はざまの庵

分類し難い存在を愛でる覚え書き by aiwendil お気軽にコメントをどうぞ。

<font size="-3">SCS公演&コンドルズ「ELDORADO」仙台公演。</font>

2006-08-19 23:59:23 | インポート
本日は、仙台で舞台をふたつ観て参りました。
まずは、仙台福祉プラザふれあいホールで上演されたSCSミュージカル研究所の公演『KECHO』&『DANCE DAISUKI '06Summer』の昼公演。
ちょっとした縁があって、今年のはじめごろから拝見している在仙の子供たち中心のミュージカルグループ。今回は泉鏡花の「化鳥」を原案とした短編ミュージカル1本と、過去公演からの抜粋ダンスを集めたオムニバス1本の二本立てでした。
「KECHO」は、彼岸と此岸のあわいと母子の複雑な情愛を描いた原作を、子供たちや劇団の客層向けにわかりやすくするため巧く工夫されていた作品でした。私の好みからすると、もっと抽象表現で突っ走ってほしかったなと思うところもありましたが、総じて美しい仕上がりになっていたと思います。
『DANCE DAISUKI '06Summer』は、とにかくダンスを披露することに徹した潔い演目。
幼児、小児、児童、青年。さまざまな年代の子供たちがひたむきに踊る姿は、ここでしか立ち現れない独特の世界を築き上げていたと思います。特に幼児たちの『踊ることが楽しくて仕方がない』といった表情は、表現することの原点を露呈させているようで、非常に興味深かったです。
もうひとつ興味深かったのが若者の成長ぶり。縁があって注目していた演者に驚かされました。身体的にはそれほど変化がないのに、数ヶ月前とは表現力に大きな差が現れているのが一目瞭然。ダイナミックな動きと繊細さが同居する表現にはただただ感心してしまいました。この時期の若者たちの持つ可能性に、あらためて感慨深いものを感じました。


さて次に、電力ホールで上演されたコンドルズ「ELDORADO」仙台公演。
2005年「JUPITER 独眼竜スペシャル」、2006年「TOP OF THE WORLD」に続く、仙台3回目の公演です。
テレビ効果もあってか、2005年の仙台初公演が嘘のような動員&客席の盛り上がり。
「TOP OF THE WORLD」に感銘を受けて以来ずっと楽しみにしていた公演は予想以上にハイテンションでハイクオリティでした。
まだツアーは続くのでネタバレはコメント欄にて。
とりあえず今回気付いたことを少々。

今回の公演では面白いことに気付きました。ダンスの舞台を見た時に印象に残るシーンについてです。
コンドルズはじめ、水と油やフキコシ・ソロ・アクト・ライブの記憶を振り返ると、印象に残っているのはどれも、とある動作の過程の一瞬なのです。
つまり、ポーズを決めている場面などではなく、何か一連の動きをしている中のほんの一瞬が記憶に焼き付いている、ということになります。
視界に入っていた時間の長いポーズではなく、視界には0.1秒単位でしかとどまらなかったはずの場面を脳が勝手にフレームカットして認識しているともいえます。
呈示された場面ではなく、脳が恣意的に選択した場面のほうが印象に残りやすいということなのかもしれませんが、何を基準に脳がそういう選択を行っているのか、そこのところが非常に気になります。
おそらく、この選択機能は個々人によりさまざまで、だから同じものを観ていても感じる印象や着眼点が違ってくるのではないかと想像されました。
嗜好や興味関心を決定する根源的な原因がこのような差異の集積なのではないかと、なんとなくそんなことを考えました。
人間の認識能力は奥深いです。

ところで、もうひとつ気付いたこと。
私はどうやら近藤良平氏と誕生日が同じらしいです(笑)。
チラシに書いてあった日付を見て驚きました。
氏とともにひとつひとつ年を重ねてゆくのかと思うと、何だか少し嬉しいような。
365分の1 の確率に感謝(笑)。