はざまの庵

分類し難い存在を愛でる覚え書き by aiwendil お気軽にコメントをどうぞ。

古道具に宿るもの。

2006-11-14 00:19:07 | さもないこと
職場の近辺にアヤシげな古道具屋があります。
田舎特有の古民具やらガラクタやらが所狭しと並び、ときたまとんでもなく古い骨董や江戸時代の書物が紛れ込んでいるという、まさに玉石混淆のカオス。値段の付け方もいいかげんで、スーパーのお菓子についているような値札シールに数字が印字されているものの、ほとんどが褪色して桁数すら怪しいというていたらく。値札があるものはまだいいほうで、店内のモノの大半には値段がついていません。気になる古道具を店のおかみさんに問うと、たいてい「500円」という声が返ってきます。つまり、小物に限ればほぼ500円均一も同然の古道具屋(笑)。
置いてあるものはボロボロのガラクタがほとんどなのですが、気になる道具に巡り会う場合もあるので、たまにふらりと寄ることがあります。
で、先週、その店から久しぶりに古道具を2つほど連れ帰りました。
まずは、妙に気になった小ぶりの湯呑み。
Yunomi01白磁。透かしが入っていてなかなかいい風情。地と模様のバランスも私好み。大きさもほどよい。
日常で臆せず使える感じが良いです。
ちなみに、裏にはMADE IN CHINAの手書き風文字。高台には若干の溝。いったいどんな由来の焼物なのでしょう。
気になります。
 
つぎに、薄汚れた帆布バッグ。
Sekijujibug01戦時中のものでしょうか。『日本赤十字社』の文字が裏に。
表側には『昭和化工株式会社製』のタグが見られます。
なんとも風情のある鞄。どことなく、クラフト・エヴィング商會的でもあります(笑)。
肩掛けヒモの他に、もう一組のヒモがあるのも気になります。跳ねないように腰で結ぶためのものでしょうか。
大きさはちょうどA5版の本が入るくらい。すこし厚めの辞書がすっぽり納まるほどのマチがついています。
メモ帳や画材など、ちょっとしたものを入れるのに良さそうです。
もちろん、このままではホコリがひどくて使えたものではありませんので、まずはじっくり洗剤につけて長年の汚れを落としたいと思います。
 
古いモノ、古い道具、物語を宿していそうな風情のあるモノが好きです。
決して流通上の価値があるわけではありませんが、骨董に付けられる値とはまた別種の価値が、こういう道具たちには宿っているような気がします。
田舎の古道具屋は、案外あなどれないものなのかもしれません。
古いモノ好き、とりわけクラフト・エヴィング商會好きには田舎の古道具屋めぐり、おすすめです(笑)。