目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

高峰山・東篭ノ登山・トーミノ頭 スノーシューPart1

2011-01-16 | 山行~スノーシュー

高峰山 標高 2091.6m  東篭ノ登山 2227.2m トーミノ頭 約2,300m 長野県

2008年12月28日(日)~12月30日(火)

メンバー 山の神と私

コースタイム 12月28日 くもりのち晴れ 
9:05アサマ2000パークスキー場駐車場9:40--(林間コースのつもりだった)--11:25高峰高原ホテル(昼食)12:20--12:50粒ヶ平12:58--13:33高峰山山頂13:45--14:37スキー場駐車場

年末の日曜日、まだまだ遊びに出かける人は多く、6:00くらいに関越道に入ると、もうすでに混んでいた。当初予定していた上里SAでの朝食はやめて、上信越道横川SAまで移動する。その変更が功を奏したのか、ほぼ予定どおりの8:20に高速を下りる。品薄気味のコンビニで買出しをし、アサマ2000には9:05に到着した。第1駐車場はすでにいっぱいで、第2駐車場になる。

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左:スキー場駐車場 右:林間コースに入る

初日は、スキー場に隣接した林間コースを足慣らしに歩こうかと、そのコースへ入ったのだが、あれま!道を間違えて、こともあろうにスキー場の入り口へ逆戻り。入り口におわす鹿さまに再会する羽目になった。左に行くべきところを、右に曲がっていたんだねえ。

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左:アサマ2000パークスキー場の入り口におわす鹿さま 右:高原ホテルからの登山道

あまりにも早く、振り出しに戻ってしまったので、軌道修正。高峰山に目的地を変更する。まずは、高峰高原ホテルで昼飯にしようと、強引にホテルへ直進、直登。森の中を進む。ところどころ落とし穴のように雪だまりがあって、腰あたりまですっぽりはまる。11:25高原ホテルに到着した。2Fのガラス張りの展望喫茶ルームへ向かい、そこで昼飯。このホテルは高台にあるから眺めは非常によい。

デミグラソースかつ丼¥1,100を食べる。まあまあ。ちらりと外に目をやると、カモシカがいた。以前来たときにも、この辺りでカモシカを見かけたのだが、今回もご多分にもれずたたずんでいた。最近服部文祥氏の本で知ったのだが、カモシカは鹿の仲間ではなく、ウシ科の動物なのだそうで、好奇心旺盛。動くものを飽かず眺める習性があるらしい。たしかに置物のように動かず、こちらを凝視したりするよね。ちょっと納得。

12:20高原ホテルを出て、登山道に入る。しっかりトレースは付いているが、なかなかしんどい上りである。傾斜がきついので、スノーシューのかかと部分にあるヒールリフターを上げて歩く。楽チン!

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左:高峰山への分岐、粒ヶ平 右:高峰山山頂

すぐに横移動になるが、積雪が多く、一向にはかどらない。そのうちに坪足で歩いて、すっぽり雪にはまった跡が点々とついているのを目撃する。この積雪の中だいぶ苦労しているようだ。このあと山頂で、坪足の御仁に会った。12:50粒ヶ平到着。ここから南に張り出した稜線の先に高峰山がある。

稜線を必死に歩いて、高峰山山頂には13:33に到着。山頂の岩陰に祠と剣が鎮座していた。山頂は遮るものがないので、見晴らしはいい。東側を見渡すと、浅間山の噴煙が少しだけ覗いていて、ああ、あの裏に隠れているのかとわかる。

001img_2216 ちょっぴり噴煙

13:45山頂を後にする。帰路はピストンで元来た道を下る。雪深い横移動地帯を抜けると、あとはサクサクとグリセード気味にいっきに下山。14:37駐車場に戻った。

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右:雪上車で送り迎えしてくれる味な宿

お泊りの荷物を車からピックアップし、本日のお宿ランプの宿「高峰温泉」へ。スキー場に宿専用の雪上車が迎えに来てくれる。一度泊まってみたかった宿。期待に胸を弾ませて玄関をくぐった。

Part2へ続く  Part3(トーミの頭)へ飛ぶ

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武川岳

2011-01-15 | 山行~奥多摩・奥武蔵

武川岳 標高1051.7m 前武川岳 1003m 埼玉県

2011年1月10日(月・祝) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 9:25名郷の向河原駐車場9:38--(妻坂峠・鳥首峠分岐まで行って戻る)--10:05民宿西山荘笑美亭--11:10天狗岩上部11:22--11:56前武川岳12:00--12:14武川岳山頂(昼食)12:40--(13:07妻坂峠)--14:05向河原駐車場

