルートをたどってのラカポシ登頂は快挙に値すると、新聞にでかでかと平出、中島両氏の写真が掲載された。
2021年はいよいよK2挑戦。来年の今頃(6月)は、BCに向かっている頃だと、平出さんは中島さんに語りかけていた。