はざまの庵

分類し難い存在を愛でる覚え書き by aiwendil お気軽にコメントをどうぞ。

<font size="-3">「新日曜美術館」に海洋堂。</font>

2005-02-27 20:18:27 | アートなど
NHK教育の「新日曜美術館」に海洋堂が登場しています!
ベネチアビエンナーレ日本館の「OTAKU(おたく)展」に関する特集に関連した取材。
前半を見逃したのが残念!
外部から分析的にとらえた「おたく」文化は妙に新鮮です(笑)。
たとえば番組中で、「萌え」という言葉を「わび」「さび」と同様に日本特有の概念としてとらえた解説が興味深く思えました。無生物を、命を宿したものとしてみなす文化は、日本古来のものだという説には妙に納得。器物に魂が宿るという「九十九神(つくもがみ)」思想との関連も想起されます。
しかしながら、「おたく」という言語概念をいまいち把握しきれていないわたくし。
名詞的概念と文化的概念、そして所属的概念などなど、いろいろなレベルでの概念が渾然一体となっていまいちつかみ所がない、使うほうもそれぞれ勝手な意味で使っており、言語としての統一感がない言葉、そのような印象を受けるからです。
要するに定義がよくわからない。
・・・などと考えているうちに斉藤環氏まで登場。
「おたく」に対するステレオタイプ的な社会認識への批判的見解を述べていらっしゃいました。
実存文化、しかも都市空間に影響を与える文化としての「おたく」という概念。
なるほど、そう考えると、なんとな~く概念がつかめてきたような気がします。
やはりNHKはあなどれません・・・・。


なお、ベネチアビエンナーレで好評を博した、この「おたく:人格=空間=都市」帰国展は3月13日まで、恵比須の東京写真美術館で開催されているそうです。


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5 コメント

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そのような企画&番組があったんですね。 (uzura)
2005-02-27 22:58:28
そのような企画&番組があったんですね。
NHKは様々な視点を持っていて面白いです。

私は概念という言葉の定義自体が怪しいので
「おたく」の概念を説明することはできないし
番組も見ていないですが、
かなり幅の広い使い方のできるのが
「おたく」という言葉の一つの特徴なんではないかと思っています。
そして、人の嗜好や趣味のひとつの形態を表していると同時に
私にとっては一種の「称号」でもあります(笑)
何かに関して「おたく」だと言えるほどの
知識と情熱を持ってみたいものです。

「萌え」のほうは…
よく萌えてますけどもね。
わたくし。
言葉を説明しろと言われると難しいなぁ。

それにしても、そうやって改めて考察されてみると、
不思議の国・ニッポン。

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>うずらさま (aiwendil)
2005-02-28 00:03:50
>うずらさま
ベネチアビエンナーレとは、文字どおり、2年ごとにイタリアのベネチアで開催されている現代アートの祭典です。
今年の日本館は建築家とのコラボレートで現代日本を規定する文化としての「おたく」に着目し、「おたく」文化がいかにして発生・成長し、都市形成に影響を与えていったのかを、実例交えながら大規模に展示していったのだそうです。
「おたく」文化の一翼を担うフィギュアコレクション(源流は鉄腕アトムであり、そこから美少女キャラに代表される愛らしいフィギュアが発展していったのだそうです)の変遷過程であるとか、「おたく」文化の生んだ言葉であるとか、「コミケ」のミニチュアであるとか、パロディ本の実例であるとか、「おたく」の部屋のミニチュアであるとか・・・・そういった実存としての「おたく」文化を展示し、都市とのかかわりを示唆してみせたのだそうで、観覧者は一種不可思議な世界に触れ消化不良に近い状態になっていたそうです(笑)。
観客は、イタリアをはじめとしたヨーロッパ人が主。
番組中で鑑賞者へのインタビュー映像が流れてたんですが、「本当にこんなものがあるの?」「日本へ確認にいかなくちゃ」といったコメントが印象的でした(笑)。
まさに不思議の国と映ったんでしょうね(笑)。

