8月12日19時より開催された、佐藤雅彦研究室展のギャラリートーク、茂木健一郎氏と佐藤雅彦氏の対談を聞いて(見て?)参りました。
内容は「どうしてそれは伝わるのか」と題して、佐藤氏が今までの経験から発見してきた映像関連の「法則」を茂木氏に提示し、それについて茂木氏がどのように感じたかを述べてゆく、という形式。
テーマごとに実際のサンプル映像もふんだんに使われ、さながら佐藤氏の講義を聞いているような、とてもわかりやすい内容でした。
佐藤氏の示す情報量に圧倒され、茂木氏がちょっと気押され気味のように見えなくもなかったです(^^;。
始終なごやかな雰囲気で、時折満場が笑いに包まれるような、総じてとても素晴らしい対談でした。
(ちなみに、笑いの出所はほとんどが佐藤氏。笑わそうとしているわけではないのですが、生真面目に面白いのです。)
詳細レポは追ってアップするとして、とりあえず書きたいことがいくつか。
(覚え書きは8月14日にアップしました。詳細は次の記事をどうぞ。)
まず、初めて生で見る佐藤氏は「そのまんま」でした(笑)。
よく、メディアによって印象が変わる方がいますが、佐藤氏はその対極。対談記事や著作、そして仕事内容からにじみ出る人柄そのまんまの印象なのです。ご自分の向かい合った対象にとても真摯であることが伝わってきました。
そして、やはりというか何と言うか、「文藝春秋」2003年12月号の養老氏の記事における佐藤氏に関しての記述は、根拠がない、ということがわかりました。
佐藤氏自らが否定しておいででしたので、これはまちがいありませんでしょう(^^;。
「養老さんにあんなふうに書かれちゃいましたからねぇ。」と語る佐藤氏の口調は、穏やかでしたがとても不本意そうでらっしゃいました。
また、それに関連して強く思ったのが、『佐藤氏が研究を進めてゆく上での困難は、他ならぬ佐藤氏の能力ではないか』ということです。
どういうことかと申しますと、佐藤氏の研究には脳科学者の助言が必要なのに、脳科学者が佐藤氏とコンタクトを取ると、「佐藤氏の興味対象」ではなく「佐藤氏そのもの」に興味を持ってしまう傾向があるようなのです。
トーク後半、茂木健一郎氏はしきりに佐藤氏を分析しようとする発言を繰り返しては撃沈しておられたようで、最後には「佐藤さんは不思議です。佐藤さんのほうに興味が出てきちゃいました」と宣言しておいででした。
佐藤氏も、「養老さんが『佐藤さんと話をしてみたい』というので会ってみたら、僕の仕事の話ではなく、僕の脳に興味があったようで、まるで・・・・・患者? ねぇ(笑)?」と語ってらっしゃいました。冗談めかしていたものの、その表情はとても寂しげに見えました。
茂木氏しかり養老氏しかり、佐藤氏の脳に釘付けの模様。
わたくしも科学者の端くれとして、たしかにその気持ちもわかります。
しかし、佐藤氏の能力への興味よりも、佐藤氏の提示する表現概念への興味や佐藤氏が「伝えること」に向き合う真摯な姿勢への共感、これらのほうがずっとまさっています。
佐藤氏が良き研究のパートナーを見つけられることを心から願ってやみません。
余談ですが、な、なんとトーク中に茂木氏の口から「ラーメンズ」への言及がありました!
佐藤研の佐藤君という学生さん(当時2年生)の映像作品「反復かつ連続」を見ての感想が「ラーメンズの『時間電話』みたいですね。構造が。」だったのです。
意外なところで耳にし、危うく咳き込むところでした(笑)。
じつはラーメンズファンの想像以上にラーメンズの知名度は高いのかも知れない、そう思った一瞬でした。
写真はギャラリートーク終了後のgggエントランス。
美しくライトアップされた佐藤氏自筆の黒板が印象的でした。
内容は「どうしてそれは伝わるのか」と題して、佐藤氏が今までの経験から発見してきた映像関連の「法則」を茂木氏に提示し、それについて茂木氏がどのように感じたかを述べてゆく、という形式。
テーマごとに実際のサンプル映像もふんだんに使われ、さながら佐藤氏の講義を聞いているような、とてもわかりやすい内容でした。
佐藤氏の示す情報量に圧倒され、茂木氏がちょっと気押され気味のように見えなくもなかったです(^^;。
始終なごやかな雰囲気で、時折満場が笑いに包まれるような、総じてとても素晴らしい対談でした。
(ちなみに、笑いの出所はほとんどが佐藤氏。笑わそうとしているわけではないのですが、生真面目に面白いのです。)
詳細レポは追ってアップするとして、とりあえず書きたいことがいくつか。
(覚え書きは8月14日にアップしました。詳細は次の記事をどうぞ。)
まず、初めて生で見る佐藤氏は「そのまんま」でした(笑)。
よく、メディアによって印象が変わる方がいますが、佐藤氏はその対極。対談記事や著作、そして仕事内容からにじみ出る人柄そのまんまの印象なのです。ご自分の向かい合った対象にとても真摯であることが伝わってきました。
そして、やはりというか何と言うか、「文藝春秋」2003年12月号の養老氏の記事における佐藤氏に関しての記述は、根拠がない、ということがわかりました。
佐藤氏自らが否定しておいででしたので、これはまちがいありませんでしょう(^^;。
「養老さんにあんなふうに書かれちゃいましたからねぇ。」と語る佐藤氏の口調は、穏やかでしたがとても不本意そうでらっしゃいました。
また、それに関連して強く思ったのが、『佐藤氏が研究を進めてゆく上での困難は、他ならぬ佐藤氏の能力ではないか』ということです。
どういうことかと申しますと、佐藤氏の研究には脳科学者の助言が必要なのに、脳科学者が佐藤氏とコンタクトを取ると、「佐藤氏の興味対象」ではなく「佐藤氏そのもの」に興味を持ってしまう傾向があるようなのです。
トーク後半、茂木健一郎氏はしきりに佐藤氏を分析しようとする発言を繰り返しては撃沈しておられたようで、最後には「佐藤さんは不思議です。佐藤さんのほうに興味が出てきちゃいました」と宣言しておいででした。
佐藤氏も、「養老さんが『佐藤さんと話をしてみたい』というので会ってみたら、僕の仕事の話ではなく、僕の脳に興味があったようで、まるで・・・・・患者? ねぇ(笑)?」と語ってらっしゃいました。冗談めかしていたものの、その表情はとても寂しげに見えました。
茂木氏しかり養老氏しかり、佐藤氏の脳に釘付けの模様。
わたくしも科学者の端くれとして、たしかにその気持ちもわかります。
しかし、佐藤氏の能力への興味よりも、佐藤氏の提示する表現概念への興味や佐藤氏が「伝えること」に向き合う真摯な姿勢への共感、これらのほうがずっとまさっています。
佐藤氏が良き研究のパートナーを見つけられることを心から願ってやみません。
余談ですが、な、なんとトーク中に茂木氏の口から「ラーメンズ」への言及がありました!
佐藤研の佐藤君という学生さん(当時2年生)の映像作品「反復かつ連続」を見ての感想が「ラーメンズの『時間電話』みたいですね。構造が。」だったのです。
意外なところで耳にし、危うく咳き込むところでした(笑)。
じつはラーメンズファンの想像以上にラーメンズの知名度は高いのかも知れない、そう思った一瞬でした。
写真はギャラリートーク終了後のgggエントランス。
美しくライトアップされた佐藤氏自筆の黒板が印象的でした。