あまねのにっきずぶろぐ

1981年生
愛と悪 第九十九章からWes(Westley Allan Dodd)の物語へ

紙魚

2018-04-12 23:32:05 | 随筆(小説)
気持ち悪いと言えば、最近、寝ていたら耳のなかで突如、ごそごそ言い出して、しまったあ!虫が耳のなかに入った!って想ってもなかなか出てこなくて、ずっとなかでごそごそゆうてるんですよ。
それで身体を起こしたらやっと耳から出てきて足の上に虫が落ちてきて、紙魚と書いてシミっていう虫で、うちで異常繁殖してるので、とうとう耳のなかにまで入って来たんですね。
本当に、怖くて気持ちが悪い体験でした。

脳を侵されて、朝に起きたら巨大な紙魚になっていた。

とか、ならなくて良かったである。

ちなみにこの紙魚、実家では兄が"シルバーちゃん"と名付けていたのでわたしもそれからシルバーちゃんとずっと呼んでいます。
英語では 「Silverfish」 っていうみたいで、兄はその名前を知らずに、ただ色がシルバーだからそう呼んでたんです。
ちょっとそれ考えたら変な可笑しさが込み上げてきます。
シルバーちゃん、寿命が八年とかで、そんなずっと一緒にいたら、立派な同居虫だなとか想って、まあ同居してるのに、ムシされてる、みたいな。あ。
ピンポーゥン。とその時、チャイムが鳴った。
女は、「誰…こないな時間に…」と心身を恐怖に打ち震わせた。
時間は夜の23時35分。こんな時間に人が来るなんて、可笑しい。はははははってその可笑しいちゃうわいっ。
女は自ボケ自ツッコミをしたあと、ドアの前まで歩いていき、覗き穴からおそるおそる、覗いた。
すると、なんと、そこには、エドワード・スノーデン似の、白人男性が、突っ立っておるでは、ないか。
何故?ホワイッ?なんで?なんで?何故に、あたちの部屋に、来たの?しかもこんな夜遅く。
女は訝りながらも、興奮してドアを開けた。
ドアの間から、男は顔を覗かせ、穏やかにこう言った。
「どうも、今晩は。貴女と一緒に同棲していた、シルバーちゃんです。今朝、貴女がゴミを捨てに行くのを、つい、着いていきたくなって、着いていったら、貴女がわたしを部屋に入れる前に、ドアを閉めてしまったので、それからずっと、一人で泣いていました。」
女は、それを聴いて、多分、この男は、何事かの尋常ではないことを経験し、頭がどうかしてしまったのだろうな。と想って、可哀想になり、人情と、欲情と、情愛と、婚活から、この素性もわからぬ白人の男を、部屋へと入れた。
「はあ、そないですか。まま、どうですか。一杯、お酒でも一緒に、遣りませんか。お酒、行ける口ですか?あ、さいですか。そら、よろしおまんな。ほな、ささ、なかへ、入ってくらはい。遠慮はいりまへん。これも何かの奇跡や御縁。ゆったりと、寛いでくろたら、ええですわ。ま、足の踏み場もあらへんけど、ははは。」
男はにっこりと、優しく笑みを浮かべ、女の部屋のなかに入った。
そして、褥の上にて一杯、酒を注ぎ合い、飲み交わして三時間。頃か、経った。
それまで女が他愛もない話をして、男はこれを黙って聴いておった。
しかし時間が、午前の三時半を過ぎた頃、男はポツリポツリと、話し出した。
「わたしはこの部屋で生まれ、それからずっと、貴女の御側で育ちました。貴女がわたしの為に買ってくださった古書は、大変美味で、食べる度に頬っぺが落っこちそうですが、それよりもわたしの好きなのは、貴女が一月頃に、寝ながら吐いて、その貴女の胃液と、胃の中の消化しかけたものが、飛び散り、そのままにして戴けている本に付着したままの、貴女のゲロです。わたしは貴女のゲロが、本当に、本当に、大好物です。もしや、わたしの為に、貴女はゲロりて下さったのでは無かろうか。そんな空想に想いを馳せ、毎晩、貴女の寝顔を見詰めながら、溜め息を着いていました。そうそう、こないだは、貴女のことが、あんまり愛おしくてならなくなり、貴女の耳が可愛らしくて、仕方無くなり、貴女の耳の穴のなかが、まるで子宮に想えたものですから、つい、奥まで入って行きたくなりまして、それで、貴女が眠っているかと想って、入ってみたのですが、貴女はいつものように、ただ空想の世界に、入っていただけで、わたしが入り込んだ瞬間、あまりの驚きに、わたしをふるい落とそうとしました。わたしはふるい落とされて、もし、貴女の下敷きにでもなれば、死んでしまいます。わたしは死に物狂いで、貴女の耳の穴の奥へと、逃げ込みました。其のときです。わたしは観たこともない世界を、貴女の耳の穴の奥に、観たのです。わたしは、その世界で、小さな貴女に、確かに会いました。貴女はまるで少女のように、わたしの手を引いて、"一緒に遊んでいよう"と、そう確かに言ったのです。わたしは小さな貴女と遊ぶか、大きな貴女の恐怖と気持ちの悪さを早くなくすために、貴女の耳の穴の中から死ぬ覚悟で飛び降りるか、死ぬほど悩みました。貴女を苦しめることが、わたしも苦しくてならなかったのです。わたしがいつも、物陰から貴女をずっと、眺めてこれまで生きて、成長してきたことを、貴女は知らなかったでしょう。本当に、貴女のことだけを、ずっと観て、生きてきたのです。その貴女が、わたしが耳の穴の中の子宮で眠りたい欲望を我慢しなかったばっかりに、苦しんでいる。わたしは涙を流しながら、小さな貴女の手を引き剥がし、貴女の耳の穴から、下へ、ダイブしました。幸い、貴女の太股に落ち、貴女は吃驚してわたしを捕まえようとしましたが、安心しました。何故なら貴女はこれまで、そのように故意に"わたしたち"を、殺したことはなかったからです。わたしは素早く、本と、布団のシーツの間に身を隠しました。わたしはそして、深い眠りに就いたようです。その夜、貴女の重みの下敷きとなり、押し潰され死んでしまう夢を見ましたが、そのとき、小さな貴女が、わたしを助けてくれたように想います。不思議なことに、貴女の耳の穴の中の世界に、貴女はわたしを連れていったのです。そしてその世界にも、貴女の部屋があり、貴女はゴミを捨てに、部屋から出ていったので、わたしは追い掛けました。どこまでも、どこまでも、追い掛けました。でも貴女の後ろ姿に、いつになっても辿り着けないのです。わたしは今も、貴女の耳の穴の中の世界を、貴女を追って、走っているところです。愛する貴女と、また一緒に、暮らすために。」