予定より10分遅れくらいで名郷に到着。前日の天気予報で覚悟はしていたが、気温は1℃しかない。駐車場は、行楽シーズンではないので余裕でとめられたが、残念ながら有料だ。日曜・祝日は¥700、平日は¥500と掲示されていた。先着様の車にはワイパーに封筒がはさんであった。盗み見してわかったが、これにお金を入れて、料金箱に投入するというシステムになっている。

駐車場の手前にこぎれいな男女兼用のトイレがある。左下の写真の奥の建物。以前トイレだけ利用したときにはかなり古びていたが、いつのまにか建て直されていた。

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左:名郷、向河原駐車場 右:民宿西山荘入口(登山口)

9:38駐車場を出発。左に折れて、林道をどんどん歩く。たしか道標が出ているはずだから、それを見落とさないようにと慎重に進む。日陰で寒々とした大鳩園のキャンプ場を越える。ここの駐車場も有料で、日曜・祝日¥1,000と張り出されていた。車は1台もなく、人も当然ながらいない。

前方にバスで来たらしき、単独のおじさんが歩いていた。そのおじさんが分岐に差し掛かり、何気に振り返る。我に返る山の神と私。この分岐って、もしや妻坂峠と鳥首峠の分岐では? おいおい、来すぎ! 戻るか。

かなり時間をロスして、登山口となる民宿西山荘笑美(わらび)亭の入り口には10:05着。武川岳の道標があると勝手に思い込んでいたが、何もなかった。ここから林道を歩いたり、登山道を歩いたりを繰り返す。

この奥まったところに、意外にもコジャレた民家があるので驚く。さらに驚いたのは、駐車中のクルマのナンバーが所沢だらけ。皆所沢から別荘に来ているのか、狩猟の拠点? アトリエ? と勝手に想像をめぐらすも、ハタと思い当たった。そうだよ、ここは埼玉県。所沢ナンバーの地なのだ。ハハハ

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左:登山道の杉林は暗い 右:登山道を分断した石灰の採石場

途中林道歩きが長いところで、道を間違ったかと不安を覚える。前方に木の枝をチェーンソーで解体し、谷へ投棄していた年配の方が二人ばかりいた。山の神が一人のおじさんに武川岳はこっちですかと訊くと、親切だねえ、ニコニコしながら、そこのカーブを上がっていくと山への入り口があるよと教えてくれた。

気分よく歩いていくと、斜面につけられた階段が出てきた。上がるとすぐに杉林で暗い道だ。春には花粉が飛びまくるのだろう。杉の中、がっつりと尾根を登っていくと、迂回コースに行けと看板が出てくる。なんと石灰の採石場が登山道にまで伸びてきて、ついには登山道を分断したのだ。この調子だと、武甲山の二の舞だ。

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左:天狗岩。直登コースが男坂、巻き道が女坂 右:天狗岩上部からの眺め

採石場からしばらく登ると、大きな岩が目立つようになる。そして見上げた先に天狗岩が現れた。尾根伝いに岩がごろごろと連なる。道標で左を指している男坂は、その岩を直登していく。われわれは、日が射していて温かそうに見える男坂を上がる。女坂はまったく日が射さず見るからに寒そうだった。

天狗岩の上部で、陽だまりを発見。そこで休憩とする。見晴らしはよく、飯能の街や新宿のビル等はるか遠方を見渡せる。近所には大持山が見えている。 行動食として持ってきたブッセなんぞを食べて11:22出発。

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右:前武川岳のベンチ(2つある)

左側にフェンスが続く急な登りを、息を切らしながら登る。3,4人組のパーティとすれ違う。一人が無線を持っていたから、明らかにお気軽登山者のわれわれとは違う、きちんとした山岳会の方たちなのだろう。天狗岩上部の休憩ポイントから30分余りで前武川岳に到着。空気は冷えていて風も冷たい。

001img_4472 寒すぎの山頂

前武川岳からちょっと下って、その分また登り返して、武川岳山頂に12:14到着。南面は木がなく、開けている。たしか15,6年前に訪れたときには展望なしの山頂だったと記憶している。展望を確保するために切り払ったのだろう。

