断捨離をしていると、

懐かしいものを見つけたりする。

この藍染の型染めは、
もう26〜7年前の物。


この頃のことは、よく覚えている。
草木染めを習いに、
染色仲間3人を誘って、
明石まで電車で行き、
そこからバスで、
先生宅に通っていた。
お弁当持ちで、1日教えていただき、
帰りは暗くなって帰ってきていた。
月一回のお稽古。
1年ほど、続いたか?
教えてもらったことを、覚えるのに、
一生懸命だったなぁ〜
帰りのバスを乗り間違えて、
ずいぶん遠回りして帰ったこともあった。
そんなお教室通いは、
震災の前日まで、続いていた。
この生地は、先生宅の庭の藍ガメで染めた本藍…。
26〜7年経っていても、
藍の色は鮮やかなままだ。
座布団カバーに染めた物だが、
縫うこともなく、そのままになっている。
この型は先生にお借りして染めた物で、
模様をコピーして、型を彫るつもりにしていたのだった。
その思いが、
ずいぶん長い時を経て…
やっと、今日実行される。
トレーシングペーパーに、
生地の模様をなぞり、写し始めた。
色々な思いが込み上げてきて…
胸を締め付けられ、
目頭が熱くなってくる。

これを染めた日の寒かったこと…
先生宅のお教室の様子…
みんなと交わした話や、
一人一人の笑い声…等
昨日のように、はっきりと思い出される。
それなのに、
一緒に明石まで行っていた仲間は、
3人とも居ない。
もう会うことの出来ないところに、
みんな、行ってしまった。
あれから、
26〜7年経ったんだなぁ〜。
そんな思い出深い作品。
今から、座布団に縫う。
これで、26〜7年ぶりに、
藍染の作品は完成するが、
思い出は、完結させたくない…と、
思っている。