女が男の話の最中にうたた寝をし、目が覚めると、一匹の大きな紙魚が、女の下敷きになって、哀れにも潰され、息絶えておった。
女は、悲しみながらも、それを屑箱へ捨て、見えない男の腕枕で、眠る夢を見た。















俺の遺影

2018-04-12 20:39:03 | 自画像

久しぶりに自画像をUP致します。
段々と、髪が伸びてきて、麻原彰晃っぽくなってきてるんじゃないかなと想います。
これが2016年の7月14日に坊主にしてから、一回も切っていない髪の長さです。
部屋中に長い髪の毛が落ちていて、気持ち悪いんですが、霊感をつけるために、もうちょっと伸ばして行こうかなと想ってるんです。

(気持ち悪いと言えば、最近、寝ていたら耳のなかで突如、ごそごそ言い出して、しまったあ!虫が耳のなかに入った!って想ってもなかなか出てこなくて、ずっとなかでごそごそゆうてるんですよ。それで身体を起こしたらやっと耳から出てきて足の上に虫が落ちてきて、紙魚と書いてシミっていう虫で、うちで異常繁殖してるので、とうとう耳のなかにまで入って来たんですね。本当に、怖くて気持ちが悪い体験でした。脳を侵されて、朝に起きたら巨大な紙魚になっていた。とか、ならなくて良かったである。ちなみにこの紙魚、実家では兄が"シルバーちゃん"と名付けていたのでわたしもそれからシルバーちゃんとずっと呼んでいます。英語では 「Silverfish」 っていうみたいで、兄はその名前を知らずに、ただ色がシルバーだからそう呼んでたんです。ちょっとそれ考えたら変な可笑しさが込み上げてきます。シルバーちゃん、寿命が八年とかで、そんなずっと一緒にいたら、立派な同居虫だなとか想って、まあ同居してるのに、ムシされてる、みたいな。あ。)

