はざまの庵

分類し難い存在を愛でる覚え書き by aiwendil お気軽にコメントをどうぞ。

<font size="-3">吹越満「フキコシ・ソロ・アクト・ライブ」仙台公演。</font>

2005-08-20 01:43:06 | アートなど
8月19日に仙台市民会館小ホールで上演された、吹越満氏の「フキコシ・ソロ・アクト・ライブ」仙台公演へ行って参りました。
"Sophisticated Underground Comedy" と銘打たれた、Mr.motion picture こと吹越氏の3年ぶりのライブ。
直前まで行くかどうか迷っていたのですが、野間口徹氏の大絶賛に加え、仙台近郊への出張という好条件が整い、見ることが叶いました。
全く内容を知らずに行ったので、見るまでは若干の不安がありました。
しかし、結果的には「本当に行って良かった!」というのが正直な感想です。
吹越氏が基本的に一人だけで進めてゆく舞台は、はじめラーメンズを彷佛とさせるような、思わせぶりな展開。ところが、映像が加わったとたんにがらりと様相が変わりました。
まるでメディアアート。衝撃でした。
しかもめっぽう面白い。もう笑いっぱなしです。
が、数々の面白さの中で私が最も激しく反応したのは構造の面白さです。
詳しくはネタばれになってしまうので書けませんが、映像を用いたパフォーマンスの、映像と演じ手の関係性、その構造が非常に面白いのです。佐藤雅彦氏ではありませんが、これにはクラクラきてしまいました。構造のおもしろさがわかり、それを人に伝えたくなるような、そんな構成なのです。
他にも、奇しくも先週拝聴した佐藤雅彦氏の対談で話題になっていたことがそのまま形になって現れたかのような、不思議な符牒がありました。
映像がプログラムとして未来を規定し、生の身体がライブでそれと共演する。その不思議。
そこに吹越氏の真骨頂があるような気がしてなりません。
ネタ自体はちょっぴり毒を含んだものが多いのに、それを感じさせないのも素晴らしい。
これから名古屋、大阪、松山、福岡を回るようです。
当日券もあるようですので、機会がありましたらぜひ。おすすめです。


*他の方の感想記事を見つけました
盛岡公演感想→tanifujiさんの「我思う故に我あり」