はざまの庵

分類し難い存在を愛でる覚え書き by aiwendil お気軽にコメントをどうぞ。

Macintoshと私。

2006-11-13 02:25:49 | さもないこと
get a macキャンペーンのCMに、Macの社会的位置づけの変化を見た気がして、妙に感慨にふけってしまった昨日。
記憶にとどめる意味で、この機会にちょっと語ってしまいます。

Macintoshとは、かれこれ10年以上の付き合いになります。
初めて触れたのは兄のところで。
一体型の箱形モデルや、白黒液晶のノートがあったわけなのですが、ゴミ箱を空にする時にセサミストリートのオスカーが歌いながらやってくるというおちゃめぶりに心を奪われた記憶があります。
その後、大学で入った講座には、生物系の研究室の例に漏れずMacがありました。
OSは漢字Talk7.1だったような気が。
まだまだインターネット黎明期。データベース検索をするのに、学内LAN経由でLinuxを利用せねばならなかったため、とても苦労した思い出があります。
マシンのスペックも貧弱で、Netscapeを立ち上げると、日本語入力ができなくなるというていたらくでした。
当時のワープロソフトはEGword。図表を作ろうと思ったらクラリスワークス、メールはEudoraが一般的でした。
その他にも、分子生物学で必要不可欠とも言える分析機器はほとんどMac上のソフトで制御されていて、それらはたいがい英語版のMacで動いていたわけです。画像解析の伴うシークエンス機器などはその筆頭。
う~ん、なつかしい。
そうこうするうち、Mac G3 が登場、講座にも導入されました。
OSも8.1に進化。
画像ソフトのPhotoshopやIllustrator、統計ソフトのカレイダグラフやプレゼンテーションソフトのデルタグラフ、遺伝子解析ソフトのGENETIXなどが導入され、研究環境はかなり快適になりました。
同時にインターネットのデータベース機能も日々進歩していったのがこの時期です。
この頃は、MacとWindowsのファイル互換性が低く、講座間でOSが違うとデータのやり取りに苦心したものです。
また、ウィルスの問題が取り沙汰されたのもこの頃。技術的に無理だと言われていたメール添付のウィルスによる被害が出始め、一部ではパニック状態に。しかし、Macではあまり深刻な被害は聞かれませんでした。

研究室では結局、私物コンピューターやマイクロソフトのOfficeは使わずに過ごしてしまったわたくし。
しかし、就職してみると不便この上なし。慌ててマシンを探しました。
知り合いから中古で買い取ったのがPowerBook2400c。OSは8.1。
加えてOfficeを導入。
職場では慣れないWindowsに苦戦し、いっぽう家ではMac使い。
互換性の問題に悩まされた挙げ句、そのうち父親からIBMのノート機を譲り受け、一時期はwindows95を使用しました。
しかし、アプリケーションの問題などいろいろと不都合も多く、次に譲り受けたのが初期型のiMac。OS8.6。
このマシンがアリの襲撃でクラッシュし、一念発起して初めて自分で購入したマシンがiMacG4 17インチ。OSX。
ところがこのマシン、OS9での独自起動ができないと判明。遺伝子関連でOSXと拮抗するソフトがあり、仕事上どうしても不都合があったので、慌てて、OS9で起動できる最後の機種、iBookG3も併せて購入。途中、地震の被害で液晶が壊れたりとアクシデントもありましたが、OS9.2でかなり長いこと愛用してきました。
現在使用しているのはiBookG4 12インチ。OS10.4.6。これまたiBook最後の機種。
かろうじてクラシック環境が使える最後の機種です。
今後ノートを買うとなると、intel macにならざるを得ないわけですが、今まで使用してきたソフトを引き継げないので悩ましいです。

さて、今まで7台のMacと付き合ってきました。
今までを振り返って感じるのが、「Macゆえの不便」が今はずいぶんなくなったということ。
初期に恐れられた爆弾マークを見ることもなくなりましたし、OS8シリーズで頻繁だったフリーズもOSXでは滅多に起こらなくなりました。
ジョブの複相化によって、プリント中でも他の作業が出来るようになりました。
Windowsとの互換性も格段にアップしました。
OS9で泣きを見ていたweb環境も、OS10.4.6に変えてからは、Safari使用でweb閲覧にストレスを感じることもほとんどなくなりました。
Doc機能もスマート。
デフォルトでヒラギノ書体が入っているのも嬉しい。
動画やFlashに強いのかな、といった印象も。
総じて、オールインワン的な使用感が強化されてきたのかなと思えます。
Macそのものは非常に使い易い。
ただ、唯一にして最大の問題は、Macをサポートしていない他社サービスが多いということ。
家電売り場のソフトウェアコーナーにおけるMac対応ソフトの少なさといったら、想像を絶するものがあります。
手頃なデータベースソフトがないのも惜しいです。

iPodの普及によって、アップル、ひいてはMacの知名度は格段に上がったものと思えます。
しかし、仙台圏などではMacのシェアは1割程度なのだとか。
まだまだ少数派であると言えます。
アップルストアのアットホームな雰囲気や、サポートサービスの手厚さ、セキュリティの優位性、これらは少数派ゆえの利点という側面を持つのではないかと思えます。
Mac mini による布石やIntel Core 2 Duoのアピールによって、Macに乗り換えてみようかと感じているWindowsユーザーは潜在的にたくさんいそうです。
(そういう意味では、今更Windowsを揶揄する必要などないと思える私。)
今後Macがシェアを拡大していった時に一体何が起こるのか。
少数派ゆえのユーザー優位性は減衰してしまうのか、あるいはより強化されるのか。
アップルがこれからどこへ行くのか、ヘビーユーザーとして興味深く見守ってゆきたいと、そう思います。