山頂は風が吹き抜け、非常に冷え込んでいた。体感温度はかなり低い。なるべく風の来ない場所を確保してごはんにする。食べてしまうと、寒さに耐え切れず、速攻片付けて出発。山頂にいたほかの登山者も同様で、のんびりしている人はいない。

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左:冬枯れの尾根道 右:武甲山

12:40下山開始。ピストンではつまらないので、妻坂峠経由で下りる。峠に向けて尾根を歩き始めると、秩父側からの風が冷たいのなんのって。冷凍庫からの冷気が流れ出しているみたいだ。みなかみは寒波の影響で雪と予報でいっていたから、その冷気がもろにここにやって来ているのだろう。軍手をした手はかじかみ、耳とか頬は感覚がなくなっていく。こりゃ耐えられん。

それに追い討ちをかけるように、急な長い下りが目の前に現れた。スキー場の上級者コースの壁より傾斜がありそうだ。慎重に下っていく。

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右:妻坂峠の地蔵さま

妻坂峠には13:07到着。寒さに耐えられず、だいぶ飛ばし気味で進んできたようだ。軍手をはずして、写真を撮っていると、手の感覚がなくなる。写真だけ撮って早々に峠から逃げる。山陰に入ると、驚くほど温かい。先ほどまでの寒風はどこへやら、別天地だ。血行が回復して、手にぬくもり、顔にぬくもり、体にもぬくもり。ぽかぽかしてくる。

林道に出ると、あとはひたすら駐車場を目指すだけ。ずっと日陰地帯で、また体は冷えてくる。おのずとペースはあがり、14:05向河原駐車場に着いた。

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帰途、黄色い建物でひときわ目立っている「turnip」で温かい飲み物をいただく。ついでにケーキも。シフォンケーキと、ローズヒップ、ハイビスカスのハーブティのセット¥600 ここで十分に体を温めて家路についた。

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風雪のビヴァーク

2011-01-08 | 山・ネイチャー・冒険・探検の本

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感涙、感涙、また感涙、という話であると、あちこちに書かれ、また耳にしていたものだから、そのような感動の本を読までおくべきかと思っていて、今回ヤマケイ文庫に入ったのをきっかけにさっそく手にとってみた。何のことじゃという方のために一言説明すると、北鎌尾根で吹雪かれて遭難死した松濤明(まつなみあきら)の記録本のことである。

でも、読み始めてみると、たんなる山行記録集じゃないかと思ってしまう。ヘタな作家なんぞよりも文章はうまく、コースタイムやその地点地点での状況をきちんと書き留めた正確な記録ではあるのだが、何せ山行記録、いくら読んでも山行記録。私は壁はやらんので、北岳バットレスの細かい状況を言われてもなあ。というわけで、しばらく忍耐力を駆使して読み進めていくと、彼の登山に対する考え(極地法はあかん)や、所属していた東京登歩渓流会のあり方についての彼なりの意見なども出てくる。

巻末に至ってようやく感動(?)のクライマックスが訪れるのだが、当然小説ではなく、たんなる彼のメモ書きを掲載しているだけなので、詳細な状況がよく把握できないばかりか、文章が短かすぎて感情移入する間もなく、終わってしまう。そりゃそうだ。今までの彼の記録は、手帳に書いたメモを基にして、会報に載せるべく、文章に肉付けし、推敲をしていたのだから。結局遭難死してしまったから、その機会もなくメモだけがひとり表舞台に出てしまった。

でもこの尻切れトンボ状態のママで、この本は終わっていない。遭難状況ついての分析は本編終了後の解説にある。あくまで解説者の推測の域を出ないのではあるが、なるほどそういうことなのかと合点がいく。

遭難死はあまりに悲惨で同情に値するが、最近山野井氏のギャチュン・カンからの生還(『垂直の記憶』)を読んだばかりで、もっと粘って生に執着してほしいと、まっ先に思ってしまった。松濤は6時に死を決意し、14時にまだ死ねていない自分を顧みて手帳を広げている。読む人で受け取り方は異なるだろうけど、やっぱり生きてこそ、生き延びてこそだよね。

最後に、この本でもっとも印象的だったことを。それは遭難時に書かれた松濤の手帳のメモがそのまま写真として掲載されていることだ。これを見ると、実際に起きてしまったことであり、取り返しのつかないこととして胸に迫ってくる。凍傷の手で書いた筆跡は痛々しく、切ないのだ。

新編・風雪のビヴァーク (ヤマケイ文庫)
クリエーター情報なし
山と渓谷社
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