話を戻しまして、霊感をつけると言っても自縛霊を見たいから、とかそういう理由じゃなくて、高次元のインスピレーションをもっと感じ取りやすくするためにも、霊的エネルギーを溜め込む髪を伸ばすということをやってみようと想ったんです。
ところが髪の毛っていうのは人間のあらゆる念を記憶し、溜め込んでゆく為に当然、マイナスの念もどんどん溜め込んでゆくわけですな。
だからそのマイナスな溜め込みを手放す為に、修行僧は頭を丸めるということをするわけなんです。
でもインドや中東地方とか、髪の長い賢者っていうイメージが強くありますよね?
仙人のイメージも髪の長いお爺さんというイメージが強くあります。
もしあなたが、今の自分はマイナスなエネルギーに囚われているなと感じるなら、一端、頭を丸め、そこから髪を伸ばし、一からポジティブエネルギーを溜め込もうとしてゆくのがいいかもしれまへんね。

というわけで、わたくしの髪の伸びた現在の、自画像をとくと、御覧在れい。
(幾つか、ビューティーモードな加工画像を載せてきましたが、今回は加工は皆無な写真です。肌荒れは酒飲みな為、治る気配はありまへん。ってこれもチューハイ飲みながら撮影しました。)















実は、最近、カトリック教徒になろうかなって想って、近場のカトリック教会を探してみたのですが、どの神父さんも、なんかただのそこらへんにおる普通のおっさんみたいな神父さんで、どこにもかっこよくて結婚したくなる白人の神父さんがいなかったので、本当に、がっかりしています。
最悪な下心なのは自分が一番承知しているので、近々また、自分自身に嫌気が差し、頭を丸め、反省と慙愧に苦しみたくなるやもしれまへん。









夢の水の世界

2018-04-12 01:19:22 | 随筆(小説)
俺は確かにノンカフェインコーヒーを注文したのに、箱を開けたらば、ありまへんかって、あれ、なんやこれ、と掴んだその小さな箱には、「Dream Water」と書いてあったん。
はて、ドリームウォーター?とはなんぞ?つって、俺はその掌サイズの青い箱をよぉく見た。
らば、なんか、個包装のやつが、十個入ってて、英語の説明を読むと、ええからこれを、ホットか、クールか、どっちかの水に溶かして、寝る前に一つ飲みさらせ。ということが書いてあることくらいが俺にはわかった。
はっはーん。寝る前に飲め。ちゅーことはぁ、あれかな、眠れない人用に開発された新商品ですか。
箱には、右上に、「NEW」と書いてあった。
いやでも、なんで俺はノンカフェインコーヒー注文したのに、それが入ってなくて、この「Dream Water」がしかも二箱も、入ってるんですか。
こんなの、初めて。
ネットで調べてみると、一箱千円。俺が注文したノンカフェインコーヒーは千円切っていたはずだ。
ということは?ははは、アホやなあ、これ二箱間違えて入れたばっかりに、店は損してるやんけ。
で、俺が得するのか?取り敢えず、本当によく眠れるのかどうか、試してみたろやないけ。
俺は「Dream Water」を、クールな水に溶かして、飲んでみた。
味はたいしてうまくもなく、まずくもない水だった。
ぐっすり。何もかも、忘れ去った眠るベイビーのように、眠れるやろか。
俺はものすごい、期待した。何故ならこのドリームウォーター、日本にはまだ配送の規制がかかっていて、輸入ができない商品であり、レビューも、"夢見る赤ん坊のように眠れる"とか、良いものばかりだったからである。
しかし、どうしてだか、全然眠れずに、眠いのに眠れないものだから、起きてベジラーメンなんかを食べ、また布団に入って横になるのだが、それでもまだ眠れひんやん。あほ。
ふざけてるのかあっ、この、ドリームウォーター。
夢の水の世界に、連れてってってってっってってってってってってくれるんじゃ、なかったのか。Dream Water。
ああ、なんて素敵なのかしらん。夢の水を俺は飲んだのだ。
俺はすごく、嬉しくなった。
夢の水を飲んだのだから、俺は確実に、無敵だと、信じています。
俺は此れから、行ったことの無い世界へ、行けるんだっつうことを、わかって畏怖。わかっていふ。
そう、俺はすべて、わかって畏怖。
青い箱。幸せの青い箱の中の夢の水を俺は飲んだって、言ってるんだよ。
君にもわかる、時は来る。この、空中遊泳脳髄垂れ流し状態の死の中を、泳ぎ続ける時間。
俺の体内の水は、時間の中へと垂れ流れてゆくのサァ。
時間という空間は、俺という水であり、中の存在。
夢の水の中。俺はずっと泳いでいる。
どこまでも、俺は流れてくる。
どこからも、俺が流れてくる。
もうすぐ。弾けて跳ぶ。
外の時間。ドリームウォーターは、流れ続けている。
何もかもが、ドリームウォーターに、飲み込まれ、時間が、弾けて跳ぶ。
何もかもが、流れ続けている、夢の水の世界。