おなかの赤ちゃんが、私をおかあさんにえらんでくれた。
そういうことばを、どこかで読んだことがあります。
すてきだな、いいなあって心がほっこりしたけれど。
でも、それだけじゃないよね。
この子が私をえらんでくれた。
だけど、私だってこの子をえらんだ。
私がえらんだ。たくさんの生命の中から。
ほら、子犬とか子猫とかと出会ったときにもあるでしょう。
いっぱいいるのに、なぜかたった一匹と目があって、
あ、
と思う瞬間が。両想いの一瞬が。
そういう時間が、あったかもしれない。
ここではない、どこかの場所で。
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