はざまの庵

分類し難い存在を愛でる覚え書き by aiwendil お気軽にコメントをどうぞ。

<font size="-3">横浜トリエンナーレ2005。</font>

2005-10-31 00:21:59 | アートなど
2005triennare01
横浜の山下埠頭倉庫で開催されている、横浜トリエンナーレ2005へ行って参りました。 「アートサーカス~日常からの跳躍~」をテーマに掲げた今回は、前回の2001年よりも、人と人とのかかわりを重視した要素がふんだんに取り込まれていたように思います。
そのため、展示規模や作品数で言うならば、残念ながら前回には少々見劣りしそうです。
メディアアート的な作品は少なく、直球勝負のコンセプチュアルアート的な作品が目立ちました。
わくわくしたり度胆を抜かれたりする作品よりも、日常を別視点でラフに切り取ったような、おおらかな作品が多かったように感じます。
日曜美術館で紹介された作品以外で私にとって印象深かった作品をいくつか挙げますと・・・・。
まず池水慶一氏の、鉄パイプを組み上げた大きな橋。どうということもないのですが、真横から見た時に正規分布のグラフと同じ形をしていたのが印象的(笑)で、私の中ではひそかに『正規分布の橋』と呼んでいます。
つぎに、さわひらき氏の「trail」という映像作品。とある部屋の、壁の隅や窓枠、排水口などさもない部位がクローズアップで写し出される、いっけん何の変哲も無い映像なのですが、よーく見ていると、どこからともなく小さ~なラクダや象のシルエットが現れて行進を始めるのです。モノクロに近い、とても質素な映像なのですが、どこかユーモアさえ感じられる、小さく詩的な世界が表現されていて、見ていてクラクラきてしまいました。映像が売られていたら欲しいです(笑)。
あとは、クレイグ・ウォルシュ氏(?)のよくわからない素材でできた白い塊がガラスケースに納まっている作品。一見、なんだか良く解りませんでした。さらに近くで見てもなんだかよくわかりません。しかし、ふと見れば、ガラスになぐり書きのような白い英文字が。「我々は標高8789mの山へ登り、その頂上を切り取ってここへ持ってきた。そのプロジェクトの経過を記録したのでここに紹介する。」(←適当に翻訳してあります。詳細はうろ覚えです。)読んだ瞬間、友人とふたりで爆笑しました(笑)。たしかによく見れば隣のブースには登山隊の装備やら計画書やらがところ狭しと展示されています。でもこれ、このなぐり書きを読まなければ作品の意味に気付きませんよ(笑)。中国語と英語の2言語しかなかったので、英語に親しまない方がこの壮大な冗談に気付けないのが残念。ぜひ日本語表記も加えてほしいです。
タニシK氏の館内フライトツアーも拍手モノに思えました。極彩色の添乗員衣装に身を包んだタシニさんご本人が、「OPEN JAW - 行き先はあなた次第!」ツアーと銘打ってバギーを駆って会場内を"フライト"するパフォーマンス作品。残念ながら私自身はフライトを体験できなかったのですが、会場で見かける「作品」の様子が面白すぎでした。今度はぜひフライトを体験してみたいです(笑)。
荷物が多かったので図録購入は次回に持ち越しました。ゆえに作品名や作者名はうろ覚えです。間違っていたらすみません。
また付け足すかもしれませんが、今回はこんなところで。
(↓会場外の作品「スパイバンク」。コントラストを上げてマグリットの「光の帝国」風に(笑)。)


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