乾しカマを所望いたす

 みゆちゃんはよく、カニカマを乾した「乾しカマ」と煮干をおやつに食べるのだけれど、乾しカマのほうは、しばらく前に切らしてしまってから、いまは家にない。
 ないのだけれど、みゆちゃんは乾しカマの味が忘れられないらしい。以前乾しカマを仕舞っていた冷蔵庫を開けるたびに、テーブルの上から身を乗り出してきて、うっかりすると冷蔵庫の中に入ってしまうから、私は、いまは乾しカマないんだよとみゆちゃんが冷蔵庫に入ってしまわないよう押さえつつ、マヨネーズやら、マーガリンやらを取らなければならない。
 乾しカマがなくてかわいそうなので、代わりに煮干をあげようと、部屋の反対側の上のほうについている戸棚を開けていると、テーブルの上に座ったみゆちゃんは、「違う」というような顔をしてこっちを見ている。
 袋の中から一匹取り出して、目の前に置いてやっても、やっぱり「ちがう」といいたげな、不満そうな顔をしているが、乾しカマが出てこないとわかると、ぼちぼち煮干を食べている。
 なるべくはやく、乾しカマを買ってやらなければならないと思う。


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