村上隆の登場によって、ファインアート畑でも世界的に日本のサブカルチャーが注目されるようにはなりましたが、まだまだ世界にとっては(同じ国内でも)不思議の多い対象と映っているに違いないですよ、きっと(笑)。
というわけで、番組としてこのテーマをどのように紹介・導入したのか、見逃したはじめの10数分間がどんな内容だったのかがとても気になっています。
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日曜の朝、家事の分担を放ったらかして見てました;; (Chubb)
2005-03-03 23:10:22
日曜の朝、家事の分担を放ったらかして見てました;;
あ、これは見なきゃ、と(笑)。
わざわざ東京まで展覧会を観に行けるわけではありませんし・・・

さいきん大阪の電気街である「日本橋」(←正しい読み方はご存知ですか??^^)に行っていないので分からないのですが、だんだん秋葉原に近付いていっているそうです。
たしかに去年かおととしに行った時、電気屋さんが閉まってガラーンとしているわりに、オタクショップがそこかしこに浸透している感じは受けました。
コミケとかも画面に出てきて知らないわたしは「ふーん・・・」

淡々と話をすすめる建築家氏、興味津々のはなちゃん、そして戸惑い気味のアナウンサーさんを見ているだけでも、おもしろいなぁ~なんて思いました(笑)。
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>Chubbさま (aiwendil)
2005-03-05 23:03:18
>Chubbさま
この番組を見たあとで、たまたま「InterCommunication」という雑誌の49号を手にとった(佐藤雅彦普及活動の一環です:笑)ら、冒頭の対談がまさにこの「おたく=空間=都市」展にかんするものだったので驚きました(笑)。
目は通していたはずなのに、まったく記憶に残っていなかったんですねぇ~(^^;。
ICCのサイト→(こちら)でフルテキストを見られるはずなんですが、うちのPCからはアクセスできないようなので、以下、この号の紹介のみにとどめておきます。

2004年夏号「5つの対話 終わり&始まりのあいだで」と題した各分野の著名人5組の対談です。
Indexだけですが詳細は→こちら

磯崎新氏と森川嘉一郎氏の対談もさることながら、わたくしのイチオシは佐藤雅彦氏と藤幡正樹氏の対談(笑)。
他にも、青山真治氏と蓮実重彦氏の対談なども興味深いです。
生物屋としては中村佳子氏と西垣通氏の対談に興味を覚えるべきなのでしょうが、このおふたりの話が最後まで噛み合わないままに無理矢理な感じで終了しているのが妙に気になりました(^^;。
どちらかというと、西垣氏のほうがサイエンティフィックな視点をお持ちのようで、私個人としては生物学者の中村氏よりも情報学者の西垣氏の意見の方に親和性を覚えてしまいました(^^;。

このInterCommunication vol.49、興味がございましたら、お近くの図書館等でぜひご覧になってみてくださいませ(笑)。

余談ですが「新日曜美術館」のはなちゃん、良い味出していますよね~(笑)。
何に対しても偏見がないというか、好奇心とおおらかな包容力、飾らない素直さが魅力です(^^。
この人選をした番組制作者に拍手(笑)!

ところで、「日本橋」、正しくはどう読むのですか?
このままでは気になって夜も眠れません~!(←嘘)
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「にっぽんばし」です。これで安眠確実でしょうか... (Chubb)
2005-03-05 23:27:31
「にっぽんばし」です。これで安眠確実でしょうか?(笑)
中村佳子氏と西垣通氏の対談・・・
仰りたいこと、おおよその見当がつきます^^;
去年でしたか、中村氏の講演を聞きに行きましたので。
>親和性を覚えてしまいました
英語では正しい表現ですけど・・・(爆)<affinity
InterCommunicationはまだまだわたしにはハードルのある一冊です(汗;)。
ユリイカ・現代思想くらいまでなら理解可能な記事が多いのですが、文系ちっくな表現が並ぶと拒絶反応が・・・
本屋さんにバックナンバーがあるのを知っていますので、一度立ち読みしてみます。
ご紹介ありがとうございました。
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