セカンドライフ 

歳を重ねるのも悪くはない

小父さんの年賀状

2012-01-06 | セカンドライフ
昨日、数十年振りに、本家の小父さんから年賀状が来た。
とても尊敬している人なので嬉しいし、感激した。

賀状には「お陰さまで92歳と三ヶ月のお正月を迎える事が出来ました。」と有った


 恙無く 余生送れる 幸思い
        世に報恩の残り日とせむ
           森羅萬象全てはわが師
 takeshi

一昨年他界した父の事を「兄さん、兄さん」と慕って呉れていた人。
正月で普通なら"一杯"とご一緒する所なのでしょうが、父の旅立ちがとても寂しいと
記して有った。

思い出してくれただけで嬉しい事だけど、生まれてこの方ずっと天才、秀才と言われ
田舎のでは、一寸他の人達とはカラーが違うと言う雰囲気だった。
無線が得意だったと聞いた事が有る。

子供の頃、算数なんて物は、答えが決まっているんだから勉強の中では一番優しい。
国語をやるなら、漢文をみっちりやって、つまるところ俳句に辿りつけと
何度となく言われていた。(聞こえない振りをしていたのが惜しい私)


先日お会いした時に、一番の自慢を教えてと問う私に「自慢なんて物は無いな~」
お前(私)の喜びそうな事は、気象庁に居た時の事だ。私の性格をご存知で

俺はな、一番成績が良くて、懐中時計を貰ったんだけど或る時、今度なかなか頭の
いいやつが入ると言うので、誰かな?と思ったら後の「新田次郎」って奴だったよ。
(本名ではないが)そいつも一番で入ったので同じ物を貰ったんだ。


前評判は相当良かった。藤原ていの旦那だ・・・・なんて遠くを見つめながら
話してくれた。70年位前の事らしい。

私は新田次郎氏の事は、富士山を舞台にした小説「強力伝」で知った。
そんな職業が有る事も、その小説から知った。自伝小説の様な物らしいが。

富士山の気象台を舞台に日活映画で石原裕次郎さんが演じたので、映画でも
観ている。それも新田次郎氏の小説の映画化だ。


英語は香港に居た時に覚えたのだそうだ。あんな物は幾らでも会話すれば身に
付くんだ。
留学なんて、親に金を出して貰って遊びに行く言いわけで体裁なんだ。
外国へ行くなら、日本で或る程度学んでから、専門の事を学びに行くんだ。
今は日本にいて何でも学べる時代だ。

語学留学なんて、商売に乗せられているだけだ。
ポンポンとリズム宜しく田舎弁で思っている事を話してくれた。

とても90歳を過ぎたとは思えない矍鑠(カクシャク)とした紳士だ。
来年はこちらから、ご挨拶の賀状を出そう。