はざまの庵

分類し難い存在を愛でる覚え書き by aiwendil お気軽にコメントをどうぞ。

東京遠征11/24。

2006-11-25 01:52:03 | アートなど
昨日11月24日は、前日に引き続き東京で展示会を二つ観て参りました。

まずは、木場の東京都現代美術館で開催中の企画展「大竹伸朗 -全景-」および常設展。
大竹伸朗展については、完全に見くびっておりました。
とにかく半端ではない作品数。圧巻です。
2時間程度あれば充分だろうと思っていたところ、結局は常設展とあわせて約4時間かかってしまいました。
おそるべし。
地下1階から地上3階まですべてのフロアを総動員してコラージュや写真や絵画、立体、インスタレーション等々、様々な作品が所狭しと並んでいます。
具体的には、ライフワーク的なスクラップブックからはじまり、学生時代の落書きと作品、各時代時代で生み出した表現の数々がほぼ時系列順に並んでおり、氏の半生を記録する壮大なアーカイブのような展覧会でした。
作風も、媒体もがらりと変わる変幻自在の大竹作品ですが、なぜか常に変わらないのが密度の高さ。一見シンプルな作品でも、なぜだか高密度のエネルギーを感じさせる雰囲気のように思えました。不思議です。
企画展の作品を形容するなら、全般的に『何でもありのカオスとエネルギー』その一言に尽きるのではないかと感じます。
とにかく圧倒されました。

さて、次に渋谷のBunkamuraミュージアムで開催中の「スーパーエッシャー展」。
これも、少々見くびっておりました。
公式HPには、平均鑑賞時間約90分とあったので、2時間をみれば充分かなと考えていたら甘かった。
5時に入場して、会場を出たのは閉館ギリギリの9時。たっぷり4時間かかった計算です。
作品数が多いのもさることながら、内容的にも非常に密度の濃い企画展だったと思います。
2001年に大阪のサントリーミュージアムで観た「エッシャー展」よりも、ずいぶん構成がしっかりしていたように感じました。
私自身、版画の真似事でハンコを彫っているので、以前よりも着眼点が異なっていたせいか、いろいろと発見が。エッシャーの作品は木版が多く、ハンコ作成の上でもたいへん参考になる部分がたくさんありました。
ところで、観ていて強烈に感じたのが、エッシャーは数学やルールの人だったのだなあ、ということ。
作品制作の根底には常に、元となる数理概念や論理が潜んでいたようです。
そういう意味では、科学者と非常に親和性を持ったアーティストだったのだなと、今更ながら感慨深く思えました。
印象に残っているのは、作品では「夜のローマ」シリーズ。画を構成する線を、縦方向のみ、横方向のみ、十字形のみ、放射線のみ、45度方向のみ、など独自のルールで制限した作品群は、その制約がありながら不思議な精彩を放っていたように思えました。
正則分割のための習作ドローイングも、作者の考え方を知る上で非常に面白い。
(途中休筆。のちほどまた書き足します。)

他にも、森美術館で開催中の展覧会「ビル・ヴィオラ 『はつゆめ』」にも行くつもりだったのですが、残念ながら時間切れ。
色々な意味で密度の高い展示巡りだったと思います。


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