そで
うらみわび ほさぬ袖だに あるものを
恋にくちなむ 名こそをしけれ
詠んだ人・・・相模(さがみ 女性)
詠んだ人のきもち・・・(恋人の冷たさを)うらみ悲しんで
(涙にぬれた)袖が、かわくまもなく朽ちてしまいそうなのに
そんな恋のうわさのために
わたしの評判までが落ちてしまうなんて、残念なことですよ。
ほさぬ袖だに・・・うらみ悲しんで泣いてばかりいるので、涙をふく袖が
かわくひまもなく、ぼろぼろになってしまう、という意味。
くちなむ・・・すたれる。おとろえる。
名・・・評判。名誉。
ここでは、むなしい恋なのに、そのことをいろいろうわさにされて
落ちてしまう自分の評判、という意味。
をしけれ・・・惜しいなあ。残念だなあ。
(涙にぬれた袖さえ、朽ちていないのに、私の評判が落ちてしまうのがおしい。
とする説もあります)