はざまの庵

分類し難い存在を愛でる覚え書き by aiwendil お気軽にコメントをどうぞ。

<font size="-3">心惹かれる風景の理由。</font>

2006-08-07 22:40:31 | さもないこと
Yuubinkyoku01古びた建物の裏手。
うらぶれた路地に浮かぶ
霞のかかった月。

きれいだな、と たまたま目に留めて撮った写真です。
このように切り取られた風景を見ていて、ふと思いました。
なぜこのような風景を美しいと感じるのでしょうか?
目立った特徴を抽出してみました。
古い壁の持つざらついた質感と経年による汚れの醸し出すグラデーション、月の霞が見せる柔らかな質感と夕闇の紺のグラデーション。
似通ったモチーフの重複が見られます。
いっぽうで、シャープな黒い影と窓の光との鋭い対比も。
思えば、ふと目にとめて立ち止まるような風景は、似通った要素の中に鋭い対比が配置されているものであることが多いような気がします。
つまりは、私の嗜好がそのような配置に反応しているということ。
自分がモノクロの幾何的な線描に反応してしまうことは自覚していましたが、これは新たな発見です。
これが個人的なものなのか、それともある程度の一般性を持ったものなのかわかりませんが、この現象をもう少し要素還元してみたらどうなるか、引き続き考えてみたい問題です。